令和元年度(第114回)医師国家試験問題|午後-19問〜午後0問
第114回国家試験 B26
24 歳の男性。調理中に包丁で右母指を切ったという。現場で創部をガーゼで圧迫し来院した。脈拍 72/分、整。血圧 110/60 mmHg。呼吸数 18/分。SpO₂ 98 %(room air)。ガーゼによる圧迫を解除して創部を観察し止血されているのを確認したが、この際に創部を見た患者が気分不快を訴えた。顔面は蒼白で多量の発汗を認める。 直ちに行うべき対応はどれか。
第114回国家試験 B27
52 歳の男性。発熱と体幹の皮疹を主訴に来院した。3日前に 38 ℃台の発熱と咽頭痛が出現した。自宅近くの医療機関で NSAID を処方されたが、顔面と体幹に小水疱が多発したため受診した。妻が2週前に帯状疱疹に罹患したという。径2〜3mm の紅暈を伴う小水疱と小膿疱を播種状に認め、一部にびらんと痂皮を伴う。体幹全体の写真及び拡大写真を別に示す。 この患者の全身を診察した際に水疱が認められる可能性が最も高いのはどれか。
第114回国家試験 B28
23 歳の女性。全身倦怠感を主訴に受診した。2週前に市販の妊娠検査薬が陽性となり来院し、子宮内に胎囊と 10 mm の胎芽を認めた。10 日前から悪心を自覚し、1週前から嘔吐を繰り返し、食事がほとんど摂取できていないという。性器出血や下腹部痛の訴えはない。 意識は清明。身長 155 cm、体重 50 kg。妊娠前の体重は 54 kg であった。体温 37.1 ℃。脈拍 84/分、整。血圧 122/68 mmHg。呼吸数16/分。口唇の乾燥を認める。経腟超音波検査にて頭殿長 20 mm の胎児と心拍動を認める。 まず行う検査はどれか。
第114回国家試験 B29
32 歳の女性。自転車を運転中に転倒し救急車で搬入された。意識レベルはJCSⅠ-1 で、視野全体が暗く感じると訴えている。対光反射の瞳孔の写真を別に示す。 障害部位はどれか。
第114回国家試験 B30
78 歳の男性。食欲不振、体重減少と全身倦怠感を主訴に来院した。2年前に膵頭部癌で切除術を受けたが、1年前に肝と肺への多発転移を指摘された。本人および家族ともにこれ以上の抗癌治療を望まず、通院していなかったという。1か月前から食欲不振と5kg の体重減少をきたし、1週前から全身倦怠感も認めるようになったため再度受診した。疼痛や不眠を認めない。 身長 167 cm、体重 38 kg。体温36.0 ℃。脈拍 80/分、整。血圧 100/68 mmHg。呼吸数 14/分。癌悪液質と診断した。 この時点での対応として正しいのはどれか。
第114回国家試験 B31
55 歳の男性。両足の浮腫を主訴に来院した。10 日前に両足の浮腫が出現し増悪したため受診した。 身長 170 cm、体重 75 kg(10 日前は 65 kg)。脈拍 100/分、整。血圧 92/56 mmHg。両下肢に浮腫を認める。 尿所見:蛋白3+、潜血:(ー)。随時尿の尿蛋白/Cr 比は 8.7 g/g Cr(基準 0.15 未満)。血液所見:赤血球 485 万、Hb18.1 g/dL、Ht 48 %、白血球 7,800、血小板 23 万。フィブリノゲン 677 mg/dL(基準 186〜355)、D ダイマー 3.1 μg/mL(基準 1.0 以下)。血液生化学所見:総蛋白4.0 g/dL、アルブミン 1.5 g/dL、尿素窒素 56 mg/dL、クレアチニン 1.3 mg/dL、血糖 84 mg/dL、HbA1c 6.0 %:基準(4.6〜6.2)、総コレステロール 310 mg/dL、トリグリセリド 120 mg/dL。腎生検にて微小変化型ネフローゼ症候群と診断された。 この患者において注意すべき合併症はどれか。
第114回国家試験 B32
