平成29年度(第112回)医師国家試験問題|午後81問〜午後100問

第112回国家試験 D11

労働形態と健康障害の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。

第112回国家試験 D12

多発性内分泌腫瘍症(MEN)Ⅰ型について正しいのはどれか。2つ選べ。

第112回国家試験 D13

角結膜のウイルス性疾患はどれか。2つ選べ。

第112回国家試験 D14

慢性腎臓病(CKD)について正しいのはどれか。2つ選べ。

第112回国家試験 D15

肺移植の適応となる疾患はどれか。3つ選べ。

第112回国家試験 D16

2歳の女児。4日前から続く微熱のため母親に連れられて来院した。既往歴に特記すべきことはない。在胎 39 週、出生体重 2,602 g で出生した。 身長 82 cm、体重 9.3 kg。体温 37.8 ℃。脈拍 112/分、整。血圧 88/48 mmHg。呼吸数 24/分。SpO2 98 %(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頸部リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。左上腹部に表面平滑で境界明瞭、可動性のない径8cmの腫瘤を触知するが圧痛はない。 尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)、沈渣に白血球を認めない。血液所見:赤血球 428 万、Hb 11.1g/dL、Ht 34 %、白血球 12,600、血小板 58 万。血液生化学所見:総蛋白 7.6 g/dL、総ビリルビン 0.2 mg/dL、AST 35 U/L、ALT9U/L、LD 589 U/L(基準 334〜742)、尿素窒素 7 mg/dL、クレアチニン 0.2 mg/dL、尿酸 2.7 mg/dL、Na 141 mEq/L、K3.9 mEq/L、Cl 104 mEq/L。免疫血清学所見:CRP 3.4 mg/dL、NSE 169 ng/mL(基準 10 以下)、α-フェトプロテイン(AFP)2.5 ng/mL(基準 10 以下)、尿中バニリルマンデル酸(VMA)96 μg/mgCr(基準 6〜11)。腹部単純CTと胸腹部造影CTとを示す。 最も考えられるのはどれか。

第112回国家試験 D17

65歳の女性。手指を伸ばせないことを主訴に来院した。数日前に絵を描いていたところ右手から前腕に痛みが走り、環指と小指とを自力では伸ばせなくなったという。 環指と小指との中手指節関節を他動的に伸展させることは可能であり、屈曲は自動、他動ともに可能である。また母指、示指、中指および手関節の自動伸展と自動屈曲は可能である。感覚障害はない。15 年前に関節リウマチの診断を受け、現在はメトトレキサートと副腎皮質ステロイドにて治療中である。手指を伸ばすように指示した際の手の写真と手関節部エックス線写真とを示す。 病態として考えられるのはどれか。

第112回国家試験 D18

60歳の女性。殿部の疼痛を主訴に来院した。疼痛のために座ることも困難であるという。殿部には熱感があり、圧痛を認める。殿部の写真を示す。 治療として最も適切なのはどれか。 《写真掲載不可》腫脹・発赤した殿部

第112回国家試験 D19

72歳の女性。動悸を主訴に来院した。5年前に大動脈弁狭窄症に対して機械弁による大動脈弁置換術を受けており、定期的に受診し、ワルファリンを内服している。これまでの受診時の心電図検査では洞調律であったが、来院時の心電図は心拍数 104/分の心房細動であった。 意識は清明。脈拍 96/分、不整。血圧 120/76 mmHg。眼瞼結膜に貧血を認めない。頸部血管雑音を認めない。呼吸音に異常を認めない。神経学的所見に異常を認めない。 血液所見:赤血球 468 万、Hb 13.7 g/dL、白血球 7,300、血小板 18 万、PT-INR 2.3(基準 0.9〜1.1)。 この患者への対応として適切なのはどれか。

