令和元年度(第114回)医師国家試験問題|午後61問〜午後80問

第114回国家試験 C56

32 歳の男性。発熱、鼻汁および咳嗽を主訴に来院した。夏休みの家族旅行で2週間東南アジアに滞在し、1週前に帰国した。来院時の現症では結膜充血、口腔内に白色斑と全身に癒合性のある紅斑を認めた。 誤っているのはどれか。

第114回国家試験 C57

43 歳の男性。自営業。すぐに機嫌を損ねて怒鳴るようになったため、妻と母親に説得されて来院した。3か月前に父親が急逝してからしばらくの間、元気がなく、家族と話さなくなった。1か月前から店で必要以上にたくさん仕入れをするようになり、従業員に対して大声で怒鳴りつけるようになった。商品陳列の場所を何度も変え、始終移動させているようになった。元来ほとんど飲酒をしなかったが、毎晩飲酒をするようになったという。多弁で、感情の動きが激しく表出され、話題が際限なく広がる。本人は受診について不満であり、精神的なストレスで悲観的な考えに陥っている家族の方に治療を受けさせたいと述べている。これまでに発達上の問題はなかった。血液検査、頭部 MRI 及び脳波検査に異常を認めない。 この患者にみられる症状はどれか。2つ選べ。

第114回国家試験 C58

38 歳の女性。下腹部痛を主訴に来院した。5年前から月経時に下腹部痛と腰痛を自覚するようになった。1年前から月経初日と2日目に仕事を休むようになった。3か月前から月経終了後に下腹部痛と腰痛が出現し仕事を休むようになった。月経は 28 日周期で整。持続5日間。現在妊娠希望はないが将来は妊娠したいと思っている。飲酒は機会飲酒。母は子宮筋腫で子宮摘出術を受けた。 身長 162 cm、体重 58 kg。体温 36.8 ℃。脈拍 68/分、整。血圧 108/76 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。下腹部に圧痛のある腫瘤を触知する。内診では、子宮は前屈で正常大。左右付属器の腫瘤はそれぞれ径 10 cm で圧痛を認める。Douglas 窩に有痛性の硬結を触知する。下腹部 MRI の矢状断像を別に示す。 治療法を決める上で考慮すべきなのはどれか。2つ選べ。

第114回国家試験 C59

25 歳の初妊婦(1妊0産) 。妊娠 34 週4日に周産期管理のため、自宅近くの産科診療所から紹介されて来院した。既往歴、家族歴に特記すべきことはない。 身長160 cm、体重 59 kg。体温 36.6 ℃。脈拍 80/分、整。血圧 120/72 mmHg。内診時の帯下では BTB 試験紙の色の変化はなかった。腹部超音波検査で胎児は頭位で、推定体重は 2,050 g、羊水指数<AFI>は 3.8 cm だった。臍帯断面の超音波像及びノンストレステスト<NST>の結果を別に示す。 説明として正しいのはどれか。2つ選べ。

第114回国家試験 C60

46 歳の女性。急性虫垂炎の手術のため入院中である。 現病歴 : 3日前に急性虫垂炎のため虫垂切除術を施行した。昨日から 38.0 ℃の発熱を認めているため、本日の朝に診察を行った。 既往歴 : 特記すべきことはない。 生活歴 : 喫煙歴と飲酒歴はない。 家族歴 : 父親が膵癌のため 68 歳で死亡。 現症 : 意識レベルは JCSⅠ-1、GCS 15(E4V5M6) 。身長 155 cm、体重 48 kg。体温 37.2 ℃。脈拍 112/分、整。血圧 78/40 mmHg。呼吸数 28/分。SpO₂ 94%(room air) 。頸部リンパ節に腫脹を認めない。心音に異常を認めない。呼吸音は左下胸部で減弱し、coarse crackles を聴取する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腹部の手術創部に異常を認めない。背部に叩打痛を認めない。両下腿に浮腫を認める。 検査所見 : 血液所見:赤血球 388 万、Hb 11.2 g/dL、Ht 36 %、白血球 9,800(桿状核好中球 39 %、分葉核好中球 45 %、好酸球3%、好塩基球2%、単球4%、リンパ球7% )、血小板 18 万、D ダイマー 3.4 μg/mL(基準 1.0 以下)。血液生化学所見:総蛋白 6.5 g/dL、アルブミン 2.9 g/dL、尿素窒素 21 mg/dL、クレアチニン1.2 mg/dL、Na 139 mEq/L、 K 4.1 mEq/L、 Cl 108 mEq/L。 CRP 12 mg/dL、乳酸 14 mg/dL(基準5〜20)。胸部エックス線写真を別に示す。血液培養セットから Klebsiella pneumoniae が検出された。

