令和2年度(第115回)医師国家試験問題|午後1問〜午後20問
第115回国家試験 B46
43歳の男性。熱傷のため救急車で搬入された。 現病歴: 揚げ物の調理中に着衣に着火し、職場の同僚が救急要請した。 既往歴: 高血圧症と脂質異常症について食事療法中。 生活歴: 飲食店の調理場で働いている。喫煙は10本/日を10年間、飲酒はビールを350mL/日。妻と2人暮らし。 家族歴: 両親が高血圧症。 現症: 意識レベルはJCSⅡ-10。身長 170 cm、体重 70 kg。体温 37.1 ℃。心拍数 90/分、整。血圧 90/60 mmHg。呼吸数 36/分。SpO₂ 93% (リザーバー付マスク 10L/分酸素投与下) 。頭髪の前面と眉毛が焦げている。顔面、両上肢および胸腹部に、38%TBSA〈totalbody surface area〉のⅡ~Ⅲ度熱傷を認める。口腔と咽頭の粘膜には煤が付着していた。嗄声が認められる。 検査所見: 血液所見:赤血球 550万、Hb 17.0 g/dL、Ht 49%、白血球 7,200、血小板 30万。血液生化学所見:総蛋白 6.1g/dL、AST 45U/L、ALT 17 U/L、LD 499 U/L (基準 120~245)、尿素窒素 22 mg/dL、クレアチニン 0.5 mg/dL、Na 132 mEq/L、K 4.4 mEq/L、CI 99 mEq/L。
気道熱傷と診断し、気管挿管を行った。換気を行った際、気管内に正しく挿管が行われていないと判断されるものはどれか。
第115回国家試験 B47
37歳の女性。全身倦怠感と頭痛を主訴に来院した。 現病歴: 半年前から倦怠感を自覚していた。3か月前から頭痛も出現するようになった。1か月前からは起きた時にも強い全身倦怠感があるため、仕事を休むようになった。頭痛の程度は軽いが、2か月前に脇から出てくる自転車に気付かずに接触し、転倒したことがあった。
さらに情報を集めるとき、システムレビューに相当する質問はどれか。
第115回国家試験 B48
37歳の女性。全身倦怠感と頭痛を主訴に来院した。 現病歴: 半年前から倦怠感を自覚していた。3か月前から頭痛も出現するようになった。1か月前からは起きた時にも強い全身倦怠感があるため、仕事を休むようになった。頭痛の程度は軽いが、2か月前に脇から出てくる自転車に気付かずに接触し、転倒したことがあった。
さらに医療面接と診察を進めた。 現病歴: 頭痛は眼の奥が重く痛むようなものである。3か月前から無月経になっている。食欲も落ちており、体重は半年で3kg低下している。癌なのではないかと心配している。睡眠障害はない。3か月前から便秘が悪化している。 既往歴: 特記すべきことはない。 生活歴: 会社員。夫と子どもと3人暮らし。喫煙歴と飲酒歴はない。 家族歴: 特記すべきことはない。 現症: 意識は清明。身長 153 cm、体重 48.2 kg。脈拍 72/分、整。血圧 98/56 mmHg。呼吸数 16/分。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。甲状腺腫を認めない。胸部では乳頭の圧迫で白色乳汁分泌を認める。腹部に異常を認めない。両耳側半盲を認める。 検査所見: 血液所見:赤血球 357万、Hb 11.1 g/dL、Ht 34%、白血球 4,200、血小板 18万。血液生化学所見: AST 21 U/L、ALT 14 U/L、LD 146 U/L(基準 120~245)、尿素窒素 15 mg/dL、クレアチニン 0.7 mg/dL、血糖 78 mg/dL、Na 171 mEq/L、K 4.4 mEq/L、Cl 97 mEq/L。内分泌検査所見: ACTH 9 pg/mg(基準 60以下)、コルチゾール 1.9 μg/dL(基準 5.2~12.6)、TSH 0.76 μU/mL(基準 0.500~5.00)、FT₃ 2.27 pg/mL (基準 2.30~4.30)、FT₄ 0.51 ng/dL (基準 0.90~1.70)、LH 0.3 mIU/mL (基準1.8~7.6)、FSH 4.4 mIU/mL (基準 5.2~14.4)、エストラジオール <10 pg/mL (基準 11~230)、プロゲステロン 0.2 ng/mL (基準 0.5以下)、プロラクチン 198 ng/mL (基準 0.5以下)。頭部造影MRIで下垂体腺腫を認める。 治療で誤っているのはどれか。
第115回国家試験 B49
52歳の男性。腹部膨満感を主訴に来院した。 現病歴: 3週前から腹部膨満感を自覚するようになった。食欲はあるがすぐに満腹を感じ、食事摂取量が減っている。腹痛や悪心はない。便通は毎日あり、便の性状は以前と変わっていない。1か月で体重が1kg減少した。 既往歴: 特記すべきことはない。 生活歴: 会社員で事務職。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。 家族歴: 父が高血圧症。母が糖尿病。 現症: 意識は清明。身長 174 cm、体重 67 kg。体温 36.3 ℃。脈拍 76/分、整。血圧 124/78 mmHg。呼吸数 18/分。SpO₂ 98% (room air)。眼瞼結膜と眼球結膜に異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部はやや膨隆し、右肋骨弓下に肝を1cm、左肋骨弓下に脾を2cm蝕知する。