70 歳の女性。突然の胸背部痛と呼吸困難のため救急車で搬入された。洗濯物を干していたとき、突然、激烈な胸背部痛を自覚した。発症 10 分後くらいから息苦しさが出現し、喘鳴も生じてきたため救急車を要請した。 意識レベルは JCSⅡ-10。心拍数 110/分、整。血圧は 76/38 mmHg で左右差を認めない。呼吸数 24/分。SpO₂ 94 %(リザーバー付マスク 10 L/分酸素投与下)。冷汗を認め、皮膚は湿潤している。両側胸部に coarse crackles を聴取する。胸骨左縁第3肋間を最強とするⅢ/Ⅵの拡張期雑音を認める。 血液所見:赤血球 350 万、Hb 11.6 g/dL、Ht 39 %、白血球 9,600、血小板 21 万。血液生化学所見:AST 30 U/L、ALT 26 U/L、尿素窒 素 14 mg/dL、クレアチニン 0.6 mg/dL、血糖 99 mg/dL、Na 136 mEq/L、K3.8 mEq/L、Cl 100 mEq/L。心電図では明らかな ST-T 変化は認めない。胸部エックス線写真及び心エコー図を別に示す。 適切な対応はどれか。
第114回国家試験 B33
82 歳の男性。右下肢のしびれと痛みのため救急車で搬入された。本日、夕方にテレビを見ていたときに突然右下肢のしびれと痛みを感じた。しばらく様子をみていたが徐々に痛みが増悪し、3時間経過しても改善しないため救急車を要請した。 意識は清明。体温 36.4 ℃。心拍数 98/分、不整。血圧 160/96 mmHg。呼吸数14/分。SpO₂ 99 %(マスク5L/分酸素投与下)。心音と呼吸音とに異常を認めない。右下腿は蒼白で冷感を認める。右大腿動脈、右膝窩動脈、右足背動脈の触診で動脈拍動を触知しない。下肢に浮腫は認めない。 造影 CT による血栓の局在を確認した後、再灌流療法を行った。 治療後に認められる可能性が低いのはどれか。
第114回国家試験 B34
62 歳の女性。突然の激しい頭痛のため救急車で搬入された。悪心および嘔吐を伴う強い頭痛があり、救急車を要請した。 意識レベルは JCSⅠ-1。体温 36.9 ℃。心拍数 92/分、整。血圧 150/88 mmHg。呼吸数 14/分。SpO₂ (100 %:鼻カニューラ1L/分酸素投与下)。神経診察では片麻痺を認めないが、右の眼瞼下垂を認める。瞳孔径は右6mm、左3mm。対光反射は左で迅速だが右で消失している。 最も考えられるのはどれか。
第114回国家試験 B35
82 歳の男性。胃癌の終末期のため自宅で最期を迎えたいという本人と家族の意向に従って在宅で緩和医療を受けていた。前日の主治医による診察時には傾眠状態であり、かろうじて呼名に反応がみられた。今朝、妻から「息をしていないようだ」と訪問看護ステーションに連絡があり、主治医が看護師とともに自宅を訪問した。 呼吸は停止しており、心拍は確認できない。対光反射はなく瞳孔は散大している。他の身体所見に不審な点は認めない。 対応として適切なのはどれか。
第114回国家試験 B36
13 歳の男子。学校心臓検診で心電図異常を指摘され、父親に連れられて受診した。自覚症状はない。脈拍 76/分、不整。血圧 110/74 mmHg。心エコー検査所見に異常を認めない。心電図を別に示す。この心電図にみられる期外収縮は運動により消失した。Holter 心電図検査において期外収縮の連発を認めなかった。 患児および父親への説明として正しいのはどれか。
第114回国家試験 B37
68 歳の男性。ふらつきを主訴に来院した。10 年前に胃癌で胃全摘術を受けている。3か月前から歩行時のふらつきを自覚し、特に階段を降りるときに足元を確認しないとよろけることがあった。1か月前から両足にじんじんとしびれる感じを自覚するようになったという。今朝、洗顔時にふらついて洗面台に頭をぶつけたため受診した。 眼球運動は正常で眼振は認めない。上肢の腱反射は正常である。膝蓋腱反射は亢進しているが、アキレス腱反射は低下している。立位で体幹の動揺があり閉眼時に増強する。 想定される障害部位はどれか。
第114回国家試験 B38