診断として最も考えられるのはどれか。

第114回国家試験 C61

46 歳の女性。急性虫垂炎の手術のため入院中である。 現病歴 : 3日前に急性虫垂炎のため虫垂切除術を施行した。昨日から 38.0 ℃の発熱を認めているため、本日の朝に診察を行った。 既往歴 : 特記すべきことはない。 生活歴 : 喫煙歴と飲酒歴はない。 家族歴 : 父親が膵癌のため 68 歳で死亡。 現症 : 意識レベルは JCSⅠ-1、GCS 15(E4V5M6) 。身長 155 cm、体重 48 kg。体温 37.2 ℃。脈拍 112/分、整。血圧 78/40 mmHg。呼吸数 28/分。SpO₂ 94%(room air) 。頸部リンパ節に腫脹を認めない。心音に異常を認めない。呼吸音は左下胸部で減弱し、coarse crackles を聴取する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腹部の手術創部に異常を認めない。背部に叩打痛を認めない。両下腿に浮腫を認める。 検査所見 : 血液所見:赤血球 388 万、Hb 11.2 g/dL、Ht 36 %、白血球 9,800(桿状核好中球 39 %、分葉核好中球 45 %、好酸球3%、好塩基球2%、単球4%、リンパ球7% )、血小板 18 万、D ダイマー 3.4 μg/mL(基準 1.0 以下)。血液生化学所見:総蛋白 6.5 g/dL、アルブミン 2.9 g/dL、尿素窒素 21 mg/dL、クレアチニン1.2 mg/dL、Na 139 mEq/L、 K 4.1 mEq/L、 Cl 108 mEq/L。 CRP 12 mg/dL、乳酸 14 mg/dL(基準5〜20)。胸部エックス線写真を別に示す。血液培養セットから Klebsiella pneumoniae が検出された。

酸素投与とともに、生理食塩液 1,500 mL を輸液したところ、体温 38.1 ℃、脈拍 96/分、整。血圧 112/64 mmHg、呼吸数 24/分、SpO₂ 97 % (鼻カニューラ 3 L/分酸素投与下)となった。 この患者の状態はどれか。2つ選べ。

第114回国家試験 C62

46 歳の女性。急性虫垂炎の手術のため入院中である。 現病歴 : 3日前に急性虫垂炎のため虫垂切除術を施行した。昨日から 38.0 ℃の発熱を認めているため、本日の朝に診察を行った。 既往歴 : 特記すべきことはない。 生活歴 : 喫煙歴と飲酒歴はない。 家族歴 : 父親が膵癌のため 68 歳で死亡。 現症 : 意識レベルは JCSⅠ-1、GCS 15(E4V5M6) 。身長 155 cm、体重 48 kg。体温 37.2 ℃。脈拍 112/分、整。血圧 78/40 mmHg。呼吸数 28/分。SpO₂ 94%(room air) 。頸部リンパ節に腫脹を認めない。心音に異常を認めない。呼吸音は左下胸部で減弱し、coarse crackles を聴取する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腹部の手術創部に異常を認めない。背部に叩打痛を認めない。両下腿に浮腫を認める。 検査所見 : 血液所見:赤血球 388 万、Hb 11.2 g/dL、Ht 36 %、白血球 9,800(桿状核好中球 39 %、分葉核好中球 45 %、好酸球3%、好塩基球2%、単球4%、リンパ球7% )、血小板 18 万、D ダイマー 3.4 μg/mL(基準 1.0 以下)。血液生化学所見:総蛋白 6.5 g/dL、アルブミン 2.9 g/dL、尿素窒素 21 mg/dL、クレアチニン1.2 mg/dL、Na 139 mEq/L、 K 4.1 mEq/L、 Cl 108 mEq/L。 CRP 12 mg/dL、乳酸 14 mg/dL(基準5〜20)。胸部エックス線写真を別に示す。血液培養セットから Klebsiella pneumoniae が検出された。

