平成30年度(第113回)医師国家試験問題|午後61問〜午後80問

第113回国家試験 C57

58歳の男性。息苦しさと左胸部痛を主訴に救急車で搬入された。 現病歴:30分前に職場でデスクワーク中、突然の息苦しさと左胸部全体の痛みが出現した。症状が強く、職場の同僚が救急車を要請した。 既往歴:特記すべきことはない。 生活歴:喫煙歴はない。飲酒はビール 350 mL/日。 家族歴:父親が胃癌で死亡。 現症:意識は清明。身長 160 cm、体重 86 kg。体温 36.2 ℃。脈拍 108/分、整。血圧 128/70 mmHg。呼吸数 30/分。SpO2 93 %(リザーバー付マスク 10 L/分酸素投与下)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。Ⅱ音の亢進を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。神経診察に異常を認めない。ポータブルの胸部エックス線写真で異常を認めない。

心電図を別に示す。この心電図所見で正しいのはどれか。

第113回国家試験 C58

58歳の男性。息苦しさと左胸部痛を主訴に救急車で搬入された。 現病歴:30分前に職場でデスクワーク中、突然の息苦しさと左胸部全体の痛みが出現した。症状が強く、職場の同僚が救急車を要請した。 既往歴:特記すべきことはない。 生活歴:喫煙歴はない。飲酒はビール 350 mL/日。 家族歴:父親が胃癌で死亡。 現症:意識は清明。身長 160 cm、体重 86 kg。体温 36.2 ℃。脈拍 108/分、整。血圧 128/70 mmHg。呼吸数 30/分。SpO2 93 %(リザーバー付マスク 10 L/分酸素投与下)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。Ⅱ音の亢進を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。神経診察に異常を認めない。ポータブルの胸部エックス線写真で異常を認めない。

検査所見:血液所見:赤血球 450 万、Hb 13.3 g/dL、Ht 40 %、白血球 6,200、血小板 18 万。血液生化学所見:AST 32 U/L、ALT 45 U/L、LD 260 U/L (基準 176〜353)、CK 98 U/L (基準 30〜140)、尿素窒素 11 mg/dL、クレアチニン 0.6mg/dL、血糖 102 mg/dL。心エコー検査で右心系の拡大および左室の圧排像を認める。 診断確定のために行うべき検査はどれか。

第113回国家試験 C59

58歳の男性。息苦しさと左胸部痛を主訴に救急車で搬入された。 現病歴:30分前に職場でデスクワーク中、突然の息苦しさと左胸部全体の痛みが出現した。症状が強く、職場の同僚が救急車を要請した。 既往歴:特記すべきことはない。 生活歴:喫煙歴はない。飲酒はビール 350 mL/日。 家族歴:父親が胃癌で死亡。 現症:意識は清明。身長 160 cm、体重 86 kg。体温 36.2 ℃。脈拍 108/分、整。血圧 128/70 mmHg。呼吸数 30/分。SpO2 93 %(リザーバー付マスク 10 L/分酸素投与下)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。Ⅱ音の亢進を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。神経診察に異常を認めない。ポータブルの胸部エックス線写真で異常を認めない。

検査の準備中、突然息苦しさが悪化し、その後意識レベルは JCSⅡ-10 まで低下した。心拍数 128/分、整。血圧 70/40 mmHg。SpO2 は測定不能。頸静脈の怒張を認める。 考えられる病態はどれか。

第113回国家試験 C60

52歳の男性。歩行時の胸痛を主訴に来院した。 現病歴:1週間前から階段を昇ったときに前胸部痛を感じていた。前胸部痛は下顎にも放散し、安静にすると1分程度で消失していた。4日前から平地歩行でも胸痛が出現。今朝からは安静時にも 2〜3 分続く症状が出現するようになったため、家族に付き添われて来院した。 既往歴:3年前から高血圧症で、カルシウム拮抗薬とアンジオテンシン変換酵素<ACE>阻害薬を内服中。 生活歴 : 喫煙は 15 本/日を 30 年間。飲酒は機会飲酒。 家族歴:父親が脂質異常症。現症:身長 168 cm、体重 88 kg。脈拍 72/分、整。血圧 136/78 mmHg。呼吸数 28/分。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。 検査所見:血液所見:赤血球 450 万、Hb 14.5 g/dL、Ht 42 %、白血球 6,800、血小板 25 万。血液生化学所見:総蛋白 7.5 g/dL、アルブミン 4.0 g/dL、AST 25 U/L、ALT 20 U/L、尿素窒素 15 mg/dL、クレアチニン 1.0 mg/dL、総コレステロール 280 mg/dL、トリグリセリド 150 mg/dL、HDL コレステロール 54 mg/dL、CK 128 U/L (基準 30〜140)、尿酸 6.6 mg/dL。心電図で洞調律、心拍数 84/分、整。V1、V2、V3、V4に軽度のST低下を認める。

