第110回医師国家試験 H32

第110回国家試験 H32

29歳の女性。頭痛を主訴に来院した。 現病歴:1か月前から毎日午後3時ころになると頭が重くなり、肩から首にかけて固まってしまうような違和感を覚えるようになった。症状は次第に強くなり、3週前からは常に頭全体の鈍い痛みを自覚し始めた。市販の鎮痛薬を内服したが症状は改善せず、頭痛のために仕事の効率が悪くなり、何度か「集中力が足りない」と会社の上司に注意を受けた。上司の勧めで脳神経外科を受診し、頸部単純エックス線撮影と頭部MRIとを受けたが異常を認めなかった。2週前からは痛みとともに全身のだるさも出現し、家事も含めたすべてのことがおっくうになっている。また、症状のために夜なかなか眠りにつくことができず、一方、朝は時間どおりに起きることができなくなっている。この1週間のうち何度か歩行中に段差につまずくことがあった。頭を打った記憶はない。軽い吐き気があるが嘔吐はない。便通は1日1回で変化はない。 既往歴:特記すべきことはない。 生活歴:喫煙歴と飲酒歴とはない。夫と2人暮らし。仕事は事務職だが、半年前に部署が変わり、それまでの単純作業から判断の責任を問われる業務となり、恒常的に残業をするようになった。最終月経は10日前から6日前までで、妊娠の可能性はないという。 家族歴:特記すべきことはない。 現症:意識は清明。身長158cm、体重46kg。体温37.1℃。脈拍76/分、整。血圧96/48mmHg。呼吸数12/分。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。視力に異常を認めない。対光反射は正常である。顔面に浮腫を認めない。前額部および頬部に圧痛や叩打痛を認めない。う歯を認めない。甲状腺腫と頸部リンパ節とを触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。神経学的所見に異常を認めない。

面接を進める中での患者と担当医の会話を以下に示す。患者「最近、朝なかなか起きることができず、会社を遅刻してしまうかもしれないと心配しています」担当医「なるほど。朝が起きづらいと、遅刻が心配になるのも無理はないですね」担当医の言葉の背景にあるのはどれか。 面接を進める中での患者と担当医の会話を以下に示す。 患者「最近、朝なかなか起きることができず、会社を遅刻してしまうかもしれないと心配しています」 担当医「なるほど。朝が起きづらいと、遅刻が心配になるのも無理はないですね」 担当医の言葉の背景にあるのはどれか。