平成29年度(第112回)医師国家試験問題|午後61問〜午後80問
第112回国家試験 C57
63歳の女性。結腸癌のため開腹手術が予定されている。 現病歴:2か月前に受けた健診で貧血と便潜血反応陽性とを指摘された。2週間前の下部消化管内視鏡検査で上行結腸に腫瘤を認め、生検で大腸癌と診断された。胸腹部 CT で転移を認めなかった。上行結腸切除術が予定されている。労作時の息切れや胸部圧迫感、動悸、腹痛、便秘、下痢および体重減少を認めない。 既往歴:45 歳ごろから、高血圧症と糖尿病のため内服治療中。 生活歴:営業職で外回りをしている。ゴルフが趣味で現在も続けている。喫煙は20 本/日を 40 年間。飲酒は機会飲酒。 家族歴:父親が心筋梗塞で死亡。母親が胃癌で死亡。 現症:意識は清明。身長 155 cm、体重 62 kg。体温 36.2 ℃。脈拍 84/分、整。血圧 154/84 mmHg。呼吸数 18/分。SpO2 96 %(room air)。眼瞼結膜は貧血様であり、眼球結膜に黄染を認めない。表在リンパ節を触知しない。頸静脈の怒張を認めない。頸部で血管雑音を聴取しない。胸骨右縁第肋間にてⅢ/Ⅵの収縮期駆出性雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。神経学的所見に異常を認めない。 検査所見:尿所見:蛋白 1+、糖 (-)。血液所見:赤血球 410 万、Hb 10.8g/dL、Ht 34 %、白血球 6,400、血小板 24 万、PT-INR 1.0(基準 0.9〜1.1)。血液生化学所見:総蛋白 7.0 g/dL、アルブミン 4.0 g/dL、総ビリルビン 0.3 mg/dL、AST 26 U/L、ALT 32 U/L、尿素窒素 24 mg/dL、クレアチニン 1.0 mg/dL、血糖116 mg/dL、HbA1c 6.6 %(基準 4.6〜6.2)、総コレステロール 204 mg/dL、トリグリセリド 180 mg/dL、HDL コレステロール 46 mg/dL、Na 138 mEq/L、K 4.4mEq/L、Cl 102 mEq/L。CRP 0.3 mg/dL。胸部エックス線写真と心電図とに異常を認めない。
術前検査として行うべきなのはどれか。2つ選べ。
第112回国家試験 C58
63歳の女性。結腸癌のため開腹手術が予定されている。 現病歴:2か月前に受けた健診で貧血と便潜血反応陽性とを指摘された。2週間前の下部消化管内視鏡検査で上行結腸に腫瘤を認め、生検で大腸癌と診断された。胸腹部 CT で転移を認めなかった。上行結腸切除術が予定されている。労作時の息切れや胸部圧迫感、動悸、腹痛、便秘、下痢および体重減少を認めない。 既往歴:45 歳ごろから、高血圧症と糖尿病のため内服治療中。 生活歴:営業職で外回りをしている。ゴルフが趣味で現在も続けている。喫煙は20 本/日を 40 年間。飲酒は機会飲酒。 家族歴:父親が心筋梗塞で死亡。母親が胃癌で死亡。 現症:意識は清明。身長 155 cm、体重 62 kg。体温 36.2 ℃。脈拍 84/分、整。血圧 154/84 mmHg。呼吸数 18/分。SpO2 96 %(room air)。眼瞼結膜は貧血様であり、眼球結膜に黄染を認めない。表在リンパ節を触知しない。頸静脈の怒張を認めない。頸部で血管雑音を聴取しない。胸骨右縁第肋間にてⅢ/Ⅵの収縮期駆出性雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。神経学的所見に異常を認めない。 検査所見:尿所見:蛋白 1+、糖 (-)。血液所見:赤血球 410 万、Hb 10.8g/dL、Ht 34 %、白血球 6,400、血小板 24 万、PT-INR 1.0(基準 0.9〜1.1)。血液生化学所見:総蛋白 7.0 g/dL、アルブミン 4.0 g/dL、総ビリルビン 0.3 mg/dL、AST 26 U/L、ALT 32 U/L、尿素窒素 24 mg/dL、クレアチニン 1.0 mg/dL、血糖116 mg/dL、HbA1c 6.6 %(基準 4.6〜6.2)、総コレステロール 204 mg/dL、トリグリセリド 180 mg/dL、HDL コレステロール 46 mg/dL、Na 138 mEq/L、K 4.4mEq/L、Cl 102 mEq/L。CRP 0.3 mg/dL。胸部エックス線写真と心電図とに異常を認めない。
手術室入室後、皮膚切開までの間に行うべきなのはどれか。2つ選べ。
第112回国家試験 C59
