平成30年度(第113回)医師国家試験問題

第113回国家試験 A1

肝硬変を母地として発生した最大径2cm、単発の肝細胞癌に対する治療方針を決定する上で重要でないのはどれか。

第113回国家試験 A2

筋強直性ジストロフィーでみられるのはどれか。

第113回国家試験 A3

両側高度難聴に対して人工内耳埋込術を受けた患者の側頭骨の病理写真を別に示す。人工内耳の電極先端部 矢印 が挿入されている部位はどこか。

第113回国家試験 A4

EGFR遺伝子変異陽性、遠隔転移を有する進行肺腺癌に対する初回治療で、分子標的薬(チロシンキナーゼ阻害薬)の副作用として頻度が高いのはどれか。

第113回国家試験 A5

急性心筋梗塞の合併症について誤っているのはどれか。

第113回国家試験 A6

精神発達遅滞をきたさないのはどれか。

第113回国家試験 A7

胃体部進行癌が浸潤しにくいのはどれか。

第113回国家試験 A8

妊娠10週の尋常性乾癬患者に対する治療法で最も適切なのはどれか。

第113回国家試験 A9

膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)でみられないのはどれか。

第113回国家試験 A10

経腟分娩における第2回旋の異常はどれか。2つ選べ。

第113回国家試験 A11

褐色細胞腫摘出後早期に注意すべきなのはどれか。2つ選べ。

第113回国家試験 A12

ナルコレプシーの患者の訴えと考えられるのはどれか。2つ選べ。

第113回国家試験 A13

尿へのナトリウム排泄低下を伴う低ナトリウム血症をきたすのはどれか。2つ選べ。

第113回国家試験 A14

眼瞼下垂の原因となるのはどれか。2つ選べ。

第113回国家試験 A15

30歳の女性。無月経となり市販の妊娠反応検査が陽性のため来院した。月経周期は30〜50日型で、最終月経から算出した妊娠週数は10週0日であった。超音波検査で子宮内に心拍を有する胎児を認めるが、頭殿長は妊娠8週2日相当である。 現時点の対応として適切なのはどれか。

第113回国家試験 A16

68歳の女性。1年前にS状結腸癌(病期Ⅲ)と診断されS状結腸切除術およびリンパ節郭清術を施行された。術後の補助化学療法を勧められたが、治療を受けず来院していなかった。1週間前に腹痛を自覚し軽快しないため受診した。 意識は清明。身長 158 cm、体重 50 kg。腹部は平坦で、肝・脾を触知しない。臍周囲に自発痛と軽度の圧痛とを認める。 血液所見:赤血球 385 万、Hb 10.9 g/dL、Ht 37 %、白血球 5,100、血小板 14 万。血液生化学所見:総蛋白 7.2 g/dL、総ビリルビン1.1 mg/dL、AST 54 U/L、ALT 48 U/L、ALP 722 U/L(基準 115〜359)、γ-GTP 264 U/L (基準 8〜50)、CEA 78 ng/mL (基準 5以下)、CA19-9 350 U/mL(基準 37以下)。CRP 2.8 mg/dL。腹部造影CTを別に示す。 行うべき治療はどれか。

第113回国家試験 A17

29歳の女性。頭痛を主訴に来院した。2年前に手指の腫脹、皮膚硬化を自覚し、自宅近くの医療機関で精査を受けた結果、全身性強皮症と診断された。プレドニゾロン20mg/日を開始され、手指の腫脹と硬化は軽快した。プレドニゾロンは漸減され、5mg/日で維持されていたが、3か月前に皮膚硬化の増悪を認めたため、10mg/日に増量されていた。昨日から頭痛を自覚したため受診した。 体温 36.7 ℃。脈拍 72/分、整。血圧 172/108 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。圧痛を認めない。両手指、前腕部および前胸部に皮膚硬化を認める。下腿に浮腫を認めない。 血液所見:赤血球 343 万、Hb 10.5 g/dL、Ht 32 %、白血球 11,200(桿状核好中球 32 %、分葉核好中球 45 %、好酸球 1%、好塩基球 0%、単球 5%、リンパ球 17 %)、血小板 43 万。血液生化学所見:尿素窒素 45 mg/dL、クレアチニン 1.5 mg/dL、Na 140 mEq/L、K 4.2 mEq/L、Cl 108 mEq/L。抗 RNA ポリメラーゼⅢ抗体陽性。 まず行うべきなのはどれか。

