令和元年度(第114回)医師国家試験問題|午後1問〜午後20問
第114回国家試験 B46
75 歳の女性。発熱を主訴に来院した。 現病歴 : 昨日からわずかな排尿痛を自覚していた。今朝から悪寒戦慄を伴う発熱が出現したため、家族に付き添われて受診した。 既往歴 : 高血圧症のため、自宅近くの診療所で投薬を受けている。胆石症のため、同じ診療所で年回の腹部超音波検査を実施している。 生活歴 : 60 歳まで小学校の教諭をしていた。夫は年前に死去し、現在は長男夫婦および中学生の孫と同居している。 家族歴 : 父が胃癌、母が大腸癌。 現 症 : 意識は清明。身長 152 cm、体重 45 kg。体温 38.3 ℃。脈拍 96/分、整。血圧 114/72 mmHg。呼吸数 20/分。SpO₂ 95 %(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。咽頭に異常を認めない。頸静脈の怒張を認めない。甲状腺腫を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。左肋骨脊柱角に叩打痛を認める。四肢に浮腫を認めない。 検査所見 : 尿所見:黄色で混濁、蛋白(±)、糖:(-)、潜血1+、沈渣に赤血球を認めず、白血球 100 以上/HPF。血液所見:赤血球 382 万、Hb 11.2 g/dL、Ht 33 %、白血球 10,100(桿状核好中球 17 %、分葉核好中球 55 %、好酸球2%、好塩基球 0%、単球 10 %、リンパ球 16 %)、血小板 15 万。血液生化学所見:総蛋白 7.5 g/dL、アルブミン 3.2 g/dL、総ビリルビン 0.7 mg/dL、AST 19 U/L、ALT 9 U/L、LD 220 U/L :基準 (120〜245)、ALP 336 U/L (基準 115〜359)、γ-GT 36 U/L (基準8〜50)、尿素窒素 15 mg/dL、クレアチニン 0.8 mg/dL、血糖 120 mg/dL、Na 137 mEq/L、K 4.4 mEq/L、Cl 100 mEq/L。CRP 14 mg/dL。
尿培養とともにさらに培養のために採取すべき検体はどれか。
第114回国家試験 B47
22 歳の男性。全身の脱力のため救急車で搬入された。 現病歴 : 3か月前から運動時の動悸を自覚していた。1か月前にテニスをしたところ、翌日起床時にベッドから起き上がりづらく、4時間ほど休んでいたら元に戻った。昨日は特別な運動をしなかったが、焼き肉店で遅くまで友人と大量に飲食したのち、30 分程度歩いて帰ったという。本日起床時ベッドから立ち上がろうとして力が入らず、次第に上肢にも力が入らなくなってきたため救急車を要請した。 既往歴 : 特記すべきことはない。 生活歴 : 大学生で実家暮らし。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。 家族歴 : 特記すべきことはない。 現 症 : 意識は清明。身長 172 cm、体重 55 kg。体温 37.8 ℃。脈拍 104/分、整。血圧 96/44 mmHg。呼吸数 22/分。皮膚は著明に湿潤している。瞳孔と眼球運動とに異常を認めない。構音に異常はない。徒手筋力テストで近位筋優位の筋力低下を認める。四肢腱反射は低下しているが、左右差は認めない。筋萎縮は認めない。感覚系に異常は認めない。 検査所見 : 尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球 515 万、Hb 17.3 g/dL、Ht 48 %、白血球 5,900、血小板 20 万。血液生化学所見:総蛋白7.0 g/dL、AST 20 U/L、ALT 25 U/L、CK 120 U/L (基準 30〜140)、尿素窒素 28mg/dL、ク レ ア チ ニ ン 0.5 mg/dL、血 糖 85 mg/dL、Na 139 mEq/L、K 2.4mEq/L、Cl 101 mEq/L。
この病態の原因として最も考えられる臓器はどれか。
第114回国家試験 B48
22 歳の男性。全身の脱力のため救急車で搬入された。 現病歴 : 3か月前から運動時の動悸を自覚していた。1か月前にテニスをしたところ、翌日起床時にベッドから起き上がりづらく、4時間ほど休んでいたら元に戻った。昨日は特別な運動をしなかったが、焼き肉店で遅くまで友人と大量に飲食したのち、30 分程度歩いて帰ったという。本日起床時ベッドから立ち上がろうとして力が入らず、次第に上肢にも力が入らなくなってきたため救急車を要請した。 既往歴 : 特記すべきことはない。 生活歴 : 大学生で実家暮らし。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。 家族歴 : 特記すべきことはない。 現 症 : 意識は清明。身長 172 cm、体重 55 kg。体温 37.8 ℃。脈拍 104/分、整。血圧 96/44 mmHg。呼吸数 22/分。皮膚は著明に湿潤している。瞳孔と眼球運動とに異常を認めない。構音に異常はない。徒手筋力テストで近位筋優位の筋力低下を認める。四肢腱反射は低下しているが、左右差は認めない。筋萎縮は認めない。感覚系に異常は認めない。 検査所見 : 尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球 515 万、Hb 17.3 g/dL、Ht 48 %、白血球 5,900、血小板 20 万。血液生化学所見:総蛋白7.0 g/dL、AST 20 U/L、ALT 25 U/L、CK 120 U/L (基準 30〜140)、尿素窒素 28mg/dL、ク レ ア チ ニ ン 0.5 mg/dL、血 糖 85 mg/dL、Na 139 mEq/L、K 2.4mEq/L、Cl 101 mEq/L。
