平成30年度(第113回)医師国家試験問題|午後41問〜午後60問

第113回国家試験 C37

76歳の男性。記憶障害を心配した妻に付き添われて来院した。妻によると3か月前に、呼びかけても返事がなく宙を見つめるようなことが初めてあった。その後、同様の症状を月に1、2回目撃している。症状発現時には、口をもぐもぐしたり、手指を不規則に動かしたりするような動作がみられることもある。数分で回復することが多いが、その時のことを本人に尋ねても、何も覚えていない。本人は「妻から言われたことを全く覚えていないので、認知症ではないかと不安です」と述べている。かかりつけ医の処方には降圧薬があるが、睡眠薬や抗精神病薬は含まれていない。 体温 36.3 ℃。脈拍 72/分、整。血圧 128/76 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。Mini-Mental State Examination<MMSE>29 点 (30 点満点)。神経診察に異常を認めない。 尿所見、血液所見および血液生化学所見に異常を認めない。頭部 MRI に異常を認めない。 次に行うべき検査はどれか。

第113回国家試験 C38

9歳の男児。陰毛発生、変声を主訴に母親に連れられて来院した。幼稚園の頃から一番背が高かった。半年前から陰毛が発生し、最近になり周囲から変声を指摘され、心配になり来院した。既往歴に特記すべきことはない。家族の身長は、父親175 cm、母親 159 cm (10 歳で初経)、兄 14 歳 175 cm (12 歳で変声)、姉 12 歳 152cm (10 歳で初経)。 本人は身長 150 cm、体重 51 kg。体温 36.5 ℃。口腔内に異常を認めない。甲状腺と頸部リンパ節の腫大を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。Café au lait 斑を認めない。 次に行うべきなのはどれか。

第113回国家試験 C39

35 歳の初妊婦(1妊0産)。初回妊婦健康診査のため妊娠11週2日に来院した。無月経を主訴に3週間前に受診し、子宮内に妊娠8週相当の胎児を認め妊娠と診断された。 初期血液検査の説明として適切なのはどれか。

第113回国家試験 C40

69歳の女性。四肢関節痛を主訴に来院した。5年前から手指のこわばり、移動性の疼痛があった。3年前から便秘と下痢を繰り返し、過敏性腸症候群と診断された。半年前、夫が肺癌で死去した。そのころから、四肢関節痛や腰背部痛が悪化したため4週間前に自宅近くの診療所を受診し、NSAIDs の処方を受けたが寛解しなかった。体重に変化はない。 体温 36.2 ℃。脈拍 80/分、整。血圧 120/76 mmHg。手指遠位指節間関節や近位指節間関節に骨棘を触れる。手指や手首、膝など多関節に圧痛を認めるが、腫脹を認めない。両側の項部や僧帽筋上縁中央部、下位頸椎横突起間、第二肋骨肋軟骨接合部、上腕骨外側上顆付近、臀部上外側、大腿骨大転子後方の触診時、顔をしかめるような 痛反応を認める。 尿所見に異常を認めない。赤沈 10 mm/ 1時間。血液所見:赤血球 425 万、Hb 12.8 g/dL、Ht 40 %、白血球 4,200、血小板 19 万。血液生化学所見:総蛋白 7.2 g/dL、AST 21 U/L、ALT 16 U/L、LD 188 U/L (基準 176〜353)、尿素窒素 10 mg/dL、クレアチニン 0.4 mg/dL、CK 48 U/L (基準 30〜140)、コルチゾール 12.4 μg/dL (基準 5.2〜12.6)。免疫血清学所見:CRP 0.1 mg/dL、リウマトイド因子<RF>陰性、抗核抗体陰性。 最も考えられるのはどれか。

第113回国家試験 C41

7歳の男児。小学1年生の心電図検診で左室肥大を指摘され来院した。現在まで家庭や学校での生活で易疲労性を指摘されたことはない。 右上肢の血圧は 142/88 mmHg で、左背部で収縮期に雑音を聴取する。心エコー検査で左室壁が肥厚しているが、左室の壁運動に異常を認めない。明らかな心内シャントは認めない。 予想される所見はどれか。

