平成30年度(第113回)医師国家試験問題|午後21問〜午後40問

第113回国家試験 C17

一次予防に該当するのはどれか。2つ選べ。

第113回国家試験 C18

我が国の人口統計の最近20 年間の変化として正しいのはどれか。2つ選べ。

第113回国家試験 C19

マグネシウムの欠乏に関連するのはどれか。2つ選べ。

第113回国家試験 C20

地域における保健、医療、福祉および介護の各組織とその機能の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。

第113回国家試験 C21

急性虫垂炎でみられるのはどれか。2つ選べ。

第113回国家試験 C22

終末期がん患者のケアについて正しいのはどれか。2つ選べ。

第113回国家試験 C23

高齢者の内分泌系にみられる特徴はどれか。2つ選べ。

第113回国家試験 C24

副交感神経を含むのはどれか。3つ選べ。

第113回国家試験 C25

80歳の男性。誤嚥性肺炎、脳梗塞による左片麻痺、脳血管性認知症および仙骨部褥瘡のため入院中である。寝たきりの状態で経口摂取が困難であり、経鼻経管栄養を行っている。肺炎は抗菌薬治療により改善し、在宅医療を担当する医師に診療情報提供を行うとともに、自宅への退院に向けて退院支援チームで相談をすることとなった。 正しい対応はどれか。

第113回国家試験 C26

70歳の男性。労作時の呼吸困難を主訴に来院した。10年前から労作時の呼吸困難を自覚していたが、徐々に増強したため受診した。喘鳴の自覚はない。喫煙は40本/日を 50年間。 脈拍 72/分、整。血圧 128/74 mmHg。呼吸数 16/分。心音と呼吸音とに異常を認めない。呼吸機能検査では1秒率の低下を認め、β2刺激薬の吸入で1秒率低下の改善を認めなかった。胸部エックス線写真及び胸部CTを別に示す。 対応として適切でないのはどれか。

第113回国家試験 C27

40歳の男性。風疹対策のポスターを見て来院した。風疹のワクチン接種は受けておらず感染歴は明らかではない。健康状態は良好で、既往歴に特記すべきことはない。本人はワクチン接種を希望している。 正しいのはどれか。

第113回国家試験 C28

28歳の男性。本人から面談の申し出があり産業医を訪れた。職場でストレスチェックを行った際、高ストレス者として選定され、面談指導が勧奨されたという。3か月前に実施した定期健康診断では身長 172 cm、体重 65 kg。血圧 136/88 mmHg。血液検査および生化学検査に異常を認めなかった。既往歴に特記すべきことはない。4か月前に新しい部署に異動し、それまでに経験のない対外折衝業務を担当することになったが、新しい業務になじめずにいた。上司や同僚ともあまり会話がなく、業務量も増加し、残業や休日出勤も必要となっていた。ここ1か月は、休日にも仕事のことが頭から離れなくなり、夜、なかなか寝付けず、朝も起きられないため、遅刻が目立つようになってきた。 来所時の体重は 62 kg。血圧 142/92 mmHg。最近は、夫婦仲も悪化し、けんかが絶えないという。本人はストレスの原因は、不本意な人事異動にあると考えており、異動を強く希望している。 産業医がまず行う対応として適切なのはどれか。

第113回国家試験 C29

29歳の女性(2妊0産)。今まで自宅近くのA医院で妊婦健康診査を受けていたが、妊娠32週0日に里帰り分娩を希望して来院した。24歳時に妊娠9週で人工妊娠中絶を受けた。2日前から実家で生活を始め、分娩後2か月で自宅に戻る予定だという。 身長 163 cm。体重 66 kg。体温 36.5 ℃。脈拍 84/分、整。血圧 134/76 mmHg。子宮底長 29 cm、腹囲 83 cm。下腿浮腫を認めない。 尿所見:蛋白 (±) 、糖 (±) 。血液所見:赤血球 380 万、Hb 11.8 g/dL、Ht 34 %、白血球 9,800、血小板 16 万。腹部超音波検査で、胎児は頭位で形態異常はなく、推定体重は 1,800 g、胎盤は子宮底部に付着し、羊水指数<AFI>は 10.8 cm である。持参した母子健康手帳の記載を別に示す。 対応として適切なのはどれか。

第113回国家試験 C30

72歳の女性。下腹部痛と血便のため救急外来を受診した。本日就寝前に急激な下腹部痛と下痢が出現した。数回の下痢に続いて鮮紅色の血便が出現したため受診した。20 年前から糖尿病と高血圧症で自宅近くの診療所に通院している。 意識は清明。体温 37.2 ℃。脈拍 96/分、整。血圧 142/92 mmHg。呼吸数 20/分。SpO2 96 % (room air)。腹部は平坦で、左下腹部に自発痛と圧痛を認める。筋性防御を認めない。 血液所見:赤血球 380 万、Hb 11.4 g/dL、Ht 39 %、白血球 11,200 (桿状核好中球 4 %、分葉核好中球 55 %、好酸球 2 %、単球 7 %、リンパ球 32 %)、血小板 23 万。血液生化学所見:総蛋白 6.9 g/dL、アルブミン 3.8 g/dL、総ビリルビン 0.9 mg/dL、AST 24 U/L、ALT 27 U/L、LD 267 U/L (基準 176〜353)、アミラーゼ 60 U/L 基準 37〜160 、尿素窒素 21 mg/dL、クレアチニン 1.1 mg/dL、尿酸 6.6 mg/dL、血糖 138 mg/dL、HbA1c 6.9 % (基準 4.6〜6.2)、Na 141 mEq/L、K 4.4 mEq/L、Cl 99 mEq/L。CRP 2.1 mg/dL。動脈血ガス分析(room air):pH 7.41、PaCO2 36 Torr、PaO2 90 Torr、HCO3- 24 mEq/L。 最も考えられる疾患はどれか。

