令和2年度(第115回)医師国家試験問題|午後-59問〜午後-40問
第115回国家試験 A61
10か月の男児。無熱性けいれんを主訴に、父親に連れられて来院した。添い寝をしていたところ突然2分間の左上下肢の間代けいれんがみられたため来院した。出生時から右顔面にポートワイン様母斑を認めた。追視・固視2か月、定頸4か月、坐位保持7か月で発達の異常は指摘されていなかった。9か月時に 1分間の左上下肢の間代けいれんがみられ、2週後に同様の発作があった。 頭部造影MRIで、右大脳の軟膜血管腫を認めた。 この疾患でみられないのはどれか。
第115回国家試験 A62
①42歳の初産婦(1妊0産)。妊娠36週の妊婦健康診査のため来院した。②不妊のため5年間の治療歴があり、体外受精—胚移植で妊娠に至った。妊娠初期に2 絨毛膜2羊膜性双胎と診断され、以降の妊婦健康診査において異常は認めなかった。③33歳時に卵巣子宮内膜症性嚢胞に対して腹腔鏡下卵巣嚢胞摘出術の既往がある。 身長162cm、体重66kg(非妊時58kg)。体温36.8℃ 。脈拍78/分、整。血圧126/74mmHg。呼吸数18/分。超音波検査所見:④推定胎児体重は先進児2,680g、後続児 2,480g。⑤胎位は先進児が骨盤位、後続児が頭位だった。羊水量に明らかな異常は認めなかった。 下線部のうち経腟分娩の可否を判断する上で最も重要な情報はどれか。
第115回国家試験 A63
48歳の女性。不正性器出血を主訴として来院した。検査の結果、子宮頸癌と診断し、開腹による広汎子宮全摘術を行った。既往歴に特記すべきことはない。身長 164 cm、体重 58 kg。術中出血量は 620 mL。腟断端は縫合閉鎖し、骨盤底にドレーンを留置して閉腹した。 ドレーン留置により早期発見できるのはどれか。
第115回国家試験 A64
17歳の男子。肝動脈バイパス術後の定期診察で来院した。3歳時に川崎病と診断され入院加療となった。冠動脈瘤が認められたため、退院後、冠動脈病変についてもフォローアップが行われた。8歳時に施行された冠動脈造影では、左右冠動脈に病変が認められた。その際の左冠動脈の造影像を別に示す。その後、左右の冠動脈に1本ずつバイパス血管吻合術が行われた。 今回、バイパス血管の開存の確認のため心電図同期の胸部造影CTを行った。 正しいのはどれか。
第115回国家試験 A65
47歳の女性。食欲不振を主訴に来院した。2か月前から立欲が低下し、体重が3kg減少したため受診した。 意識は清明。身長 156cm、体重 46 kg。体温 36.0 ℃。脈拍 80/分。整。血圧 128/72 mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頚部リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。 血液所見:赤血球366万、Hb11.9 g/dL、Ht35 %、白血球 3.600、血小板 13万。血液生化学所見:総蛋白 6.9 g/dL、アルブミン 3.7 g/d.L、総ビリルビン1.0 mg/d.L、AST 22 U/L、ALT 14 U/L、LD 180 U/L(基準 120~245)、ALP 204 U/L(基準 115~359)、γ-GT 35 U/L(基準 8~50)、尿素窒素 10 mg/dL、クレアチニン 0.6 mg/dL、血糖 88 mg/dL、Na 140 mEq/L、K 4.0 mEq/L、Cl 106 mEq/L。便中Helicobacter Pylori抗原陽性。胸腹部CTで胃壁の肥厚を認める以外異常を認めない。上部消化管内視鋭像及び生検組織のH-E染色標本とを別に示す。 まず行うべき対応として適切なのはどれか。
第115回国家試験 A66
64歳の男性。立ちくらみを主訴に来院した。糖尿病に対 し15年前からインスリ ン治療を受けていたがHbA1cは 8~9%程度(基準 4.6~6.2)を推移していた。この1~2か月起立時に立ちくらみを自覚するようになったため受診した。5年前に糖尿病網膜症に対し汎網膜光凝固治療を受けている。 意識は清明。身長 168 cm、体重 59 kg。脈拍 82/分、整。血圧 138/74 mmHg。尿所見:蛋白2+、糖3+、ケトン体(-)。 この患者で認める可能性の高い身体所見はどれか。2つ選べ。
第115回国家試験 A67
2歳の男児。左眼の瞳孔内が白いことに母親が気付いて来院した。発育に問題なく、普段の生活で見え方に不自由なさそうである。 考えられる疾患はどれか。2つ選べ。
第115回国家試験 A68
55歳の女性。健康診断で胸部異常陰影を指摘され精査目的で来院した。2か月ほど前から物が二重に見えることを自覚していた。眼瞼下垂を認める。血中抗アセチルコリン受容体抗体が陽性であった。胸部造影CTを別に示す。 この患者で検索すべき合併症はどれか。2つ選べ。
第115回国家試験 A69