63歳の女性。結腸癌のため開腹手術が予定されている。 現病歴:2か月前に受けた健診で貧血と便潜血反応陽性とを指摘された。2週間前の下部消化管内視鏡検査で上行結腸に腫瘤を認め、生検で大腸癌と診断された。胸腹部 CT で転移を認めなかった。上行結腸切除術が予定されている。労作時の息切れや胸部圧迫感、動悸、腹痛、便秘、下痢および体重減少を認めない。 既往歴:45 歳ごろから、高血圧症と糖尿病のため内服治療中。 生活歴:営業職で外回りをしている。ゴルフが趣味で現在も続けている。喫煙は20 本/日を 40 年間。飲酒は機会飲酒。 家族歴:父親が心筋梗塞で死亡。母親が胃癌で死亡。 現症:意識は清明。身長 155 cm、体重 62 kg。体温 36.2 ℃。脈拍 84/分、整。血圧 154/84 mmHg。呼吸数 18/分。SpO2 96 %(room air)。眼瞼結膜は貧血様であり、眼球結膜に黄染を認めない。表在リンパ節を触知しない。頸静脈の怒張を認めない。頸部で血管雑音を聴取しない。胸骨右縁第肋間にてⅢ/Ⅵの収縮期駆出性雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。神経学的所見に異常を認めない。 検査所見:尿所見:蛋白 1+、糖 (-)。血液所見:赤血球 410 万、Hb 10.8g/dL、Ht 34 %、白血球 6,400、血小板 24 万、PT-INR 1.0(基準 0.9〜1.1)。血液生化学所見:総蛋白 7.0 g/dL、アルブミン 4.0 g/dL、総ビリルビン 0.3 mg/dL、AST 26 U/L、ALT 32 U/L、尿素窒素 24 mg/dL、クレアチニン 1.0 mg/dL、血糖116 mg/dL、HbA1c 6.6 %(基準 4.6〜6.2)、総コレステロール 204 mg/dL、トリグリセリド 180 mg/dL、HDL コレステロール 46 mg/dL、Na 138 mEq/L、K 4.4mEq/L、Cl 102 mEq/L。CRP 0.3 mg/dL。胸部エックス線写真と心電図とに異常を認めない。
手術後の経過:手術は問題なく終了した。術後4日目早朝の体温は 37.5 ℃であった。意識は清明。脈拍 88/分、整。血圧 124/70 mmHg。呼吸数 20/分。SpO2 96%(room air)。呼吸音に異常を認めない。腹部に圧痛を認めない。手術創周囲に発赤と腫脹とを認めない。肋骨脊柱角に叩打痛を認めない。時間後に再測定したところ、体温は 37.0 ℃であった。術後4日目の朝の血液検査では、Hb 9.4 g/dL、白血球 6,800、CRP 1.7 mg/dL であった。胸部エックス線写真で異常を認めない。 この時点での対応として適切なのはどれか。
第112回国家試験 C60
15 歳の男子。通っている学習塾の講師が肺結核と診断されたため、保健所からの結核接触者検診の指示を受けて受診した。 現病歴:2週間前から微熱と咳嗽が続いている。痰が絡む咳嗽が1日中持続している。 既往歴:特記すべきことはない。 予防接種歴:BCG 接種歴あり。 家族歴:父と母との3人暮らし。家族内に他に咳嗽のある者はいない。 現症:意識は清明。身長 166 cm、体重 56 kg。体温 37.6 ℃。脈拍 72/分、整。血圧 124/62 mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 98 %(room air)。眼球結膜に黄染を認めない。咽頭に発赤を認めない。甲状腺と頸部リンパ節とを触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。 検査所見:血液所見:赤血球 472 万、Hb 13.5 g/dL、Ht 39 %、白血球 7,400(①分葉核好中球 56 %、好酸球 1%、リンパ球 43 %)、血小板 24 万。血液生化学所見:総蛋白 7.6 g/dL、アルブミン 3.8 g/dL、総ビリルビン 0.6 mg/dL、AST 26 U/L、ALT 13 U/L、LD 228 U/L(基準 176〜353)、γ-GTP 12 U/L(基準 8〜50)、尿素窒素 11 mg/dL、クレアチニン 0.3 mg/dL、血糖 96 mg/dL、Na 140 mEq/L、K 4.1 mEq/L、Cl 102 mEq/L。CRP 0.8 mg/dL。②結核菌特異的全血インターフェロン γ 遊離測定法<IGRA>は陽性。③喀痰塗抹 Ziehl-Neelsen 染色で Gaffky 3号。④喀痰結核菌 PCR 検査は陽性。胸部エックス線写真で異常を認めない。⑤胸部 CTで右下肺野に小葉中心性の粒状影を認める。
この患者を結核感染症と確定診断するために最も有用な検査所見は下線のどれか。