第113回国家試験 C31

70歳の男性。腎機能低下のため来院した。20年前から健診で尿蛋白と尿潜血を指摘されている。5年前から腎機能低下を指摘された。2か月前の定期検査で腎機能がさらに低下していたため、腎代替療法の準備を勧められて受診した。55歳時に急性心筋梗塞の既往があり、左室収縮能の低下(左室駆出率 35 %)がある。アスピリン、アンジオテンシン変換酵素<ACE>阻害薬および β 遮断薬を内服している。61歳時に交通外傷で脾臓摘出と小腸部分切除を受け、その後癒着性イレウスで回開腹歴がある。65 歳から糖尿病を指摘されて経口糖尿病薬を服用している。 身長 160 cm、体重 80 kg。脈拍 72/分、整。血圧 120/86 mmHg。腹部は平坦、軟で、心窩部から臍下部にかけて手術痕がある。両下腿に浮腫を認める。認知機能は正常で、神経診察に異常を認めない。 尿所見:蛋白 3+、糖 (-) 、潜血 2+、沈渣で多彩な変形赤血球と顆粒円柱を認める。1日尿量 2,050 mL。血液所見:赤血球 358 万、Hb 10.5 g/dL、Ht 31 %、白血球 5,700、血小板 28 万。血液生化学所見:総蛋白 6.6 g/dL、アルブミン 3.5 g/dL、尿素窒素 50 mg/dL、クレアチニン 5.1 mg/dL、eGFR mL/分/1.73 m2、HbA1c 7.0 % (基準 4.6〜6.2)、Na 142 mEq/L、K 4.5 mEq/L、Cl 103 mEq/L。 腎代替療法についての説明で適切なのはどれか。

第113回国家試験 C32

68歳の男性。健診で血清蛋白異常を指摘され来院した。特に自覚症状はない。既往歴に特記すべきことはない。 表在リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。浮腫を認めない。 血液所見:赤血球 438 万、Hb 13.8 g/dL、Ht 45 %、白血球 5,800、血小板 25 万。血液生化学所見:総蛋白 8.2 g/dL、アルブミン 4.7 g/dL 、IgG 2,628 mg/dL (基準 960〜1,960)、IgA 319 mg/dL (基準 110〜410)、IgM 211 mg/dL (基準 65〜350)、総ビリルビン 0.7 mg/dL、AST 26 U/L、ALT 38 U/L、LD 285 U/L (基準 176〜353)、ALP 295 U/L 基準 115〜359 、尿素窒素 18 mg/dL、クレアチニン 0.9 mg/dL、尿酸 5.6 mg/dL。 診断のために最も重要な血液検査項目はどれか。

第113回国家試験 C33

28歳の女性。挙児を希望して来院した。月経周期は30日型、持続は5日間。避妊せずに3か月経ったが妊娠しなかったため来院した。内診で子宮と卵巣とに異常を認めない。Douglas 窩に異常を認めない。基礎体温は 2相性である。 この時点で適切な説明はどれか。

第113回国家試験 C34

日齢1の新生児。在胎40週0日、出生体重 2,594 g で、正常分娩で出生した。Apgar スコアは 8点 (1分)、9点(5分)。出生12時間後から嘔吐が出現し、出生から24時間経っても胎便の排泄がなく、胆汁性嘔吐を認めたため NICU に搬入された。 体重 2,400 g。体温 37.6 ℃。心拍数 40/分、整。血圧 70/40 mmHg。呼吸数 52/分。 SpO2 99 % (room air)。 このときの腹部所見及び胸腹部エックス線写真(臥位)を別に示す。血液所見: Hb 19.4 g/dL、白血球 11,600、血小板 35 万。血液生化学検査:尿素窒素 17 mg/dL、クレアチニン 1.3 mg/dL、総ビリルビン 9.4 mg/dL。経鼻胃管を挿入するとともに、輸液を開始した。 次に行うべきなのはどれか。

第113回国家試験 C35

45歳の男性。造船所でアーク溶接作業に従事している。本日、午前11時ころ、作業場が暑かったので、保護具を外して汗をぬぐってしまい、溶接時に発生する光に曝露したという。特に自覚症状はなく、その後の作業にも差し障りはなかったが、念のためにと同じ作業場の同僚が気遣い、昼食後、午後2時に同僚とともに医務室を訪れた。 意識は清明。眼球結膜に軽度充血を認める。視野は良好。眼や耳の痛みは訴えていない。瞳孔、口腔粘膜および皮膚に異常を認めない。 対応として適切なのはどれか。

第113回国家試験 C36

47歳の女性。顔面の皮疹を主訴に来院した。2か月前から自宅近くの診療所で顔面の皮疹に対し外用薬が処方され、使用しているうちに新たな皮疹が出現してきたという。口周囲、頰部に丘疹、膿疱を認める。顔面の写真を別に示す。 この皮疹の原因と考えられる外用薬はどれか。