令和元年度(第114回)医師国家試験問題|午後81問〜午後100問
第114回国家試験 D1
繰り返す片側性の一過性視力障害を主訴に来院した患者に対し、診断に有用な診察または検査はどれか。
第114回国家試験 D2
高齢者において霰粒腫との鑑別を要するのはどれか。
第114回国家試験 D3
乳幼児揺さぶられ症候群<Shaken Baby Syndrome>を疑った場合、確認すべき眼所見はどれか。
第114回国家試験 D4
字を書き始めると手が震えて書きにくくなると訴える患者の書字時の写真を別に示す。患者の書いた文字は揺れて読みにくいが、書字以外の動作には支障がないという。 この患者と同じ病態が原因となるのはどれか。
第114回国家試験 D5
68 歳の女性が S 状結腸切除術を受けた。合併症として膿瘍形成が最も起こりやすいのはどれか。
第114回国家試験 D6
感染症と抗菌薬の組合せで誤っているのはどれか。
第114回国家試験 D7
アルコール依存症の治療について適切なのはどれか。
第114回国家試験 D8
流産と関連がないのはどれか。
第114回国家試験 D9
ヘルパンギーナにおいて小水疱が好発する部位はどれか。
第114回国家試験 D10
チアノーゼを生じないのはどれか。
第114回国家試験 D11
溶連菌感染症との鑑別で伝染性単核球症を最も強く示唆するのはどれか。
第114回国家試験 D12
脳神経外科手術で用いる器具の写真を別に示す。これらの器具を用いるのはどれか。2つ選べ。
第114回国家試験 D13
泌尿生殖器の解剖で正しいのはどれか。2つ選べ。
第114回国家試験 D14
急性膵炎の重症度判定基準の予後因子に含まれるのはどれか。2つ選べ。
第114回国家試験 D15
64 歳の女性。複視と不眠を主訴に来院した。2か月前から夕方になると瞼が重くなり、物が二重に見えるようになった。1か月前から、疲れているときに水分を慌てて飲むと鼻に逆流することを自覚した。症状は夕方になると悪化する傾向があり、不眠が続いていたという。既往歴に特記すべきことはない。抗アセチルコリン受容体抗体が陽性であった。胸部エックス線写真及び胸部造影 CTを別に示す。 まず行うべき治療として適切なのはどれか。
第114回国家試験 D16
58 歳の女性。腹部膨満感を主訴に来院した。3か月前から下腹部膨隆を自覚し、衣服がきつくなった。30 歳時にチョコレート囊胞と診断された。50 歳で閉経。 内診で、左付属器領域に 10 cm の可動性のない腫瘤を触知する。 血液所見:赤血球360 万、Hb 10.1 g/dL、Ht 32 %、白血球 6,800、血小板 26 万。血液生化学所見:CEA 3.8 ng/mL (基準 5 以 下)、CA19-9 38 U/mL (基準 37 以下)、CA125 280U/mL(基準 35 以下)。子宮頸部と内膜の細胞診は陰性。上部および下部消化管内視鏡検査で異常を認めなかった。 手術のため入院し開腹したところ、左付属器に腫瘤を認めた。腹水はなく、腹腔洗浄細胞診は陰性であった。腫瘤と腸管との癒着はなかった。腹膜播種はなく、大網やリンパ節に異常を認めなかった。左卵巣を切除して迅速病理診断で明細胞癌と診断された。 左付属器、子宮および大網に加えて切除すべきなのはどれか。
第114回国家試験 D17
42 歳の初産婦(1妊0産)。陣痛発来のため入院した。既往歴は 35 歳で腹腔鏡下子宮筋腫核出術、38 歳で子宮鏡下子宮内膜ポリープ摘出術を受けた。入院後時間で 3,450 g の男児を経腟分娩し、児娩出の5分後に胎盤はスムーズに娩出された。分娩時出血量は 100 mL であり、会陰裂傷に対して縫合術を行った。産後 20分の時点で軽度の意識混濁が出現した。この時点で脈拍 120/分、整。血圧 72/40mmHg。呼吸数 24/分であり、腹部の疼痛を訴えている。外出血(性器出血)は少量で、腟鏡診でも子宮口からのわずかな血液流出を認めるのみである。 最も考えられるのはどれか。
第114回国家試験 D18
51 歳の女性。顔面の発汗を主訴に来院した。半年前から疲れやすさを自覚し、発作性の発汗、後頸部の熱感および肩こりが増強してきたという。 身長 162 cm、体重 56 kg。体温 36.0 ℃。脈拍 72/分、整。血圧 124/76 mmHg。1年前から月経はない。身体診察で明らかな異常を認めない。血液所見:赤血球 387 万、Hb 12.8g/dL、Ht 39 %、白血球 6,300、血小板 21 万。血液生化学所見:AST 24 U/L、ALT 20 U/L、TSH 1.2 μU/mL(基準 0.2〜4.0)、FT4 1.1 ng/dL(基準 0.8〜2.2)、FSH 38 mIU/mL(閉経後の基準 30 以上)。心電図で異常を認めない。 この病態の原因となっているのはどれか。
第114回国家試験 D19
65 歳の男性。言動に不安を感じた妻に伴われて来院した。高血圧症で内服加療中である。朝の散歩を日課としているが、半年前から必ず時刻通りに出かけることにこだわるようになった。また、帰省した息子や孫を突然怒鳴りつけるなど、怒りっぽくなった。食事は同じ内容にこだわるようになり、異なるメニューを供すると怒り出して食事の最中に席を離れてしまうことがあった。趣味のサークルの友人から妻に電話があり、最近、サークルの運営で自分の主張を押し通そうとして困っていると相談された。物忘れはなく、会話の不自由さはない。日常生活動作に支障はみられない。妻は言動変化の原因になるような心当たりはないという。診察室でも本人は受診が不満のようで、妻をなじっている。 この患者で予想される所見はどれか。
第114回国家試験 D20
22 歳の男性。動悸、発汗および手指の振戦を主訴に来院した。3か月前から朝食前や夕食前に、動悸と発汗を自覚するようになった。食事を摂ると症状は消失するという。現在内服中の薬剤はない。父方祖母がグルカゴノーマに罹患している。 意識は清明。身長 171 cm、体重 62 kg。脈拍 68/分、整。血圧 136/80 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。 血液所見:赤血球 464 万、白血球 3,900、血小板 24 万。血液生化学所見(朝食後2時間):尿素窒素 13 mg/dL、クレアチニン 0.6 mg/dL、血糖 120 mg/dL、Na 140 mEq/L、K 4.0 mEq/L、Cl 106 mEq/L。24 時間持続ブドウ糖モニターの結果を別に示す。 診断に必要な検査はどれか。