第112回国家試験 C61
15 歳の男子。通っている学習塾の講師が肺結核と診断されたため、保健所からの結核接触者検診の指示を受けて受診した。 現病歴:2週間前から微熱と咳嗽が続いている。痰が絡む咳嗽が1日中持続している。 既往歴:特記すべきことはない。 予防接種歴:BCG 接種歴あり。 家族歴:父と母との3人暮らし。家族内に他に咳嗽のある者はいない。 現症:意識は清明。身長 166 cm、体重 56 kg。体温 37.6 ℃。脈拍 72/分、整。血圧 124/62 mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 98 %(room air)。眼球結膜に黄染を認めない。咽頭に発赤を認めない。甲状腺と頸部リンパ節とを触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。 検査所見:血液所見:赤血球 472 万、Hb 13.5 g/dL、Ht 39 %、白血球 7,400(①分葉核好中球 56 %、好酸球 1%、リンパ球 43 %)、血小板 24 万。血液生化学所見:総蛋白 7.6 g/dL、アルブミン 3.8 g/dL、総ビリルビン 0.6 mg/dL、AST 26 U/L、ALT 13 U/L、LD 228 U/L(基準 176〜353)、γ-GTP 12 U/L(基準 8〜50)、尿素窒素 11 mg/dL、クレアチニン 0.3 mg/dL、血糖 96 mg/dL、Na 140 mEq/L、K 4.1 mEq/L、Cl 102 mEq/L。CRP 0.8 mg/dL。②結核菌特異的全血インターフェロン γ 遊離測定法<IGRA>は陽性。③喀痰塗抹 Ziehl-Neelsen 染色で Gaffky 3号。④喀痰結核菌 PCR 検査は陽性。胸部エックス線写真で異常を認めない。⑤胸部 CTで右下肺野に小葉中心性の粒状影を認める。
臨床経過と検査所見から肺結核と診断した。 保健所に肺結核の届出を行う際に、届出が必要な診断後の期間はどれか。
第112回国家試験 C62
15 歳の男子。通っている学習塾の講師が肺結核と診断されたため、保健所からの結核接触者検診の指示を受けて受診した。 現病歴:2週間前から微熱と咳嗽が続いている。痰が絡む咳嗽が1日中持続している。 既往歴:特記すべきことはない。 予防接種歴:BCG 接種歴あり。 家族歴:父と母との3人暮らし。家族内に他に咳嗽のある者はいない。 現症:意識は清明。身長 166 cm、体重 56 kg。体温 37.6 ℃。脈拍 72/分、整。血圧 124/62 mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 98 %(room air)。眼球結膜に黄染を認めない。咽頭に発赤を認めない。甲状腺と頸部リンパ節とを触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。 検査所見:血液所見:赤血球 472 万、Hb 13.5 g/dL、Ht 39 %、白血球 7,400(①分葉核好中球 56 %、好酸球 1%、リンパ球 43 %)、血小板 24 万。血液生化学所見:総蛋白 7.6 g/dL、アルブミン 3.8 g/dL、総ビリルビン 0.6 mg/dL、AST 26 U/L、ALT 13 U/L、LD 228 U/L(基準 176〜353)、γ-GTP 12 U/L(基準 8〜50)、尿素窒素 11 mg/dL、クレアチニン 0.3 mg/dL、血糖 96 mg/dL、Na 140 mEq/L、K 4.1 mEq/L、Cl 102 mEq/L。CRP 0.8 mg/dL。②結核菌特異的全血インターフェロン γ 遊離測定法<IGRA>は陽性。③喀痰塗抹 Ziehl-Neelsen 染色で Gaffky 3号。④喀痰結核菌 PCR 検査は陽性。胸部エックス線写真で異常を認めない。⑤胸部 CTで右下肺野に小葉中心性の粒状影を認める。
この患者に対する標準治療として使用しないのはどれか。
第112回国家試験 C63