第112回国家試験 D20

33歳の男性。右の下腹部から側腹部にかけての激しい痛みを主訴に来院した。2日前、仕事中に右背部に軽度の痛みが出現したが、約 30 分で軽快した。本日午前7時ごろ、右の下腹部から側腹部にかけての激しい痛みが突然出現したため受診した。来院の途中に嘔吐があった。 意 識は清明。体温 36.4 ℃。血圧 118/74mmHg。顔色は蒼白で冷汗を認める。腹部は平坦で、圧痛を認めない。右の肋骨脊柱角に叩打痛を認める。 尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血3+、沈渣に赤血球100 以上/1視野、正八面体の結晶を認める。血液所見:赤血球 458 万、Hb 14.0g/dL、Ht 45 %、白血球 9,300、血小板 21 万。血液生化学所見:総蛋白 7.2 g/dL、アルブミン 3.7 g/dL、総ビリルビン 0.9 mg/dL、直接ビリルビン 0.2 mg/dL、AST 35 U/L、ALT 32 U/L、LD 179 U/L(基準 176〜353)、尿素窒素 22 mg/dL、クレアチニン 1.2 mg/dL、尿酸 6.9 mg/dL、血糖 98 mg/dL、Na 132 mEq/L、K4.3 mEq/L、Cl 97 mEq/L、Ca 9.1 mg/dL。非ステロイド性抗炎症薬が投与され痛は軽減した。その後に撮影した腹部CT A、Bを示す。 この患者に対する説明で正しいのはどれか。

第112回国家試験 D21

53歳の男性。健診で白血球増多を指摘され来院した。 体温 36.5 ℃。脈拍 84/分、整。血圧 136/76 mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。左季肋下に脾臓を3cm触知する。表在リンパ節は触知しない。 血液所見:赤血球 430 万、Hb 12.8 g/dL、Ht 42 %、白血球 54,000(骨髄芽球 1 %、前骨髄球 2 %、骨髄球 5 %、後骨髄球 7 %、桿状核好中球 5 %、分葉核好中球 60 %、好酸球 8 %、好塩基球 7 %、リンパ球 5 %)、血小板 35 万。血清ビタミンB12 8,600 pg/mL(基準 250〜950)。骨髄血塗抹 May-Giemsa 染色標本及び Giemsa 染色による骨髄細胞染色体解析(矢印は異常を示す)を示す。 治療薬として適切なのはどれか。

第112回国家試験 D22

22歳の女性。右乳房のしこりを主訴に来院した。右乳房に長径約2cmの卵形の腫瘤を触知する。腫瘤は表面平滑で弾性硬、可動性は良好で圧痛を認めない。乳頭からの分泌物を認めない。乳房超音波像を示す。 最も考えられるのはどれか。

第112回国家試験 D23

67歳の女性。根治的右腎摘除術後の治療効果の確認のために来院した。1年前に長径 11 cm 大の右腎細胞癌と多発肺転移に対して、根治的右腎摘除術を受けており、術直後から肺転移巣に対してインターフェロン α の自己投与を週3回施行している。インターフェロン導入11か月後の治療効果の確認のため受診した。現在、他の疾患は認めていない。 体温 36.2 ℃。血圧 132/84 mmHg。 尿所見:蛋白(-)、糖(-)、沈渣に赤血球1〜5/1視野、白血球1〜5/1視野。血液所見:赤血球 420 万、Hb 12.8 g/dL、Ht 41 %、白血球 3,900、血小板 17 万。血液生化学所見:総蛋白 7.0 g/dL、アルブミン 3.8 g/dL、総ビリルビン 1.1 mg/dL、AST 34U/L、ALT 36 U/L、LD 176 U/L(基準 176〜353)、γ-GTP 38 U/L(基準8〜50)、尿素窒素 20 mg/dL、クレアチニン 1.0 mg/dL、尿酸 7.1 mg/dL、血糖 96mg/dL、Na 137 mEq/L、K3.9 mEq/L、Cl 104 mEq/L。CRP 0.1 mg/dL。心電図に異常を認めない。11 か月前と今回の胸部CTを示す。 今後の治療として適切なのはどれか。

第112回国家試験 D24

39歳の男性。性交中に鈍い音と同時に陰茎に激痛があり、痛みが持続するため受傷2時間後に来院した。圧痛は中等度であり、陰茎の腫脹が目立ち、陰茎全体と亀頭の一部が暗赤色を呈している。陰茎の写真を示す。 この病態と関連するのはどれか。 《画像掲載不可》紫に変色した陰茎

第112回国家試験 D25

65歳の男性。人間ドックの腹部超音波検査で異常を指摘されたため受診した。 腹部は平坦、軟で、自発痛と圧痛とを認めない。 血液所見:赤血球 480 万、Hb15.8 g/dL、Ht 46 %、白血球 6,800、血小板 24 万。血液生化学所見:アルブミン4.3 g/dL、AST 32 U/L、ALT 40 U/L、LD 180 U/L(基準 176〜353)、ALP 212U/L(基準 115〜359)、γ-GTP 40 U/L (基準 8〜50)、アミラーゼ 73 U/L(基準37〜160)、CEA 3.2 ng/mL(基準 5.0 以下)、CA19-9 14 U/mL(基準 37 以下)。CRP0.2 mg/dL。腹部造影CTとMRCP とを示す。 病変の質的診断を行うため次に行うべき検査はどれか。