32歳の男性。会社からの帰宅後、全身倦怠感があった。38℃の発熱を認めたため少し早めに就寝した。深夜、妻が横で寝ていると、突然うめき声をあげてその後動かなくなった。呼びかけても反応せず、妻が救急車を呼びながら胸骨圧迫を施行した。救急隊到着時の心電図モニターの波形を別に示す。AEDによる除細動で洞調律に戻った後、救急外来に搬送された。救急外来での12誘導心電図を別に示す。 この疾患について正しいのはどれか。2つ選べ。
第115回国家試験 A70
68歳の男性。左眼の視力低下を主訴に来院した。視力は右矯正 0.8、左矯正 0.1 で、眼圧は右 15 mmHg、左 35 mmHg。左眼の写真を別に示す。 考えられる疾患はどれか。2つ選べ。
第115回国家試験 A71
67歳の男性。血痰を主訴に来院した。2か月前から血痰、1か月前から嗄声を自覚するようになった。喫煙歴は20本/日を45年間で、2年前から禁煙している。 身長 164 cm、体重 52 kg。血圧 112/84 mmHg。呼吸数 20/分。 血液所見:赤血球 420万、Hb 14.8 g/dL、Ht 40%、白血球 6,800、血小板 26万。喀痰細胞診のPapanicolaou染色標本に示すような細胞を認めた。 考えられる疾患はどれか。2つ選べ。
第115回国家試験 A72
28歳の女性。左ふくらはぎの腫脹と疼痛を主訴に来院した。3日前から症状があったが痛みが増強してきたことに加え、労作時息切れも出現したため受診した。自然流産を3回繰り返している。家族歴に特記すべきことはない。脈拍 86/分、整。血圧 120/78 mmHg。呼吸数 30/分。SpO₂ 91 % (room air)。 心音はⅠ音が亢進している。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。左下肢は腫脹と発赤がみられ、足関節の背屈によりふくらはぎに強い痛みが生じる。血液所見:赤血球428万、Hb 13.8 g/dL、Ht 39%、白血球 4,300、血小板 8.0万、PT-INR 0.9(基準 0.9~1.1)、APTT 58.2 秒(基準対照 32.2)、Dダイマー 8.4 μg/mL(基準 1.0以下)。血液生化学所見:尿素窒素 14mg/dL、クレアチニン 0.6 mg/dL、尿酸 3.6 mg/dL。 行うべき検査はどれか。2つ選べ。
第115回国家試験 A73
68歳の女性。救急外来での血液検査で高カルシウム血症を指摘されたことを主訴に来院した。3日前に背部痛で救急外来を受診し、尿路結石症と診断された。高血圧症で通院中であり、尿路結石発作を過去に3回経験している。 意識は清明。体温 36.2 ℃。脈拍 82/分、整。血圧 156/90 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。右背部に叩打痛を認める。神経診察に異常を認めない。 血液生化学所見:アルブミン 3.7 g/dL、Ca 11.2 mg/dL、P 2.4 mg/dL、副甲状腺ホルモン〈PTH〉 170 pg/mL( 基準 10~60)。腹部CTを別に示す。 この患者の検査値として適切なのはどれか。2つ選べ。
第115回国家試験 A74
85歳の女性。3週前から全身倦怠感の訴えがあった。トイレの中で倒れて肩で息をしているところを家族に発見され救急搬送された。 意識は混濁。体温 35.1 ℃。心拍数 44/分。血圧 80/40 mmHg。呼吸数 12/分。SpO₂ 78%(マスク 5L/分酸素投与下)。顔面は浮腫状で眉毛は薄く、皮膚は乾燥している。前頸部の腫大と下腿浮腫を認めた。胸部エックス線写真を別に示す。 血液検査では、TSH 160.5 μU/mL(基準 0.2~4.0)、FT₄ 0.04 ng/dL(基準 0.8~2.2)。 この患者で高値を認めるのはどれか。2つ選べ。
第115回国家試験 A75
68歳の女性。意識低下のため救急車で搬入された。5日前から感冒症状が出現し、食欲不振と倦怠感のため定期内服薬が服用できていなかった。3日前から38℃台の発熱があり、自宅でうずくまっているところを家人が発見し救急車を要請した。既往歴として、2年前に非機能性下垂体腫瘍を経蝶形骨洞手術にて摘出されたが、残存腫瘍を指摘されていた。以後ヒドロコルゾンとレボチロキシンを継続服用中であった。 搬入時の意識レベルはJCSⅠ-20。体温 38.4 ℃。血圧 80/46 mmHg。心拍数 122/分、整。呼吸数 24/分。SpO₂ 94% (room air)。 血液生化学所見:血糖 65 mg/dL、Na 121 mEq/L、K 5.5 mEq/L。 まず行うべき対応はどれか。3つ選べ。
第115回国家試験 B1
リスクファクターと疾患の組合せで正しいのはどれか。
第115回国家試験 B2
医療面接において解釈モデルを尋ねる目的として正しいのはどれか。
第115回国家試験 B3
医師法に規定されないのはどれか。
第115回国家試験 B4
関節リウマチの関節外症状としてみられないのはどれか。
第115回国家試験 B5
セカンドオピニオンについて正しいのはどれか。