抗菌薬治療を開始した。効果判定にまず用いるべき指標はどれか。

第114回国家試験 C63

23 歳の男性。自宅で倒れているのを発見され救急車で搬入された。 現病歴 : 徹夜でゲームをしており、昨夜から母親の制止を聞かずに市販のカフェイン含有飲料を多量に飲用していた。摂取カフェイン総量は 2,500 mg 以上と推定された。今朝、自宅で倒れているのを母親が発見し救急車を要請した。 既往歴 : 特記すべきことはない。 生活歴 : 家族と同居、一日中家にいて、外出することは少ない。3年前に退職後は定職についていない。 家族歴 : 特記すべきことはない。 現症 : 呼びかけにより開眼、「アー」と発語はあるが問いかけには答えられない。痛み刺激に対して手で払いのける。体温 38.2 ℃。心拍数 148/分、整。血圧98/70 mmHg。呼吸数 30/分。SpO₂ 97 %(マスク5L/分酸素投与下)。瞳孔径5mmで左右差を認めない。口腔内に吐物を認める。運動麻痺を認めない。腱反射の異常を認めない。心音に異常を認めない。両胸部に coarse crackles を聴取する。多量の尿失禁を認める。 検査所見 : 血液所見:赤血球 459 万、Hb 15.1 g/dL、Ht 44 %、白血球 11,400、血小板 25 万。血液生化学所見:AST 28 U/L、ALT 24 U/L、CK 624 U/L(基準30〜140) 、尿素窒素 40 mg/dL、クレアチニン 0.9 mg/dL、血糖 112 mg/dL、Na142 mEq/L、K 3.8 mEq/L、Cl 96 mEq/L。CRP 2.4 mg/dL。

最初に行う輸液の組成として最も適切なのはどれか。

第114回国家試験 C64

23 歳の男性。自宅で倒れているのを発見され救急車で搬入された。 現病歴 : 徹夜でゲームをしており、昨夜から母親の制止を聞かずに市販のカフェイン含有飲料を多量に飲用していた。摂取カフェイン総量は 2,500 mg 以上と推定された。今朝、自宅で倒れているのを母親が発見し救急車を要請した。 既往歴 : 特記すべきことはない。 生活歴 : 家族と同居、一日中家にいて、外出することは少ない。3年前に退職後は定職についていない。 家族歴 : 特記すべきことはない。 現症 : 呼びかけにより開眼、「アー」と発語はあるが問いかけには答えられない。痛み刺激に対して手で払いのける。体温 38.2 ℃。心拍数 148/分、整。血圧98/70 mmHg。呼吸数 30/分。SpO₂ 97 %(マスク5L/分酸素投与下)。瞳孔径5mmで左右差を認めない。口腔内に吐物を認める。運動麻痺を認めない。腱反射の異常を認めない。心音に異常を認めない。両胸部に coarse crackles を聴取する。多量の尿失禁を認める。 検査所見 : 血液所見:赤血球 459 万、Hb 15.1 g/dL、Ht 44 %、白血球 11,400、血小板 25 万。血液生化学所見:AST 28 U/L、ALT 24 U/L、CK 624 U/L(基準30〜140) 、尿素窒素 40 mg/dL、クレアチニン 0.9 mg/dL、血糖 112 mg/dL、Na142 mEq/L、K 3.8 mEq/L、Cl 96 mEq/L。CRP 2.4 mg/dL。