第113回国家試験 A18

出生後12 時間の新生児。在胎39週、出生体重3,820gで、児頭の吸引を3回施行した後に娩出された。Apgarスコアは6点(1分)、9点(5分)であった。出生時に両側の側頭部から後頭部にかけて波動性の血腫を触知した。徐々に頭部の血腫が拡大するとともに、出生9時間後からチアノーゼを伴う無呼吸が繰り返し出現したため、NICUに搬送された。 体温 36.3 ℃。心拍数 156/分、整。血圧 50/30mmHg。呼吸数 60/分。SpO2 90 %(room air)。前頭部から両側の上眼瞼にかけて皮膚が暗紫色を呈している。やや活気がなく、筋緊張は低下している。 血液所見:赤血球 257 万、Hb 9.0 g/dL、Ht 32 %、白血球 27,400、血小板 15 万、PT-INR1.3 (基準 0.9〜1.1)、APTT 46.6 秒(基準対照 37.1 秒)、血漿フィブリノゲン 150 mg/dL (基準 200〜400 mg/dL)。血液生化学所見:総蛋白 4.5 g/dL、アルブミン2.8 g/dL、AST 88 U/L、ALT 26 U/L、LD 874 U/L (基準 198〜404)、尿素窒素 12mg/dL、クレアチニン 0.6 mg/dL、血糖 146 mg/dL、Na 133 mEq/L、K 5.2mEq/L、Cl 104 mEq/L。頭部単純MRIのT1強調像を別に示す。 患児に対する適切な治療はどれか。

第113回国家試験 A19

26歳の男性。灼熱感を伴う皮疹を主訴に来院した。3日前にテニスをした後から咽頭痛と鼻汁が出現したため、市販の感冒薬を内服して就寝した。翌朝、口周囲、陰茎および足背に類円形の紅斑を生じ、次第に灼熱感を伴うようになったため受診した。再発性口唇ヘルペス、花粉症の既往がある。1年前の発熱時に足背の同一部位に紅斑を生じたが、皮疹は約1週間で軽快した。口周囲と右足背の写真を別に示す。 皮疹の原因として最も可能性が高いのはどれか。

第113回国家試験 A20

64歳の男性。腹部膨満感を主訴に来院した。3か月前から、左腹部の膨満感を自覚し、改善しないため受診した。既往歴に特記すべきことはない。 胸骨右縁第2肋間を最強点とする収縮期駆出性雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。右肋骨弓下に肝を3cm触知する。左肋骨弓下に脾を3cm触知する。浮腫を認めない。 血液所見:赤血球 268 万、Hb 7.9 g/dL、Ht 26 %、網赤血球 1%、白血球 7,300、血小板 14 万。血液生化学所見:総蛋白 6.0 g/dL、アルブミン 3.2 g/dL、IgG 1,614 mg/dL (基準 960〜1,960)、IgA 369 mg/dL (基準 110〜410)、 IgM 182 mg/dL (基準 65〜350)、総ビリルビン 0.9 mg/dL、直接ビリルビン 0.2 mg/dL、AST 27 U/L、ALT 26 U/L、LD 477 U/L (基準 176〜353)、ALP 283 U/L (基準115〜359) 、尿素窒素 18 mg/dL、クレアチニン 0.8 mg/dL、尿酸 6.9 mg/dL。骨髄組織の H-E 染色標本及び鍍銀染色標本を別に示す。 この患者の末梢血に認められないのはどれか。