第112回国家試験 D26

日齢0の新生児。出生 30 分後から多呼吸を認めた。在胎 29 週、出生体重 1,100g。体温 37.4 ℃。心拍数 160/分、整。呼吸数 80/分。全身のチアノーゼ、陥没呼吸および呼気時の呻吟を認める。外表奇形はなく、心雑音は聴取しない。胸部エックス線写真ですりガラス陰影を認める。診断確定のため、マイクロバブルテストを行うこととした。 必要な検体はどれか。

第112回国家試験 D27

74歳の女性。ネフローゼ症候群のために一般病棟に入院中であったが、呼吸困難、低酸素血症および腎機能低下による尿量減少をきたした。胸部エックス線写真で肺うっ血と両側胸水とを認め、心胸郭比は 74 % であった。持続血液透析濾過(CHDF)と呼吸管理とを行うため ICU に入室し、気管挿管下に人工呼吸を開始した。動脈血ガス分析(FIO2 1.0):pH 7.45、PaCO2 32 Torr、PaO2 100 Torr、HCO3-22 mEq/L。肺胞気-動脈血酸素分圧較差(A-aDO2)は、一般的に PAO2(肺胞気酸素分圧)-PaO2 で表される。 この患者の PAO2 はどれか。ただし、大気圧は 760 Torr、37 ℃での水蒸気圧は 47 Torr、呼吸商は 0.8 とする。

第112回国家試験 D28

80歳の女性。頭痛、吐き気および下肢のけいれんを主訴に来院した。日中は自宅に一人でおり、夕方帰宅した家族に連れられて受診した。同日の最高気温は 39℃で、冷房は使用していなかったという。60 歳から高血圧症のため、降圧薬を内服している。75 歳時に急性心筋梗塞のため冠動脈ステントを留置されている。 意識は清明。身長 154 cm、体重 48 kg。体温 37.0 ℃。脈拍 92/分、整。血圧 108/58 mmHg。 尿所見:比重 1.020、蛋白(±)、潜血(-)、尿中 Na 15 mEq/L。血液所見:赤血球:490 万、Hb 14.0 g/dL、Ht 43 %、白血球 6,300、血小板 18 万。血液生化学所見:総蛋白 6.8 g/dL、アルブミン 4.2 g/dL、AST 35 U/L、ALT 40 U/L、CK 4,320 U/L(基準 30〜140)、尿素窒素 38 mg/dL、クレアチニン 2.5mg/dL、尿酸 7.5 mg/dL、Na 140 mEq/L、K5.0 mEq/L、Cl 104 mEq/L。 最初に行う輸液の組成として最も適切なのはどれか。

第112回国家試験 D29

30歳の女性。咽頭痛と開口障害とを主訴に来院した。5日前から咽頭痛と軽度の発熱があったため自宅近くの医療機関を受診し、抗菌薬と解熱鎮痛薬の内服治療を受けていた。昨日から開口障害と摂食困難とが出現したため受診した。喫煙歴はなく、飲酒は機会飲酒。頸部リンパ節と肝・脾とを触知しない。 血液所見:赤血球 480 万、Hb 13.0 g/dL、白血球 16,800(桿状核好中球 30 %、分葉核好中球 52 %、好酸球1%、好塩基球1%、単球6%、リンパ球 10 %)、血小板 21 万。血液生化学所見:AST 30 U/L、ALT 28 U/L。CRP 14 mg/dL。口腔内写真を示す。 診断はどれか。

第112回国家試験 D30

70歳の男性。激しい腹痛と腹部膨満感とを主訴に救急車で搬入された。以前から Parkinson 病で内服治療中であった。体温 36.8 ℃。心拍数 72/分、整。血圧130/70 mmHg。呼吸数 16/分。血液所見:赤血球 420 万、Hb 11.2 g/dL、白血球11,000、血小板 20 万。血液生化学所 見:AST 33 U/L、ALT 25 U/L。CRP 5.8mg/dL。腹部エックス線写真を示す。 まず行うべきなのはどれか。