静脈路確保の次に行うべき対応はどれか。

第114回国家試験 C65

23 歳の男性。自宅で倒れているのを発見され救急車で搬入された。 現病歴 : 徹夜でゲームをしており、昨夜から母親の制止を聞かずに市販のカフェイン含有飲料を多量に飲用していた。摂取カフェイン総量は 2,500 mg 以上と推定された。今朝、自宅で倒れているのを母親が発見し救急車を要請した。 既往歴 : 特記すべきことはない。 生活歴 : 家族と同居、一日中家にいて、外出することは少ない。3年前に退職後は定職についていない。 家族歴 : 特記すべきことはない。 現症 : 呼びかけにより開眼、「アー」と発語はあるが問いかけには答えられない。痛み刺激に対して手で払いのける。体温 38.2 ℃。心拍数 148/分、整。血圧98/70 mmHg。呼吸数 30/分。SpO₂ 97 %(マスク5L/分酸素投与下)。瞳孔径5mmで左右差を認めない。口腔内に吐物を認める。運動麻痺を認めない。腱反射の異常を認めない。心音に異常を認めない。両胸部に coarse crackles を聴取する。多量の尿失禁を認める。 検査所見 : 血液所見:赤血球 459 万、Hb 15.1 g/dL、Ht 44 %、白血球 11,400、血小板 25 万。血液生化学所見:AST 28 U/L、ALT 24 U/L、CK 624 U/L(基準30〜140) 、尿素窒素 40 mg/dL、クレアチニン 0.9 mg/dL、血糖 112 mg/dL、Na142 mEq/L、K 3.8 mEq/L、Cl 96 mEq/L。CRP 2.4 mg/dL。

救急外来での処置後に集中治療室においてエコー下で右内頸静脈から中心静脈カテーテルを留置する方針となった。局所麻酔後にカテーテル留置のための穿刺を行ったところ鮮紅色の血液の逆流を認めた。穿刺針を抜去したところ同部位が急速に腫脹し始めた。血圧 92/60 mmHg。心拍数 130/分、整。 直ちに行うべきなのはどれか。

第114回国家試験 C66

80 歳の男性。ふらつきを主訴に来院した。 現病歴 : 約半年前から家族との会話に積極的に加わらなくなり、家族からの問いかけにも答えないことがあったが、大きな声で話しかければ普通に会話ができており、挨拶も自発的にできていた。約2か月前から屋内外で歩行時にふらつきがみられるようになり、最近、転倒するようになった。公共交通機関を1人で利用することができなくなったため、家族に付き添われて受診した。 既往歴 : 特記すべきことはない。 生活歴 : 妻と息子夫婦の4人暮らし。喫煙歴はなく、飲酒は機会飲酒。入浴、トイレ動作は可能である。 家族歴 : 特記すべきことはない。 現症 : 意識は清明。身長 164 cm、体重 58 kg。体温 36.6 ℃。脈拍 72/分、整。血圧 132/76 mmHg。呼吸数 12/分。甲状腺腫と頸部リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。神経診察において、Weber 試験では左に偏位している。軽度の構音障害を認めるが、失語はない。3物品(桜・猫・電車)の即時再生には問題ないが、遅延再生は困難である。立方体の模写と時計描画試験は不正確である。上肢 Barré 徴候は陰性で、四肢腱反射に異常を認めず、病的反射を認めない。指鼻試験で両側上肢に測定障害を認める。歩行は開脚不安定で、つぎ足歩行は困難である。Romberg 徴候は陰性で、表在感覚および深部感覚に異常は認めない。 検査所見 : 血液所見:赤血球 450 万、Hb 14.0 g/dL、Ht 42 %、白血球 5,600、血小板 30万。血液生化学所見:総蛋白 7.8 g/dL、アルブミン 4.0 g/dL、総ビリルビン 1.0 mg/dL、AST 16 U/L、ALT 18 U/L、LD 210 U/L (基準 120〜245) 、ALP 250 U/L (基準 115〜359)、γ-GT 18 U/L (基準 8〜50)、CK 80 U/L (基準 30〜140)、尿素窒素 20 mg/d、クレアチニン 0.9 mg/dL、尿酸 5.0 mg/dL、血糖 88 mg/dL、トリグリセリド 150 mg/dL、HDL コレステロール 40 mg/dL、LDL コレステロール 140 mg/dL、Na 145 mEq/L、K 4.0 mEq/L、Cl 104 mEq/L。CRP 0.1 mg/dL。頭部 MRI の T2*強調水平断像を別に示す。