Brinkman 指数はどれか。

第113回国家試験 C61

52歳の男性。歩行時の胸痛を主訴に来院した。 現病歴:1週間前から階段を昇ったときに前胸部痛を感じていた。前胸部痛は下顎にも放散し、安静にすると1分程度で消失していた。4日前から平地歩行でも胸痛が出現。今朝からは安静時にも 2〜3 分続く症状が出現するようになったため、家族に付き添われて来院した。 既往歴:3年前から高血圧症で、カルシウム拮抗薬とアンジオテンシン変換酵素<ACE>阻害薬を内服中。 生活歴 : 喫煙は 15 本/日を 30 年間。飲酒は機会飲酒。 家族歴:父親が脂質異常症。現症:身長 168 cm、体重 88 kg。脈拍 72/分、整。血圧 136/78 mmHg。呼吸数 28/分。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。 検査所見:血液所見:赤血球 450 万、Hb 14.5 g/dL、Ht 42 %、白血球 6,800、血小板 25 万。血液生化学所見:総蛋白 7.5 g/dL、アルブミン 4.0 g/dL、AST 25 U/L、ALT 20 U/L、尿素窒素 15 mg/dL、クレアチニン 1.0 mg/dL、総コレステロール 280 mg/dL、トリグリセリド 150 mg/dL、HDL コレステロール 54 mg/dL、CK 128 U/L (基準 30〜140)、尿酸 6.6 mg/dL。心電図で洞調律、心拍数 84/分、整。V1、V2、V3、V4に軽度のST低下を認める。

冠動脈造影検査が施行された。冠動脈造影像別に示す。矢印で示す血管はどれか。

第113回国家試験 C62

52歳の男性。歩行時の胸痛を主訴に来院した。 現病歴:1週間前から階段を昇ったときに前胸部痛を感じていた。前胸部痛は下顎にも放散し、安静にすると1分程度で消失していた。4日前から平地歩行でも胸痛が出現。今朝からは安静時にも 2〜3 分続く症状が出現するようになったため、家族に付き添われて来院した。 既往歴:3年前から高血圧症で、カルシウム拮抗薬とアンジオテンシン変換酵素<ACE>阻害薬を内服中。 生活歴 : 喫煙は 15 本/日を 30 年間。飲酒は機会飲酒。 家族歴:父親が脂質異常症。現症:身長 168 cm、体重 88 kg。脈拍 72/分、整。血圧 136/78 mmHg。呼吸数 28/分。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。 検査所見:血液所見:赤血球 450 万、Hb 14.5 g/dL、Ht 42 %、白血球 6,800、血小板 25 万。血液生化学所見:総蛋白 7.5 g/dL、アルブミン 4.0 g/dL、AST 25 U/L、ALT 20 U/L、尿素窒素 15 mg/dL、クレアチニン 1.0 mg/dL、総コレステロール 280 mg/dL、トリグリセリド 150 mg/dL、HDL コレステロール 54 mg/dL、CK 128 U/L (基準 30〜140)、尿酸 6.6 mg/dL。心電図で洞調律、心拍数 84/分、整。V1、V2、V3、V4に軽度のST低下を認める。

冠動脈ステント留置術が行われた。これまでの内服に加えて、追加投与が必要な薬剤はどれか。2つ選べ。

第113回国家試験 C63

62歳の男性。血便を主訴に来院した。 現病歴:本日夕食後に多量の暗赤色の便が出現し、ふらつきを自覚したため救急外来を受診した。特に腹痛や下痢を自覚していない。 既往歴:30 年前から高血圧症と糖尿病で内服治療中。10 年前から心房細動に対してワルファリンを処方されている。最近、処方薬の増量や変更はない。 生活歴:妻と 2人暮らし。喫煙は 50 歳まで 20 本/日を 20 年間。飲酒はビール350 mL/日。 家族歴:父親が脳梗塞。母親が大腸癌。 現症:意識は清明。身長 169 cm、体重 70 kg。体温 36.7 ℃。脈拍 88/分、不整。血圧 114/78 mmHg。呼吸数 18/分。SpO2 96 % (room air)。眼瞼結膜は貧血様だが、眼球結膜に黄染を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腸雑音はやや亢進している。直腸指診で暗赤色の便の付着を認める。四肢に軽度の冷汗を認める。 検査所見:血液所見:赤血球 299 万、Hb 9.7 g/dL、Ht 32 %、白血球 12,000、血小板 21 万。血液生化学所見:総蛋白 6.5 g/dL、アルブミン 3.6 g/dL、総ビリルビン 0.9 mg/dL、AST 28 U/L、ALT 22 U/L、LD 277 U/L (基準 176〜353)、γ-GTP 41 U/L (基準 8〜50)、アミラーゼ 80 U/L (基準 37〜160)、尿素窒素 18 mg/dL、クレアチニン 1.1 mg/dL、尿酸 6.7 mg/dL、血糖 128 mg/dL、Na 140 mEq/L、K 4.5 mEq/L、Cl 100 mEq/L。CRP 1.9 mg/dL。腹部単純 CT及び腹部造影 CTを別に示す。