35歳の女性。左上下肢の脱力のため夫に連れられて来院した。 現病歴:3年前に複視を自覚したが、疲れ目と考え様子をみたところ、数日で自然軽快した。1年前に右眼のかすみを自覚して自宅近くの眼科診療所を受診したが、眼底検査に異常なく約2週間で軽快した。2日前に左下肢、引き続いて左上肢の脱力を自覚した。本日、歩行も困難になったため受診した。 既往歴:特記すべきことはない。 生活歴:事務職。会社員の夫と人暮らしで子どもはいない。喫煙歴と飲酒歴はない。 家族歴:特記すべきことはない。 現症:意識は清明。身長 156 cm、体重 50 kg。体温 36.5 ℃。脈拍 64/分、整。血圧 126/68 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。視力は右 0.4(0.8× -1.5 D)、左 0.6(1.2× -1.0 D)。他の脳神経に異常を認めない。四肢筋力は、右側は正常、左側は徒手筋力テストで3〜4の筋力低下を認める。腱反射は左上下肢で亢進し、左 Babinski 徴候が陽性である。自覚的に左半身のしびれ感を訴えるが、温痛覚、振動覚および関節位置覚は左右差を認めない。 検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球 468 万、Hb 13.9 g/dL、Ht 42 %、白血球 5,300、血小板 21 万、PT-INR 1.0 (基準 0.9〜1.1)、APTT 31.4 秒(基準対照 32.2)。血液生化学所見:総蛋白 7.5 g/dL、アルブミン 3.9 g/dL、IgG 1,424 mg/dL (基準 960〜1,960)、総ビリルビン 0.9 mg/dL、直接ビリルビン 0.2 mg/dL、AST 28 U/L、ALT 16 U/L、LD 177 U/L (基準 176〜353)、ALP 233 U/L (基準 115〜359)、γ-GTP 32 U/L (基準 8〜50)、CK 72 U/L (基準 30〜140)、尿素窒素 12 mg/dL、クレアチニン 0.6 mg/dL、血糖 98 mg/dL、Na 140 mEq/L、K 4.4 mEq/L、Cl 97 mEq/L。免疫血清学所見:CRP 0.3 mg/dL。抗核抗体、抗 DNA 抗体、抗カルジオリピン抗体、抗アクアポリン4抗体および MPO-ANCA は陰性。脳脊髄液所見:初圧 80 mmH2O(基準 70〜170)、細胞数 1/mm3 (基準 0〜2)、蛋白 60 mg/dL(基準 15〜45)、糖 60 mg/dL(基準 50〜75)。頭部 MRI の FLAIR 像を別に示す。
診断に有用な検査はどれか。
第112回国家試験 C64
35歳の女性。左上下肢の脱力のため夫に連れられて来院した。 現病歴:3年前に複視を自覚したが、疲れ目と考え様子をみたところ、数日で自然軽快した。1年前に右眼のかすみを自覚して自宅近くの眼科診療所を受診したが、眼底検査に異常なく約2週間で軽快した。2日前に左下肢、引き続いて左上肢の脱力を自覚した。本日、歩行も困難になったため受診した。 既往歴:特記すべきことはない。 生活歴:事務職。会社員の夫と人暮らしで子どもはいない。喫煙歴と飲酒歴はない。 家族歴:特記すべきことはない。 現症:意識は清明。身長 156 cm、体重 50 kg。体温 36.5 ℃。脈拍 64/分、整。血圧 126/68 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。視力は右 0.4(0.8× -1.5 D)、左 0.6(1.2× -1.0 D)。他の脳神経に異常を認めない。四肢筋力は、右側は正常、左側は徒手筋力テストで3〜4の筋力低下を認める。腱反射は左上下肢で亢進し、左 Babinski 徴候が陽性である。自覚的に左半身のしびれ感を訴えるが、温痛覚、振動覚および関節位置覚は左右差を認めない。 検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球 468 万、Hb 13.9 g/dL、Ht 42 %、白血球 5,300、血小板 21 万、PT-INR 1.0 (基準 0.9〜1.1)、APTT 31.4 秒(基準対照 32.2)。血液生化学所見:総蛋白 7.5 g/dL、アルブミン 3.9 g/dL、IgG 1,424 mg/dL (基準 960〜1,960)、総ビリルビン 0.9 mg/dL、直接ビリルビン 0.2 mg/dL、AST 28 U/L、ALT 16 U/L、LD 177 U/L (基準 176〜353)、ALP 233 U/L (基準 115〜359)、γ-GTP 32 U/L (基準 8〜50)、CK 72 U/L (基準 30〜140)、尿素窒素 12 mg/dL、クレアチニン 0.6 mg/dL、血糖 98 mg/dL、Na 140 mEq/L、K 4.4 mEq/L、Cl 97 mEq/L。免疫血清学所見:CRP 0.3 mg/dL。抗核抗体、抗 DNA 抗体、抗カルジオリピン抗体、抗アクアポリン4抗体および MPO-ANCA は陰性。脳脊髄液所見:初圧 80 mmH2O(基準 70〜170)、細胞数 1/mm3 (基準 0〜2)、蛋白 60 mg/dL(基準 15〜45)、糖 60 mg/dL(基準 50〜75)。頭部 MRI の FLAIR 像を別に示す。
