平成27年度(第110回)医師国家試験問題|午後1問〜午後20問
第110回国家試験 B61
46 歳の男性。意識障害のため救急車で搬入された。現病歴 : 部屋で倒れているのを母親が発見し、救急車を要請した。既往歴 : 20 歳ころ、うつ病の治療歴あり。生活歴 : 無職。喫煙歴および飲酒歴は長いようだが詳細は不明。家族歴 : 独身。母親は健康で農業を営んでいる。父親は高校生の時に死亡したが詳細は不明。現症 : 体温 36.8 ℃。脈拍 108/分、整。血圧 140/90 mmHg。呼吸数 8/分。SpO2 88 %(リザーバー付マスク 10 L/分 酸素投与下)。閉眼しており痛み刺激で開眼しない。発語はない。痛み刺激を何回か繰り返すとわずかに四肢を動かす。瞳孔は両側とも径1mm に縮瞳し、対光反射は確認できない。呼気に有機溶媒臭があり、鼻汁、流涎および発汗がみられる。両側の胸部全体に wheezes を聴取する。心雑音を聴取しない。筋線維束攣縮を認める。腱反射の異常を認めない。
この患者に投与すべき薬剤はどれか。
第110回国家試験 B62
吸入酸素濃度50%で人工呼吸中の患者。動脈血ガス分析:pH 7.40、PaCO2 40Torr、PaO2 80Torr、HCO3- 24mEq/L。 この患者のP/F(PaO2/FIO2)比を求めよ。 ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。 解答:3ケタの整数
第110回国家試験 C1
検査前確率について正しいのはどれか。
第110回国家試験 C2
高度の呼吸困難を急速にきたした患者に、救命のため迅速に外科的気道確保を行うこととなった。前頸部の模式図を別に示す。 気道に入る最も適切な部位はどれか。
第110回国家試験 C3
がん検診に用いられる検査と対象疾患の組合せで正しいのはどれか。
第110回国家試験 C4
病院の臨床機能評価指標(クリニカルインディケーター)に含まれないのはどれか。
第110回国家試験 C5
SPIKESモデルに基づく悪い知らせの伝え方について正しいのはどれか。
第110回国家試験 C6
診療ガイドラインについて正しいのはどれか。
第110回国家試験 C7
排尿障害の診断で、まず行うのはどれか。
第110回国家試験 C8
貧血の症候として誤っているのはどれか。
第110回国家試験 C9
急性期病院から機能回復を目的とする病院への転院について患者および家族と相談することになった。 同席を依頼すべき院内の職種はどれか。
第110回国家試験 C10
乳癌を心配して来院した患者の診察で正しいのはどれか。
第110回国家試験 C11
院内感染対策チーム(ICT)で正しいのはどれか。
第110回国家試験 C12
診療に関する諸記録について誤っているのはどれか。
第110回国家試験 C13
健康日本21(第二次)で摂取量の目標値が設定されているのはどれか。
第110回国家試験 C14
直腸指診について正しいのはどれか。
第110回国家試験 C15
公的医療保険の給付対象となるのはどれか。
第110回国家試験 C16
52歳の男性。墜落外傷で尿道からの出血が止まらないため救急車で搬入された。自宅の庭木の手入れ中に誤ってはしごから墜落した。殿部の痛みのため歩けず、尿道からの出血が止まらないため救急車を要請した。意識は清明。体温36.0℃。脈拍110/分、整。血圧90/58mmHg。呼吸数20/分、整。SpO2 100%(リザーバー付マスク10L/分酸素投与下)。頭頸部と胸腹部とに変形、外傷、皮下血腫および圧痛を認めない。四肢に擦過創を認める。殿部の腫脹と疼痛とを認める。外尿道口から持続的な出血を認める。ポータブルエックス線写真で骨盤骨折を認める。呼吸と循環の補助を開始するとともに、尿量測定のため尿道カテーテル留置を検討することとなった。挿入する前に行うべきなのはどれか。
第110回国家試験 C17
35歳の男性。日中の眠気とだるさとを主訴に来院した。1年前から仕事が忙しくなり、午後11時近くまで仕事をするようになった。睡眠による休息感が得られない状態が続き、2か月前から起床時に口渇や頭痛を感じることが多く、日中の眠気とだるさを感じるようになった。仕事が忙しくなってから、帰宅後に夜食を食べることが多くなり、体重は6か月で8kg増加した。午前1時までには就床し、午前8時に起床する。家族からは大きないびきと無呼吸とを指摘されている。身長170cm、体重82kg。脈拍72/分、整。血圧146/86mmHg。患者への説明として適切なのはどれか。
第110回国家試験 C18
21歳の男性。左眼瞼の腫れと痛みとを主訴に救急外来を受診した。野球の試合中、打球が左眼部に直撃したという。左の眼瞼の腫脹と皮下出血とを認める。眼球結膜下に出血を認める。眼窩部CTで左眼窩底骨折と同部への眼窩脂肪組織の嵌頓とを認めるが眼球像には異常を認めない。この患者にみられる視機能異常はどれか。