膝左側に径8cmの弾性硬の無痛性腫瘤を触知し、可動性や呼吸性移動や拍動を認めない。両側頸部と鼠径部に径2~3cmのリンパ節を複数触知する。いずれも弾性硬で可動性があり、圧痛はない。下腿に浮腫を認めない。 検査所見: 尿所見:蛋白(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球 452万、Hb 14.5 g/dL、Ht 41%、白血球 7,200(好中球 68%、好酸球 2%、好塩基球0%、単球 4%、リンパ球 26%)、血小板 37万。血液生化学所見:総蛋白 6.5 g/dL、アルブミン 4.0 g/dL、総ビリルビン 0.3 mg/dL、AST 18 U/L、ALT 16 U/L、LD 765 U/L (基準 120~245)、ALP 221 U/L (基準 115~359)、γ-GT 28 U/L (基準 8~50)、尿素窒素 32 mg/dL、クレアチニン 0.6 mg/dL、血糖 98 mg/dL、CEA 3 ng/mL (基準 5以下)、CA19-9 12 U/mL (基準 37以下)。免疫血清学所見:CRP 0.1 mg/dL、可溶性IL-2受容体 5,920 U/mL(基準 157~474)。
この患者でみられる身体所見は何か。
第115回国家試験 B50
52歳の男性。腹部膨満感を主訴に来院した。 現病歴: 3週前から腹部膨満感を自覚するようになった。食欲はあるがすぐに満腹を感じ、食事摂取量が減っている。腹痛や悪心はない。便通は毎日あり、便の性状は以前と変わっていない。1か月で体重が1kg減少した。 既往歴: 特記すべきことはない。 生活歴: 会社員で事務職。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。 家族歴: 父が高血圧症。母が糖尿病。 現症: 意識は清明。身長 174 cm、体重 67 kg。体温 36.3 ℃。脈拍 76/分、整。血圧 124/78 mmHg。呼吸数 18/分。SpO₂ 98% (room air)。眼瞼結膜と眼球結膜に異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部はやや膨隆し、右肋骨弓下に肝を1cm、左肋骨弓下に脾を2cm蝕知する。膝左側に径8cmの弾性硬の無痛性腫瘤を触知し、可動性や呼吸性移動や拍動を認めない。両側頸部と鼠径部に径2~3cmのリンパ節を複数触知する。いずれも弾性硬で可動性があり、圧痛はない。下腿に浮腫を認めない。 検査所見: 尿所見:蛋白(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球 452万、Hb 14.5 g/dL、Ht 41%、白血球 7,200(好中球 68%、好酸球 2%、好塩基球0%、単球 4%、リンパ球 26%)、血小板 37万。血液生化学所見:総蛋白 6.5 g/dL、アルブミン 4.0 g/dL、総ビリルビン 0.3 mg/dL、AST 18 U/L、ALT 16 U/L、LD 765 U/L (基準 120~245)、ALP 221 U/L (基準 115~359)、γ-GT 28 U/L (基準 8~50)、尿素窒素 32 mg/dL、クレアチニン 0.6 mg/dL、血糖 98 mg/dL、CEA 3 ng/mL (基準 5以下)、CA19-9 12 U/mL (基準 37以下)。免疫血清学所見:CRP 0.1 mg/dL、可溶性IL-2受容体 5,920 U/mL(基準 157~474)。
胸腹部CTで後腹膜、縦隔などにも腫瘤を認めた。 今後の治療方針を決めるために最も重要な検査はどれか。
第115回国家試験 C1
二次医療圏について正しいのはどれか。
第115回国家試験 C2
許容濃度で正しいのはどれか。
第115回国家試験 C3
学校保健安全法における風疹の出席停止期間の基準について正しいのはどれか。
第115回国家試験 C4
酸素投与器具と流量の組合せで適切なのはどれか。
第115回国家試験 C5
癌患者が「死にたい」と訴えた時、最初の対応として正しいのはどれか。
第115回国家試験 C6
医療費が全額公費負担となるのはどれか。
第115回国家試験 C7
訪問看護について正しいのはどれか。
第115回国家試験 C8
国際生活機能分類〈ICF〉について誤っているのはどれか。
第115回国家試験 C9
平成28年度国民生活基礎調査において、介護が必要となった原因を集計した結果を別に示す。 Aに該当する原因はどれか。
第115回国家試験 C10
1958-2018年の子宮頚癌、胃癌、大腸癌、肺癌、乳癌の女性の年齢階層別死亡率の推移を別に示す。ただし、死亡率は相対的な値として示してある。 子宮頸癌はどれか。
第115回国家試験 C11
母体保護法指定医の資格が必要な医療行為はどれか。
第115回国家試験 C12
肝臓の代謝で正しいのはどれか。
第115回国家試験 C13
Choose the disease that is under sentinel surveillance in Japan, and does not require reports from all medical institutions.
第115回国家試験 C14
1995~2018年の日本の性別の一人当たり食塩消費量を別に示す。Xに相当する数値はどれか。
第115回国家試験 C15
感染症について正しいのはどれか。