第113回国家試験 C42

62歳の女性。便潜血の精密検査を目的に来院した。便潜血検査による検診を受け、1日目が陽性、2日目が陰性であったため、精密検査が必要と判定されて受診した。友人から「内視鏡検査は苦痛だ」と聞いており、内視鏡検査を受けることを躊躇している。便通は毎日あり、便柱狭小化はない。最近数年間で体重の明らかな増減はない。既往歴に特記すべきことはない。喫煙歴はなく、飲酒は機会飲酒。大腸癌の家族歴はない。 身長 155 cm、体重 56 kg。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知せず、圧痛を認めない。 最も適切な対応はどれか。

第113回国家試験 C43

22歳の男性。就職時の健診で尿糖陽性を指摘され来院した。健診では、他の異常は認められなかった。健診時は朝食後に検査を受けたという。家族歴に特記すべきことはない。喫煙歴と飲酒歴はない。 身長 170 cm、体重 62 kg。脈拍 72/分、整。血圧 118/70 mmHg。経口グルコース負荷試験<75 g OGTT>の結果を示す。 適切なのはどれか。

第113回国家試験 C44

25歳の女性。妊娠12週の初産婦(1妊0産)。本日朝から性器出血があり完全流産となった。妊娠初期検査で、血液型はO型RhD(-)、間接Coombs試験は陰性。本日の対応として優先すべきなのはどれか。

第113回国家試験 C45

68歳の男性。皮膚の黄染と食欲不振を主訴に来院した。精査の結果、閉塞性黄疸を合併する膵頭部癌と診断された。 身長 168 cm、体重 53 kg (3か月間で 5kg の体重減少)。体温 36.6 ℃。脈拍 76/分、整。血圧 110/78 mmHg。呼吸数 16/分。 血液所見:赤血球 398 万、Hb 11.9 g/dL、Ht 39 %、白血球 7,400、血小板 34 万。血液生化学所見:総蛋白 6.0 g/dL、アルブミン 3.4 g/dL、総ビリルビン 2.7 mg/dL、AST 56 U/L、ALT 48 U/L、γ-GTP 76 U/L (基準 8〜50)、尿素窒素 13 mg/dL、クレアチニン 0.4 mg/dL、血糖 84 mg/dL、HbA1c 6.0 % (基準 4.6〜6.2)、総コレステロール 194 mg/dL、トリグリセリド 78 mg/dL、アミラーゼ 96 IU/L (基準 37〜160)、CEA 7.5 ng/mL (基準 5 以下)、CA19-9 107 U/mL (基準 37 以下)。内視鏡的に閉塞部胆管にステントを留置し、黄疸の軽減を待って膵頭十二指腸切除術を施行することとなった。 この患者の周術期について正しいのはどれか。

第113回国家試験 C46

71歳の女性。労作時呼吸困難の増悪を主訴に来院した。約 10 年前に COPD と診断された。 1年前からⅡ型呼吸不全をきたしたため在宅酸素療法(1L/分)を行っている。前回外来診察時には呼吸数 20/分、SpO2 94 % (鼻カニューラ 1L/分酸素投与下)であった。数日前より労作時呼吸困難が悪化したため、家族に付き添われて受診した。外来待合室で 30 分くらい前から居眠りをしていた。付き添いの家族が呼びかけに応答しないことに気付いて、看護師に声をかけた。 脈拍 104/分、整。血圧 144/92 mmHg。呼吸数 8/分。SpO2 91 %。吸入酸素量を確認したところ、 5L/分であった。家族によると、タクシーを降りてから待合室まで歩行したところ、呼吸が苦しくなったので本人が酸素量を増やしたとのことであった。 現時点で必要ないのはどれか。