64 歳の男性。めまい、頭痛および嘔吐後の意識障害のため救急車で救命救急センターに搬入された。突然の回転性めまいと頭痛を訴えた後に嘔吐した。 意識レベルは JCSⅡ-30。心拍数 96/分、整。血圧 198/112 mmHg。呼吸数 18/分。SpO₂ 96%(マスク6L/分酸素投与下)。瞳孔径は両側4mm で対光反射は両側で遅延している。乳酸リンゲル液を輸液中である。頭部CTを別に示す。 この時点で投与すべきなのはどれか。
第114回国家試験 B39
78 歳の女性。Alzheimer 型認知症と骨粗鬆症があり、グループホームに入所中である。月に1回の訪問診療、週に1回の訪問看護を受けている。昨夜から 39.0 ℃の発熱と湿性咳嗽があり呼吸困難を訴えていると、今朝、施設の介護福祉士から病院へ連絡が入った。電話を受けた看護師がバイタルサインを聞いたところ、JCSⅡ-10。体温 39.8 ℃。脈拍 120/分、整。血圧 78/60 mmHg。呼吸数 30/分 であった。 この情報を受け取った担当医が指示する内容として適切なのはどれか。
第114回国家試験 B40
75 歳の男性。S 状結腸癌のため全身麻酔で腹腔鏡下S状結腸切除術を行うため手術台に移動した。身長 164 cm、体重 58 kg。静脈路を確保後、酸素マスクで酸素化し、急速導入で麻酔導入を行い気管挿管した。麻酔回路に接続し、酸素流量 5L/分で呼吸バッグで手動換気した。上腹部聴診では空気の流入音はなく、右肺の呼吸音は聴取できたが、左肺の呼吸音は確認できず、左胸郭の上がりは不良だった。胸部打診では左右差がなかった。気管チューブの目盛りは門歯の位置で 28cm。カプノグラフの波形は出現しており、SpO₂ は 89 % を示していた。 低酸素血症の原因として最も可能性が高いのはどれか。
第114回国家試験 B41
80 歳の女性。失神のため救急車で搬入された。 現病歴 :1か月前から咳が出現し、5 m 歩行しても息切れするようになった。発熱や喀痰、胸痛はなく、体重が1か月で3kg 増加した。本日、自宅の居間で倒れているのを家族が発見し、救急車を要請した。救急隊到着時には意識はすでに回復し清明であった。 既往歴 : 高血圧症および不眠症があり、降圧薬と睡眠薬を内服中である。 アレルギー歴 : 特記すべきことはない。 生活歴 : 喫煙歴と飲酒歴はない。認知機能は正常で介護保険サービスは利用していない。夫とは8年前に死別し、現在は息子夫婦および孫3人と同居している。 家族歴 : 突然死や心疾患はなく、姉は 70 歳時に乳癌で死亡した。 現症 : 意識は清明。身長 154 cm、体重 49 kg。体温 35.9 ℃。心拍数 80/分、 整。血圧 100/78 mmHg。呼吸数 22/分。SpO₂ 98 %(マスク6L/分酸素投与下)。眼 瞼結膜は貧血を認めず、眼球結膜に黄染を認めない。頸部リンパ節腫脹および甲状腺腫大を認めない。心音は胸骨右縁第2肋間を最強点とするⅢ/Ⅵの収縮期駆出性雑音を聴取し、頸部への放散を認める。呼吸音は両側胸部に coarse crackles を聴取する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。両側下腿に軽度の圧痕性浮腫を認める。神経診察で異常を認めない。 検査所見 : 尿所見:蛋白:(-)、糖:(-)、ケトン体:(-)、潜血:(-)。血液所見:赤血球 444 万、Hb 13.5 g/dL、Ht 41 %、白血球 6,900(好中球 65 %、好酸球2%、好塩基球0%、単球4%、リンパ球 29 %)、血小板 22 万。血液生化学所見:総ビリルビン 0.5 mg/dL、AST 21 U/L、ALT 18 U/L、LD 175 U/L(基準 120〜245)、ALP 166 U/L(基準 115〜359)、γ-GTP 35 U/L(基準8〜50)、CK 121 U/L、尿素窒素 20 mg/dL、クレアチニン 0.7 mg/dL、血糖 103 mg/dL、Na 142 mEq/L、K 3.9 mEq/L、Cl 101 mEq/L。脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)2,200 pg/mL(基準 18.4 以下)。心電図及び胸部エックス線写真を別に示す。