まず測定すべきなのはどれか。

第113回国家試験 C64

62歳の男性。血便を主訴に来院した。 現病歴:本日夕食後に多量の暗赤色の便が出現し、ふらつきを自覚したため救急外来を受診した。特に腹痛や下痢を自覚していない。 既往歴:30 年前から高血圧症と糖尿病で内服治療中。10 年前から心房細動に対してワルファリンを処方されている。最近、処方薬の増量や変更はない。 生活歴:妻と 2人暮らし。喫煙は 50 歳まで 20 本/日を 20 年間。飲酒はビール350 mL/日。 家族歴:父親が脳梗塞。母親が大腸癌。 現症:意識は清明。身長 169 cm、体重 70 kg。体温 36.7 ℃。脈拍 88/分、不整。血圧 114/78 mmHg。呼吸数 18/分。SpO2 96 % (room air)。眼瞼結膜は貧血様だが、眼球結膜に黄染を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腸雑音はやや亢進している。直腸指診で暗赤色の便の付着を認める。四肢に軽度の冷汗を認める。 検査所見:血液所見:赤血球 299 万、Hb 9.7 g/dL、Ht 32 %、白血球 12,000、血小板 21 万。血液生化学所見:総蛋白 6.5 g/dL、アルブミン 3.6 g/dL、総ビリルビン 0.9 mg/dL、AST 28 U/L、ALT 22 U/L、LD 277 U/L (基準 176〜353)、γ-GTP 41 U/L (基準 8〜50)、アミラーゼ 80 U/L (基準 37〜160)、尿素窒素 18 mg/dL、クレアチニン 1.1 mg/dL、尿酸 6.7 mg/dL、血糖 128 mg/dL、Na 140 mEq/L、K 4.5 mEq/L、Cl 100 mEq/L。CRP 1.9 mg/dL。腹部単純 CT及び腹部造影 CTを別に示す。

最も考えられるのはどれか。

第113回国家試験 C65

62歳の男性。血便を主訴に来院した。 現病歴:本日夕食後に多量の暗赤色の便が出現し、ふらつきを自覚したため救急外来を受診した。特に腹痛や下痢を自覚していない。 既往歴:30 年前から高血圧症と糖尿病で内服治療中。10 年前から心房細動に対してワルファリンを処方されている。最近、処方薬の増量や変更はない。 生活歴:妻と 2人暮らし。喫煙は 50 歳まで 20 本/日を 20 年間。飲酒はビール350 mL/日。 家族歴:父親が脳梗塞。母親が大腸癌。 現症:意識は清明。身長 169 cm、体重 70 kg。体温 36.7 ℃。脈拍 88/分、不整。血圧 114/78 mmHg。呼吸数 18/分。SpO2 96 % (room air)。眼瞼結膜は貧血様だが、眼球結膜に黄染を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腸雑音はやや亢進している。直腸指診で暗赤色の便の付着を認める。四肢に軽度の冷汗を認める。 検査所見:血液所見:赤血球 299 万、Hb 9.7 g/dL、Ht 32 %、白血球 12,000、血小板 21 万。血液生化学所見:総蛋白 6.5 g/dL、アルブミン 3.6 g/dL、総ビリルビン 0.9 mg/dL、AST 28 U/L、ALT 22 U/L、LD 277 U/L (基準 176〜353)、γ-GTP 41 U/L (基準 8〜50)、アミラーゼ 80 U/L (基準 37〜160)、尿素窒素 18 mg/dL、クレアチニン 1.1 mg/dL、尿酸 6.7 mg/dL、血糖 128 mg/dL、Na 140 mEq/L、K 4.5 mEq/L、Cl 100 mEq/L。CRP 1.9 mg/dL。腹部単純 CT及び腹部造影 CTを別に示す。

その後の経過:入院後、翌朝までに赤血球液-LR 6単位の輸血を行ったが、Hb値は 8.2 g/dL で血便が持続している。下部消化管内視鏡検査を行ったが多量の凝血塊のため止血術を実施できなかった。 この時点で考慮すべきなのはどれか。2つ選べ。

第113回国家試験 C66

卵膜の構成について母体側から胎児側の順で正しいのはどれか。

第113回国家試験 D1

単純型熱性けいれんの特徴はどれか。

第113回国家試験 D2

電気けいれん療法について正しいのはどれか。

第113回国家試験 D3

真皮メラノサイトが増生しているのはどれか。

第113回国家試験 D4

視力表を別に示す。視力検査において乱視の軸の決定に必要な部分はどれか。

第113回国家試験 D5

慢性化膿性中耳炎の手術を目的に来院した患者の右耳の鼓膜写真を別に示す。視認されないのはどれか。

第113回国家試験 D6

成人で喘息の増悪をきたす可能性が最も高い薬剤はどれか。

第113回国家試験 D7

運動器に対する慢性的な過負荷が発症に関連しないのはどれか。

第113回国家試験 D8

高齢者の高血圧症の特徴でないのはどれか。

第113回国家試験 D9

急性大動脈解離の合併症として出現し得る徴候に含まれないのはどれか。

第113回国家試験 D10

成人肝移植の適応でないのはどれか。