神経診察所見から判断される病巣として考えにくいのはどれか。

第114回国家試験 C67

80 歳の男性。ふらつきを主訴に来院した。 現病歴 : 約半年前から家族との会話に積極的に加わらなくなり、家族からの問いかけにも答えないことがあったが、大きな声で話しかければ普通に会話ができており、挨拶も自発的にできていた。約2か月前から屋内外で歩行時にふらつきがみられるようになり、最近、転倒するようになった。公共交通機関を1人で利用することができなくなったため、家族に付き添われて受診した。 既往歴 : 特記すべきことはない。 生活歴 : 妻と息子夫婦の4人暮らし。喫煙歴はなく、飲酒は機会飲酒。入浴、トイレ動作は可能である。 家族歴 : 特記すべきことはない。 現症 : 意識は清明。身長 164 cm、体重 58 kg。体温 36.6 ℃。脈拍 72/分、整。血圧 132/76 mmHg。呼吸数 12/分。甲状腺腫と頸部リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。神経診察において、Weber 試験では左に偏位している。軽度の構音障害を認めるが、失語はない。3物品(桜・猫・電車)の即時再生には問題ないが、遅延再生は困難である。立方体の模写と時計描画試験は不正確である。上肢 Barré 徴候は陰性で、四肢腱反射に異常を認めず、病的反射を認めない。指鼻試験で両側上肢に測定障害を認める。歩行は開脚不安定で、つぎ足歩行は困難である。Romberg 徴候は陰性で、表在感覚および深部感覚に異常は認めない。 検査所見 : 血液所見:赤血球 450 万、Hb 14.0 g/dL、Ht 42 %、白血球 5,600、血小板 30万。血液生化学所見:総蛋白 7.8 g/dL、アルブミン 4.0 g/dL、総ビリルビン 1.0 mg/dL、AST 16 U/L、ALT 18 U/L、LD 210 U/L (基準 120〜245) 、ALP 250 U/L (基準 115〜359)、γ-GT 18 U/L (基準 8〜50)、CK 80 U/L (基準 30〜140)、尿素窒素 20 mg/d、クレアチニン 0.9 mg/dL、尿酸 5.0 mg/dL、血糖 88 mg/dL、トリグリセリド 150 mg/dL、HDL コレステロール 40 mg/dL、LDL コレステロール 140 mg/dL、Na 145 mEq/L、K 4.0 mEq/L、Cl 104 mEq/L。CRP 0.1 mg/dL。頭部 MRI の T2*強調水平断像を別に示す。

高齢者機能評価簡易版<CGA7>の評価に必要な項目で読み取れないのはどれか。

第114回国家試験 C68

80 歳の男性。ふらつきを主訴に来院した。 現病歴 : 約半年前から家族との会話に積極的に加わらなくなり、家族からの問いかけにも答えないことがあったが、大きな声で話しかければ普通に会話ができており、挨拶も自発的にできていた。約2か月前から屋内外で歩行時にふらつきがみられるようになり、最近、転倒するようになった。公共交通機関を1人で利用することができなくなったため、家族に付き添われて受診した。 既往歴 : 特記すべきことはない。 生活歴 : 妻と息子夫婦の4人暮らし。喫煙歴はなく、飲酒は機会飲酒。入浴、トイレ動作は可能である。 家族歴 : 特記すべきことはない。 現症 : 意識は清明。身長 164 cm、体重 58 kg。体温 36.6 ℃。脈拍 72/分、整。血圧 132/76 mmHg。呼吸数 12/分。甲状腺腫と頸部リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。神経診察において、Weber 試験では左に偏位している。軽度の構音障害を認めるが、失語はない。3物品(桜・猫・電車)の即時再生には問題ないが、遅延再生は困難である。立方体の模写と時計描画試験は不正確である。上肢 Barré 徴候は陰性で、四肢腱反射に異常を認めず、病的反射を認めない。指鼻試験で両側上肢に測定障害を認める。歩行は開脚不安定で、つぎ足歩行は困難である。Romberg 徴候は陰性で、表在感覚および深部感覚に異常は認めない。 検査所見 : 血液所見:赤血球 450 万、Hb 14.0 g/dL、Ht 42 %、白血球 5,600、血小板 30万。血液生化学所見:総蛋白 7.8 g/dL、アルブミン 4.0 g/dL、総ビリルビン 1.0 mg/dL、AST 16 U/L、ALT 18 U/L、LD 210 U/L (基準 120〜245) 、ALP 250 U/L (基準 115〜359)、γ-GT 18 U/L (基準 8〜50)、CK 80 U/L (基準 30〜140)、尿素窒素 20 mg/d、クレアチニン 0.9 mg/dL、尿酸 5.0 mg/dL、血糖 88 mg/dL、トリグリセリド 150 mg/dL、HDL コレステロール 40 mg/dL、LDL コレステロール 140 mg/dL、Na 145 mEq/L、K 4.0 mEq/L、Cl 104 mEq/L。CRP 0.1 mg/dL。頭部 MRI の T2*強調水平断像を別に示す。

