第113回医師国家試験 B41

第113回国家試験 B41

40歳の女性。動悸を主訴に来院した。 現病歴:2か月前から動悸を自覚している。当初は、買い物などで荷物を持って5分ほど歩くと動悸を感じていた。10日前から①家事で少し動いても動悸を感じるようになった。友人に話したところ、②病院を受診した方が良いと言われた。③動悸の性状は、脈が速くなる感じである。症状は徐々に強くなっていて、このままだとさらに悪化するのではないかと思っている。④父が脳梗塞になり、心臓の病気が原因と聞いていた。⑤自分が寝たきりになると家事が十分できなくなるため、心臓の病気を心配している。その他、軟便がある。また、以前より暑がりになった。体重は最近2か月で3kg 減少した。 既往歴:特になし。職場の健診で心電図異常を指摘されたことはない。 生活歴:夫と小学生の娘との3人暮らし。喫煙歴はない。飲酒は週1回ビール350 mL/日を10年間。仕事は事務職。 家族歴:父親が高血圧症、脳梗塞。母親が脂質異常症。 月経歴:初経 13 歳。周期 28 日型、整。

現症:意識は清明。身長 160 cm、体重 52 kg。体温 37.1 ℃。脈拍 104/分、整。血圧 128/66 mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 97 %(room air)。瞳孔径は両側 3.5mm で、対光反射に異常を認めない。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。びまん性の甲状腺腫大を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。 身体診察で認められることが予想されるのはどれか。