SOAP でこの患者の診療記録を作成するとき、A の項目として記載すべきなのはどれか。
第114回国家試験 B49
42 歳の女性。倦怠感と関節痛を主訴に来院した。 現病歴 : 半年前に全身の倦怠感と両手首の痛みを自覚した。その後、両肘にも痛みが出現し、物を握りにくくなったという。発熱や咽頭痛、咳、痰、体重減少、発熱および寝汗はない。 既往歴 : 高血圧症で診療所に通院中。 生活歴 : 喫煙歴と飲酒歴はない。夫と 10 歳の息子との3人暮らし。仕事は病院事務をしている。 家族歴 : 兄が糖尿病。その他、特記すべきことはない。 現 症 : 意識は清明。身長 153 cm、体重 49 kg。体温 36.0 ℃。脈拍 88/分、整。血圧 134/80 mmHg。呼吸数 18/分。SpO₂ 97 %(room air)。皮疹を認めない。眼瞼結膜は貧血様で眼球結膜に黄染を認めない。咽頭に異常を認めない。甲状腺腫と頸部リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。両側の肘、手関節、中手指節関節、近位指節間関節の圧痛と腫脹を認める。 検査所見 : 血液所見:赤血球 384 万、Hb 11.0 g/dL、Ht 33 %、白血球 6,200、血小板 38 万。血液生化学所見:総蛋白 7.8 g/dL、アルブミン 3.3 g/dL、総ビリルビン 0.4 mg/dL、AST 11 U/L、ALT 8 U/L、LD 160 U/L(基準 120〜245)、CK22 U/L (基準 30〜140)、尿素窒素 10 mg/dL、クレアチニン 0.4 mg/dL、Na 143mEq/L、K 4.4 mEq/L、Cl 105 mEq/L。CRP 3.3 mg/dL。
この患者が訴える症状はどれか。
第114回国家試験 B50
42 歳の女性。倦怠感と関節痛を主訴に来院した。 現病歴 : 半年前に全身の倦怠感と両手首の痛みを自覚した。その後、両肘にも痛みが出現し、物を握りにくくなったという。発熱や咽頭痛、咳、痰、体重減少、発熱および寝汗はない。 既往歴 : 高血圧症で診療所に通院中。 生活歴 : 喫煙歴と飲酒歴はない。夫と 10 歳の息子との3人暮らし。仕事は病院事務をしている。 家族歴 : 兄が糖尿病。その他、特記すべきことはない。 現 症 : 意識は清明。身長 153 cm、体重 49 kg。体温 36.0 ℃。脈拍 88/分、整。血圧 134/80 mmHg。呼吸数 18/分。SpO₂ 97 %(room air)。皮疹を認めない。眼瞼結膜は貧血様で眼球結膜に黄染を認めない。咽頭に異常を認めない。甲状腺腫と頸部リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。両側の肘、手関節、中手指節関節、近位指節間関節の圧痛と腫脹を認める。 検査所見 : 血液所見:赤血球 384 万、Hb 11.0 g/dL、Ht 33 %、白血球 6,200、血小板 38 万。血液生化学所見:総蛋白 7.8 g/dL、アルブミン 3.3 g/dL、総ビリルビン 0.4 mg/dL、AST 11 U/L、ALT 8 U/L、LD 160 U/L(基準 120〜245)、CK22 U/L (基準 30〜140)、尿素窒素 10 mg/dL、クレアチニン 0.4 mg/dL、Na 143mEq/L、K 4.4 mEq/L、Cl 105 mEq/L。CRP 3.3 mg/dL。
この患者を診断する上で最も特異度の高い検査はどれか。
第114回国家試験 C1
地域医療構想について誤っているのはどれか。
第114回国家試験 C2
労働災害補償保険について正しいのはどれか。
第114回国家試験 C3
乳児の心肺蘇生法で正しいのはどれか。
第114回国家試験 C4
乳癌の再発で、余命が1年以内であるという内容の告知を受けた入院患者が死にたいと訴えた。 医師の対応で最も適切なのはどれか。
第114回国家試験 C5
我が国の一次予防推進の基礎資料となるのはどれか。
第114回国家試験 C6
日本、アメリカ、イタリア、韓国およびフランスの合計特殊出生率の 1990 年から 2018 年までの推移を別に示す。 日本はどれか。
第114回国家試験 C7
国家資格でないのはどれか。
第114回国家試験 C8
皮膚病変と疑うべき疾患の組合せで正しいのはどれか。
第114回国家試験 C9
公共施設・建物におけるユニバーサルデザインの発想に基づく設備はどれか。
第114回国家試験 C10
造血幹細胞の特徴で正しいのはどれか。
第114回国家試験 C11
2018 年の日本、イスラエル、韓国、中国およびベトナムにおける労働者1人当たりの GDP(横軸)と平均寿命(縦軸)を以下の図に示す。 図中の●の組合せで正しいのはどれか。
第114回国家試験 C12
食中毒について正しいのはどれか。
第114回国家試験 C13
入眠困難を主訴とする不眠症の成人患者に対する指導として適切なのはどれか。
第114回国家試験 C14
遺伝性疾患(浸透率 100 %)を持つ家系の家系図を示す。この疾患の遺伝形式はどれか。
第114回国家試験 C15
視野異常と疾患の組合せで正しいのはどれか。