まず行うべき治療はどれか。
第112回国家試験 C65
35歳の女性。左上下肢の脱力のため夫に連れられて来院した。 現病歴:3年前に複視を自覚したが、疲れ目と考え様子をみたところ、数日で自然軽快した。1年前に右眼のかすみを自覚して自宅近くの眼科診療所を受診したが、眼底検査に異常なく約2週間で軽快した。2日前に左下肢、引き続いて左上肢の脱力を自覚した。本日、歩行も困難になったため受診した。 既往歴:特記すべきことはない。 生活歴:事務職。会社員の夫と人暮らしで子どもはいない。喫煙歴と飲酒歴はない。 家族歴:特記すべきことはない。 現症:意識は清明。身長 156 cm、体重 50 kg。体温 36.5 ℃。脈拍 64/分、整。血圧 126/68 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。視力は右 0.4(0.8× -1.5 D)、左 0.6(1.2× -1.0 D)。他の脳神経に異常を認めない。四肢筋力は、右側は正常、左側は徒手筋力テストで3〜4の筋力低下を認める。腱反射は左上下肢で亢進し、左 Babinski 徴候が陽性である。自覚的に左半身のしびれ感を訴えるが、温痛覚、振動覚および関節位置覚は左右差を認めない。 検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球 468 万、Hb 13.9 g/dL、Ht 42 %、白血球 5,300、血小板 21 万、PT-INR 1.0 (基準 0.9〜1.1)、APTT 31.4 秒(基準対照 32.2)。血液生化学所見:総蛋白 7.5 g/dL、アルブミン 3.9 g/dL、IgG 1,424 mg/dL (基準 960〜1,960)、総ビリルビン 0.9 mg/dL、直接ビリルビン 0.2 mg/dL、AST 28 U/L、ALT 16 U/L、LD 177 U/L (基準 176〜353)、ALP 233 U/L (基準 115〜359)、γ-GTP 32 U/L (基準 8〜50)、CK 72 U/L (基準 30〜140)、尿素窒素 12 mg/dL、クレアチニン 0.6 mg/dL、血糖 98 mg/dL、Na 140 mEq/L、K 4.4 mEq/L、Cl 97 mEq/L。免疫血清学所見:CRP 0.3 mg/dL。抗核抗体、抗 DNA 抗体、抗カルジオリピン抗体、抗アクアポリン4抗体および MPO-ANCA は陰性。脳脊髄液所見:初圧 80 mmH2O(基準 70〜170)、細胞数 1/mm3 (基準 0〜2)、蛋白 60 mg/dL(基準 15〜45)、糖 60 mg/dL(基準 50〜75)。頭部 MRI の FLAIR 像を別に示す。
治療は奏効し、症状は軽快した。再発予防に用いるのはどれか。
第112回国家試験 C66
ある患者の動脈血ガス分析(room air)のデータを示す。 pH 7.40、PaCO2 36 Torr、PaO2 79 Torr。 肺胞気-動脈血酸素分圧較差<A-aDO2>を求めよ。ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数第1位を四捨五入すること。 解答:○○ Torr
第112回国家試験 D1
白内障手術について正しいのはどれか。
第112回国家試験 D2
月経周期の12日目に性交があった女性が緊急避妊の目的でホルモン薬を内服する場合、適切な服用時期に含まれるのはどれか。
第112回国家試験 D3
小児期からの増悪と寛解を繰り返す耳漏を主訴に受診した患者の左鼓膜写真を示す。 この疾患で、耳漏の細菌検査で同定される可能性が最も高いのはどれか。
第112回国家試験 D4
Tourette症候群について正しいのはどれか。
第112回国家試験 D5
気胸でみられる所見はどれか。
第112回国家試験 D6
ある患者に対して処置を行った後の腹部エックス線写真を示す。 この患者の疾患として考えられるのはどれか。
第112回国家試験 D7
皮膚疾患と浸潤細胞の組合せで正しいのはどれか。
第112回国家試験 D8
左→右シャントをきたす先天性心疾患はどれか。
第112回国家試験 D9
僧帽弁閉鎖不全症の原因になりにくいのはどれか。
第112回国家試験 D10
胸膜中皮腫について正しいのはどれか。