第113回国家試験 C47

24歳の女性。発熱と頸部腫瘤を主訴に来院した。2か月前から左頸部腫瘤を自覚していた。2週間前に発熱と寝汗が出現し、改善しないため受診した。6か月で7kgの体重減少があった。 体温 37.8 ℃。脈拍 96/分、整。左頸部、左鎖骨上窩および両側鼠径部に弾性硬、圧痛のない径 2〜3cm のリンパ節を4個触知する。左頸部リンパ節の生検組織の H-E 染色標本を別に示す。免疫染色ではCD30陽性の細胞を認める。 この患者に行う治療に含むべき薬剤はどれか。

第113回国家試験 C48

34歳の初産婦(1妊0産)。妊娠39週4日の午前6時に陣痛発来のため入院した。これまでの妊娠経過は順調であった。午後4時に子宮口は全開大した。午後6時50分に破水し、内診で児頭下降度は SP +4cm、0時方向に小泉門を触知した。この時点での胎児心拍数陣痛図を別に示す。 対応として最も適切なのはどれか。

第113回国家試験 C49

70歳の男性。肺癌の治療で入院中である。肺癌にて右肺下葉切除術、縦隔リンパ節郭清術が施行された。術後1日目に食事を開始し、術後2日目に約 1,000 mLの白色混濁した胸水が胸腔ドレーンから排出された。胸水中トリグリセリド 150mg/dL。 対応として適切なのはどれか。2つ選べ。

第113回国家試験 C50

51歳の女性。左腎細胞癌に対して根治的左腎摘除術を受けている。術後10か月で、両肺に径1cm未満の肺転移が複数出現した。肺転移に対して、 まず行うべき治療として適切なのはどれか。2つ選べ。

第113回国家試験 C51

36 歳の初妊婦(1妊0産)。妊娠33週に、倦怠感と口渇のため受診した。 現病歴:妊娠前のBMIは20.8であった。これまで毎年受けている健診で異常を指摘されたことはない。妊娠 18 週で尿糖陽性を指摘されたが、その後妊婦健康診査に行かなくなった。妊娠 25 週で全身倦怠感が出現した。2日前から倦怠感が増悪し、口渇が出現した。 既往歴:特記すべきことはない。 生活歴:喫煙歴および飲酒歴はない。 家族歴:父が高血圧症。 現症:身長 152 cm、体重 62 kg。体温 37.6 ℃。脈拍 108/分、整。血圧 112/82 mmHg。呼吸数 26/分。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。口腔内は乾燥している。心音と呼吸音とに異常を認めない。子宮底長 35 cm、腹囲 95 cm。腱反射に異常を認めない。眼底に糖尿病網膜症の所見を認めない。 検査所見:尿所見:蛋白 (-)、糖 2+、ケトン体 (-)。血液所見:赤血球 468 万、Hb 13.9 g/dL、Ht 42 %、白血球 10,300 (桿状核好中球 30 %、分葉核好中球 45 %、好酸球 1 %、好塩基球 1 %、単球 6 %、リンパ球 17 %)、血小板 21 万。血液生化学所見:AST 28 U/L、ALT 16 U/L、尿素窒素 12 mg/dL、クレアチニン 0.6 mg/dL、尿酸 4.9 mg/dL、血糖 255 mg/dL、HbA1c 7.8 % (基準 4.6〜6.2)、Na 143 mEq/L、K 4.9 mEq/L。免疫血清学所見:抗 GAD 抗体陰性。腹部超音波検査では児の推定体重 2,450 g (+2.0 SD)。明らかな心疾患を認めない。