この患者で、失神の原因として不整脈を疑う場合に聞くべき質問はどれか。
第114回国家試験 B42
80 歳の女性。失神のため救急車で搬入された。 現病歴 :1か月前から咳が出現し、5 m 歩行しても息切れするようになった。発熱や喀痰、胸痛はなく、体重が1か月で3kg 増加した。本日、自宅の居間で倒れているのを家族が発見し、救急車を要請した。救急隊到着時には意識はすでに回復し清明であった。 既往歴 : 高血圧症および不眠症があり、降圧薬と睡眠薬を内服中である。 アレルギー歴 : 特記すべきことはない。 生活歴 : 喫煙歴と飲酒歴はない。認知機能は正常で介護保険サービスは利用していない。夫とは8年前に死別し、現在は息子夫婦および孫3人と同居している。 家族歴 : 突然死や心疾患はなく、姉は 70 歳時に乳癌で死亡した。 現症 : 意識は清明。身長 154 cm、体重 49 kg。体温 35.9 ℃。心拍数 80/分、 整。血圧 100/78 mmHg。呼吸数 22/分。SpO₂ 98 %(マスク6L/分酸素投与下)。眼 瞼結膜は貧血を認めず、眼球結膜に黄染を認めない。頸部リンパ節腫脹および甲状腺腫大を認めない。心音は胸骨右縁第2肋間を最強点とするⅢ/Ⅵの収縮期駆出性雑音を聴取し、頸部への放散を認める。呼吸音は両側胸部に coarse crackles を聴取する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。両側下腿に軽度の圧痕性浮腫を認める。神経診察で異常を認めない。 検査所見 : 尿所見:蛋白:(-)、糖:(-)、ケトン体:(-)、潜血:(-)。血液所見:赤血球 444 万、Hb 13.5 g/dL、Ht 41 %、白血球 6,900(好中球 65 %、好酸球2%、好塩基球0%、単球4%、リンパ球 29 %)、血小板 22 万。血液生化学所見:総ビリルビン 0.5 mg/dL、AST 21 U/L、ALT 18 U/L、LD 175 U/L(基準 120〜245)、ALP 166 U/L(基準 115〜359)、γ-GTP 35 U/L(基準8〜50)、CK 121 U/L、尿素窒素 20 mg/dL、クレアチニン 0.7 mg/dL、血糖 103 mg/dL、Na 142 mEq/L、K 3.9 mEq/L、Cl 101 mEq/L。脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)2,200 pg/mL(基準 18.4 以下)。心電図及び胸部エックス線写真を別に示す。
この患者でみられる身体所見はどれか。
第114回国家試験 B43
65 歳の男性。意識障害のため救急車で搬入された。 現病歴 : 午前8時に農作業に行くと家族に伝えて外出した。昼食の時間になっても帰宅しないため家族が様子を見に行ったところ、ビニールハウス内で倒れているのを発見し、救急車を要請した。 現症 : 救急車からの予備情報によると、意識レベルは JCSⅢ-200。体温 39.2℃。心拍数 144/分、整。血圧 82/40 mmHg。呼吸数 20/分。SpO₂ 100 %(リザーバー付マスク 10 L/分酸素投与下)。 家族への病歴聴取や身体診察、検査を行った結果、以下の結果が得られた。
直ちに行うべき検査はどれか。
第114回国家試験 B44
65 歳の男性。意識障害のため救急車で搬入された。 現病歴 : 午前8時に農作業に行くと家族に伝えて外出した。昼食の時間になっても帰宅しないため家族が様子を見に行ったところ、ビニールハウス内で倒れているのを発見し、救急車を要請した。 現症 : 救急車からの予備情報によると、意識レベルは JCSⅢ-200。体温 39.2℃。心拍数 144/分、整。血圧 82/40 mmHg。呼吸数 20/分。SpO₂ 100 %(リザーバー付マスク 10 L/分酸素投与下)。 家族への病歴聴取や身体診察、検査を行った結果、以下の結果が得られた。
