第110回医師国家試験 E66
第110回国家試験 E66
60歳の男性。胸部痛を主訴に来院した。 現病歴:1か月前から持続性の右胸部痛が出現した。1週前から息切れも自覚するようになった。自宅近くの医療機関を受診し、胸部エックス線写真で異常を認めたため紹介されて受診した。 既往歴:胃潰瘍の治療歴あり。 生活歴:喫煙は20本/日を40年間。飲酒はビール 350mL/日を40年間。 家族歴:父親が糖尿病で治療中。 現症:意識は清明。身長 161 cm、体重 59 kg。体温 36.6 ℃。脈拍 80/分、整。血圧 126/82 mmHg。呼吸数 20/分。SpO2 97%(room air)心音に異常を認めない。呼吸音は右側で減弱している。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。 検査所見:血液所見:赤血球 480万、Hb. 15.4 g/dL、Ht 44%、白血球 8,500、血小板 40万。血液生化学所見:総蛋白 7.3 g/dL、アルブミン 3.0 g/dL、総ビリルビン 0.4 mg/dL、AST 25 U/L、ALT 25 U/L、LD 337 U/L(基準 176~353)、ALP 369 U/L(基準 115~359)、γ-GTP 60 U/L(基準 8~50)、尿素窒素 10 mg/dL、クレアチニン 0.7 mg/dL、尿酸 5.8 mg/dL、血糖 96 mg/dL、Na. 140 mEq/L、K 4.2 mEq/L、Cl 105 mEq/L、CEA 1.7 ng/mL(基準 5以下)、CYFRA 1.1 ng/mL(基準 3.5以下)、CA19-9 8.8 U/mL(基準 37以下)。CRP 4.6 mg/dL。胸部エックス線写真と胸部CTとを別に示す。
後日、胸腔鏡検査のため入院した。胸腔鏡検査における胸膜の写真を別に示す。みられる所見はどれか。