この母体と胎児の状態について正しいのはどれか。2つ選べ。

第113回国家試験 C52

36 歳の初妊婦(1妊0産)。妊娠33週に、倦怠感と口渇のため受診した。 現病歴:妊娠前のBMIは20.8であった。これまで毎年受けている健診で異常を指摘されたことはない。妊娠 18 週で尿糖陽性を指摘されたが、その後妊婦健康診査に行かなくなった。妊娠 25 週で全身倦怠感が出現した。2日前から倦怠感が増悪し、口渇が出現した。 既往歴:特記すべきことはない。 生活歴:喫煙歴および飲酒歴はない。 家族歴:父が高血圧症。 現症:身長 152 cm、体重 62 kg。体温 37.6 ℃。脈拍 108/分、整。血圧 112/82 mmHg。呼吸数 26/分。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。口腔内は乾燥している。心音と呼吸音とに異常を認めない。子宮底長 35 cm、腹囲 95 cm。腱反射に異常を認めない。眼底に糖尿病網膜症の所見を認めない。 検査所見:尿所見:蛋白 (-)、糖 2+、ケトン体 (-)。血液所見:赤血球 468 万、Hb 13.9 g/dL、Ht 42 %、白血球 10,300 (桿状核好中球 30 %、分葉核好中球 45 %、好酸球 1 %、好塩基球 1 %、単球 6 %、リンパ球 17 %)、血小板 21 万。血液生化学所見:AST 28 U/L、ALT 16 U/L、尿素窒素 12 mg/dL、クレアチニン 0.6 mg/dL、尿酸 4.9 mg/dL、血糖 255 mg/dL、HbA1c 7.8 % (基準 4.6〜6.2)、Na 143 mEq/L、K 4.9 mEq/L。免疫血清学所見:抗 GAD 抗体陰性。腹部超音波検査では児の推定体重 2,450 g (+2.0 SD)。明らかな心疾患を認めない。

薬物療法として適切なのはどれか。

第113回国家試験 C53

36 歳の初妊婦(1妊0産)。妊娠33週に、倦怠感と口渇のため受診した。 現病歴:妊娠前のBMIは20.8であった。これまで毎年受けている健診で異常を指摘されたことはない。妊娠 18 週で尿糖陽性を指摘されたが、その後妊婦健康診査に行かなくなった。妊娠 25 週で全身倦怠感が出現した。2日前から倦怠感が増悪し、口渇が出現した。 既往歴:特記すべきことはない。 生活歴:喫煙歴および飲酒歴はない。 家族歴:父が高血圧症。 現症:身長 152 cm、体重 62 kg。体温 37.6 ℃。脈拍 108/分、整。血圧 112/82 mmHg。呼吸数 26/分。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。口腔内は乾燥している。心音と呼吸音とに異常を認めない。子宮底長 35 cm、腹囲 95 cm。腱反射に異常を認めない。眼底に糖尿病網膜症の所見を認めない。 検査所見:尿所見:蛋白 (-)、糖 2+、ケトン体 (-)。血液所見:赤血球 468 万、Hb 13.9 g/dL、Ht 42 %、白血球 10,300 (桿状核好中球 30 %、分葉核好中球 45 %、好酸球 1 %、好塩基球 1 %、単球 6 %、リンパ球 17 %)、血小板 21 万。血液生化学所見:AST 28 U/L、ALT 16 U/L、尿素窒素 12 mg/dL、クレアチニン 0.6 mg/dL、尿酸 4.9 mg/dL、血糖 255 mg/dL、HbA1c 7.8 % (基準 4.6〜6.2)、Na 143 mEq/L、K 4.9 mEq/L。免疫血清学所見:抗 GAD 抗体陰性。腹部超音波検査では児の推定体重 2,450 g (+2.0 SD)。明らかな心疾患を認めない。

その後の経過:治療が奏功し児は在胎 39 週 1 日、出生体重 3,796 g で、経腟分娩で出生した。Apgar スコア 9点(1分)、 9点(5分)。出生後1時間の児の血糖は 58 mg/dL。生後1時間30分から小刻みに四肢を震わせることを繰り返すようになった。体温 37.3 ℃。心拍数 150/分、整。呼吸数50/分。SpO2 99 % (room air)。大泉門は平坦、心音と呼吸音とに異常を認めない。筋緊張は正常で、Moro反射は正常に出現する。 直ちに児に行う検査はどれか。

