第114回医師国家試験 D21
第114回国家試験 D21
68 歳の男性。全身倦怠感と体重減少を主訴に来院した。6か月前から5kg の体重減少と2か月前からの全身倦怠感が著明になったため受診した。 身長 164 cm、体重 44 kg。脈拍 72/分、整。血圧 104/70 mmHg。意識は清明。眼瞼結膜は貧血様である。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。両下肢に浮腫を認める。 尿所見:蛋白 3+、糖(-)、潜血 1+、沈渣は赤血球 5〜9/HPF。随時尿の尿蛋白/Cr比は 4.6 g/g Cr(基準 0.15 未満)。血液所見:赤血球 300 万、Hb 10.7 g/dL、Ht 31%、白血球 7,800、血小板 28 万。血液生化学所見:総蛋白 5.5 g/dL、アルブミン 3.1 g/dL、IgG 764 mg/dL(基準 960〜1,960)、IgA 100 mg/dL (基準 110〜410)、IgM 42 mg/dL (基準 65〜350)、尿素窒素 23mg/dL、クレアチニン 1.6 mg/dL、HbA1c 5.6% (基準 4.6〜6.2)、総コレステロール 200 mg/dL、免疫血清学所見:MPO-ANCA 陰性、PR3-ANCA 陰性、抗核抗体陰性。尿免疫電気泳動で M 蛋白を認める。血清遊離軽鎖 κ/λ 比 0.01(基準 0.26〜1.65)。心電図は低電位である。腹部超音波検査で腎の腫大が認められる。心エコー検査で軽度の左室壁肥厚を認める。 腎病変の原因として、考えられるのはどれか。