医療面接および神経診察の結果から判断して、異常を示す可能性が高いのはどれか。

第114回国家試験 C69

66 歳の男性。胸背部痛と左上下肢の筋力低下のため救急車で搬入された。 現病歴 : 本日午前 11 時、デスクワーク中に本棚上段から書類を取ろうと手を伸ばしたところ、激烈な胸背部痛が突然出現した。その後すぐに左片麻痺が出現し、さらに重苦しい胸痛と冷汗が出現したため、発症から 30 分後に救急車を要請した。 既往歴 :2年前から高血圧症で通院治療中。 生活歴 : 妻と2人暮らし。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。 家族歴 : 父親は脳出血のため 86 歳で死亡。母は胃癌のため 88 歳で死亡。 現症 : 意識は清明。身長 162 cm、体重 80 kg。血圧 78/62 mmHg で明らかな左右差を認めない。脈拍 108/分(微弱) 、整。呼吸数 18/分。SpO₂ 99 %(room air)。頸静脈の怒張を認める。眼瞼結膜に貧血を認めない。心音はⅠ音Ⅱ音とも減弱しており、胸骨左縁第3肋間を最強とするⅡ/Ⅵの拡張期灌水様雑音を認める。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。左上下肢に不全片麻痺を認め、Babinski 徴候は陽性である。 検査所見 : 心電図は、心拍数 108/分の洞調律で、肢誘導および胸部誘導ともに低電位で、Ⅱ、Ⅲ、aVf に ST 上昇を認めた。ポータブル撮影機による仰臥位の胸部エックス線写真及び6 か月前に撮影された立位の胸部エックス線写真を別に示す。胸部エックス線写真を見比べながら、研修医が指導医に所見や解釈を報告した。

適切なのはどれか。

第114回国家試験 C70

66 歳の男性。胸背部痛と左上下肢の筋力低下のため救急車で搬入された。 現病歴 : 本日午前 11 時、デスクワーク中に本棚上段から書類を取ろうと手を伸ばしたところ、激烈な胸背部痛が突然出現した。その後すぐに左片麻痺が出現し、さらに重苦しい胸痛と冷汗が出現したため、発症から 30 分後に救急車を要請した。 既往歴 :2年前から高血圧症で通院治療中。 生活歴 : 妻と2人暮らし。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。 家族歴 : 父親は脳出血のため 86 歳で死亡。母は胃癌のため 88 歳で死亡。 現症 : 意識は清明。身長 162 cm、体重 80 kg。血圧 78/62 mmHg で明らかな左右差を認めない。脈拍 108/分(微弱) 、整。呼吸数 18/分。SpO₂ 99 %(room air)。頸静脈の怒張を認める。眼瞼結膜に貧血を認めない。心音はⅠ音Ⅱ音とも減弱しており、胸骨左縁第3肋間を最強とするⅡ/Ⅵの拡張期灌水様雑音を認める。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。左上下肢に不全片麻痺を認め、Babinski 徴候は陽性である。 検査所見 : 心電図は、心拍数 108/分の洞調律で、肢誘導および胸部誘導ともに低電位で、Ⅱ、Ⅲ、aVf に ST 上昇を認めた。ポータブル撮影機による仰臥位の胸部エックス線写真及び6 か月前に撮影された立位の胸部エックス線写真を別に示す。胸部エックス線写真を見比べながら、研修医が指導医に所見や解釈を報告した。

