第113回医師国家試験 C64

第113回国家試験 C64

62歳の男性。血便を主訴に来院した。 現病歴:本日夕食後に多量の暗赤色の便が出現し、ふらつきを自覚したため救急外来を受診した。特に腹痛や下痢を自覚していない。 既往歴:30 年前から高血圧症と糖尿病で内服治療中。10 年前から心房細動に対してワルファリンを処方されている。最近、処方薬の増量や変更はない。 生活歴:妻と 2人暮らし。喫煙は 50 歳まで 20 本/日を 20 年間。飲酒はビール350 mL/日。 家族歴:父親が脳梗塞。母親が大腸癌。 現症:意識は清明。身長 169 cm、体重 70 kg。体温 36.7 ℃。脈拍 88/分、不整。血圧 114/78 mmHg。呼吸数 18/分。SpO2 96 % (room air)。眼瞼結膜は貧血様だが、眼球結膜に黄染を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腸雑音はやや亢進している。直腸指診で暗赤色の便の付着を認める。四肢に軽度の冷汗を認める。 検査所見:血液所見:赤血球 299 万、Hb 9.7 g/dL、Ht 32 %、白血球 12,000、血小板 21 万。血液生化学所見:総蛋白 6.5 g/dL、アルブミン 3.6 g/dL、総ビリルビン 0.9 mg/dL、AST 28 U/L、ALT 22 U/L、LD 277 U/L (基準 176〜353)、γ-GTP 41 U/L (基準 8〜50)、アミラーゼ 80 U/L (基準 37〜160)、尿素窒素 18 mg/dL、クレアチニン 1.1 mg/dL、尿酸 6.7 mg/dL、血糖 128 mg/dL、Na 140 mEq/L、K 4.5 mEq/L、Cl 100 mEq/L。CRP 1.9 mg/dL。腹部単純 CT及び腹部造影 CTを別に示す。

最も考えられるのはどれか。