第113回国家試験 C54

82歳の女性。転倒し救急車で搬入された。 現病歴:廊下で倒れているところを家族が発見し、救急車を要請した。半年前から階段昇降時の息切れを自覚していた。 既往歴:68歳時から高血圧症のためカルシウム拮抗薬、糖尿病のためビグアナイド薬、75歳時から深部静脈血栓症のためワルファリン、76歳時から不眠症のためベンゾジアゼピン系睡眠薬、骨粗鬆症のためビスホスホネート製剤で治療中。 生活歴:日常生活動作<ADL>は自立。 家族歴:特記すべきことはない。 現症:問いかけに対し名前を言うことができる。身長 152 cm、体重 42 kg。体温 36.6 ℃。心拍数 72/分、整。仰臥位で血圧 112/68 mmHg。呼吸数 18/分。SpO2 98 %(room air)。眼瞼結膜は貧血様である。眼球結膜に黄染を認めない。前頭部に2cm大の皮下血腫を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。神経診察を含む身体診察に異常を認めない。

転倒の原因を評価するための質問として有用性が低いのはどれか。

第113回国家試験 C55

82歳の女性。転倒し救急車で搬入された。 現病歴:廊下で倒れているところを家族が発見し、救急車を要請した。半年前から階段昇降時の息切れを自覚していた。 既往歴:68歳時から高血圧症のためカルシウム拮抗薬、糖尿病のためビグアナイド薬、75歳時から深部静脈血栓症のためワルファリン、76歳時から不眠症のためベンゾジアゼピン系睡眠薬、骨粗鬆症のためビスホスホネート製剤で治療中。 生活歴:日常生活動作<ADL>は自立。 家族歴:特記すべきことはない。 現症:問いかけに対し名前を言うことができる。身長 152 cm、体重 42 kg。体温 36.6 ℃。心拍数 72/分、整。仰臥位で血圧 112/68 mmHg。呼吸数 18/分。SpO2 98 %(room air)。眼瞼結膜は貧血様である。眼球結膜に黄染を認めない。前頭部に2cm大の皮下血腫を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。神経診察を含む身体診察に異常を認めない。

頭部CTでは皮下血腫のみで頭蓋内に異常を認めなかった。座位にしたところ1分後にふらつきを生じ「目の前が暗くなる」と訴えた。心拍数 120/分、整。血圧 82/40 mmHg。呼吸数 20/分。直腸診で黒色便の付着を認める。静脈路を確保して輸液を開始し、血圧は 110/62 mmHg に上昇した。 検査所見:血液所見:赤血球 245 万、Hb 7.5 g/dL、Ht 24 %、白血球 9,600、血小板 18 万。血液生化学所見:総蛋白 6.5 g/dL、アルブミン 3.2 g/dL、AST 20 U/L、ALT 30 U/L、尿素窒素 65 mg/dL、クレアチニン 0.6 mg/dL、Na 140mEq/L、K 4.5 mEq/L、Cl 108 mEq/L。 次に優先すべき検査はどれか。

第113回国家試験 C56

82歳の女性。転倒し救急車で搬入された。 現病歴:廊下で倒れているところを家族が発見し、救急車を要請した。半年前から階段昇降時の息切れを自覚していた。 既往歴:68歳時から高血圧症のためカルシウム拮抗薬、糖尿病のためビグアナイド薬、75歳時から深部静脈血栓症のためワルファリン、76歳時から不眠症のためベンゾジアゼピン系睡眠薬、骨粗鬆症のためビスホスホネート製剤で治療中。 生活歴:日常生活動作<ADL>は自立。 家族歴:特記すべきことはない。 現症:問いかけに対し名前を言うことができる。身長 152 cm、体重 42 kg。体温 36.6 ℃。心拍数 72/分、整。仰臥位で血圧 112/68 mmHg。呼吸数 18/分。SpO2 98 %(room air)。眼瞼結膜は貧血様である。眼球結膜に黄染を認めない。前頭部に2cm大の皮下血腫を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。神経診察を含む身体診察に異常を認めない。

この患者において今後の頭蓋内出血の出現を予測する上で、最も注意すべき薬剤内服歴はどれか。