現病歴 : 作業に出かけるまでは、特に普段と変わりがなかった。朝食も普段通り 摂取していた。家族が様子を見に行った際には、ビニールハウスの中はかなり暑く なっていた。 既往歴 : 50 歳時から2型糖尿病と高血圧症で通院して投薬を受けている。 生活歴 : 喫煙は 20 本/日を 40 年間。飲酒はビール 350 mL/日を 40 年間。 家族歴 : 父が心筋梗塞。 現 症 : 意識レベルは JCSⅢ-200。体温 39.0 ℃。心拍数 138/分、整。血圧 84/46 mmHg。呼吸数 18/分。SpO₂ 99 %(鼻カニューラ3L/分酸素投与下)。瞳孔は両側3mm で対光反射は両側とも迅速。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。口腔内は乾燥している。頸部リンパ節は触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。浮腫を認めない。腱反射に異常を認めない。 検査所見 : 尿所見:蛋白1+、糖(-)、ケトン体(-)。血液所見:赤血球 610 万、Hb 17.2 g/dL、Ht 60 %、白血球 10,800(分葉核好中球 80 %、好酸球1%、好塩基球1%、単球8%、リンパ球 10 %)、血小板 42 万。血液生化学所見:総蛋白 9.0 g/dL、アルブミン 5.2 g/dL、総ビリルビン 0.8 mg/dL、AST 20 U/L、ALT 13 U/L、LD 350 U/L (基準120〜245)、尿素窒素 53 mg/dL、クレアチニン 1.8 mg/dL、血糖 153 mg/dL、Na 166 mEq/L、K 4.8 mEq/L、Cl 120 mEq/L。CRP 0.2 mg/dL。 まず投与すべきなのはどれか。
第114回国家試験 B45
75 歳の女性。発熱を主訴に来院した。 現病歴 : 昨日からわずかな排尿痛を自覚していた。今朝から悪寒戦慄を伴う発熱が出現したため、家族に付き添われて受診した。 既往歴 : 高血圧症のため、自宅近くの診療所で投薬を受けている。胆石症のため、同じ診療所で年回の腹部超音波検査を実施している。 生活歴 : 60 歳まで小学校の教諭をしていた。夫は年前に死去し、現在は長男夫婦および中学生の孫と同居している。 家族歴 : 父が胃癌、母が大腸癌。 現 症 : 意識は清明。身長 152 cm、体重 45 kg。体温 38.3 ℃。脈拍 96/分、整。血圧 114/72 mmHg。呼吸数 20/分。SpO₂ 95 %(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。咽頭に異常を認めない。頸静脈の怒張を認めない。甲状腺腫を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。左肋骨脊柱角に叩打痛を認める。四肢に浮腫を認めない。 検査所見 : 尿所見:黄色で混濁、蛋白(±)、糖:(-)、潜血1+、沈渣に赤血球を認めず、白血球 100 以上/HPF。血液所見:赤血球 382 万、Hb 11.2 g/dL、Ht 33 %、白血球 10,100(桿状核好中球 17 %、分葉核好中球 55 %、好酸球2%、好塩基球 0%、単球 10 %、リンパ球 16 %)、血小板 15 万。血液生化学所見:総蛋白 7.5 g/dL、アルブミン 3.2 g/dL、総ビリルビン 0.7 mg/dL、AST 19 U/L、ALT 9 U/L、LD 220 U/L :基準 (120〜245)、ALP 336 U/L (基準 115〜359)、γ-GT 36 U/L (基準8〜50)、尿素窒素 15 mg/dL、クレアチニン 0.8 mg/dL、血糖 120 mg/dL、Na 137 mEq/L、K 4.4 mEq/L、Cl 100 mEq/L。CRP 14 mg/dL。
この患者の診察にあたり必要な感染予防策はどれか。