この時点で可能性が低い疾患はどれか。

第114回国家試験 C71

66 歳の男性。胸背部痛と左上下肢の筋力低下のため救急車で搬入された。 現病歴 : 本日午前 11 時、デスクワーク中に本棚上段から書類を取ろうと手を伸ばしたところ、激烈な胸背部痛が突然出現した。その後すぐに左片麻痺が出現し、さらに重苦しい胸痛と冷汗が出現したため、発症から 30 分後に救急車を要請した。 既往歴 :2年前から高血圧症で通院治療中。 生活歴 : 妻と2人暮らし。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。 家族歴 : 父親は脳出血のため 86 歳で死亡。母は胃癌のため 88 歳で死亡。 現症 : 意識は清明。身長 162 cm、体重 80 kg。血圧 78/62 mmHg で明らかな左右差を認めない。脈拍 108/分(微弱) 、整。呼吸数 18/分。SpO₂ 99 %(room air)。頸静脈の怒張を認める。眼瞼結膜に貧血を認めない。心音はⅠ音Ⅱ音とも減弱しており、胸骨左縁第3肋間を最強とするⅡ/Ⅵの拡張期灌水様雑音を認める。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。左上下肢に不全片麻痺を認め、Babinski 徴候は陽性である。 検査所見 : 心電図は、心拍数 108/分の洞調律で、肢誘導および胸部誘導ともに低電位で、Ⅱ、Ⅲ、aVf に ST 上昇を認めた。ポータブル撮影機による仰臥位の胸部エックス線写真及び6 か月前に撮影された立位の胸部エックス線写真を別に示す。胸部エックス線写真を見比べながら、研修医が指導医に所見や解釈を報告した。

治療方針決定のために優先される検査はどれか。

第114回国家試験 C72

76 歳の女性。全身倦怠感と食欲不振を主訴に来院した。 現病歴 : 65 歳時に高血圧症および骨粗鬆症と診断され、かかりつけ医にて内服加療を受けていた。2か月前から変形性膝関節症の治療を受けていたが、立位や歩行時の痛みが強く、ベッド上で過ごすことが増えていた。1週前から食欲が徐々に低下していた。3日前から全身倦怠感の訴えがあり、ベッド上からほぼ動かなくなった。同居していた家族が心配し、付き添われて受診した。 既往歴 : 74 歳時に脳梗塞を発症。 生活歴 : 左上下肢の不全麻痺としびれ感が残っており、杖歩行であるが身の回りのことは1人でできていた。喫煙歴と飲酒歴はない。 家族歴 : 父親が 68 歳時に肺癌で死亡。 現症 : 意識は清明。身長 155 cm、体重 41 kg。体温 36.2 ℃。脈拍 104/分、整。血圧 86/54 mmHg。呼吸数 16/分。SpO₂ 97 %(room air) 。眼瞼はくぼんでいる。眼瞼結膜は貧血を認めない。口腔粘膜は乾燥している。頸静脈は虚脱している。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。左上下肢に麻痺を認める。 検査所見 : 尿所見:蛋白(-) 、潜血(-) 、糖(-) 。血液所見:赤血球 396 万、Hb 12.1 g/dL、Ht 39 %、白血球 8,600、血小板 25 万。血液生化学所見:総蛋白 6.2 g/dL、アルブミン 3.1 g/dL、AST 34 U/L、ALT 12 U/L、LD 221 U/L(基準120〜245)、ALP 352 U/L(基準 115〜359) 、CK 38 U/L(基準 30〜140)、尿素窒素52 mg/dL、クレアチニン 2.2 mg/dL、血糖 104 mg/dL、Na 142 mEq/L、K 4.4mEq/L、Cl 108 mEq/L、Ca 12.4 mg/dL、P 3.6 mg/dL。CRP 0.2 mg/dL。改訂長谷川式簡易知能評価スケールは 26 点(30 点満点 )。

入院後、病棟薬剤師が確認したこの患者のお薬手帳を別に示す。中止すべき薬剤はどれか。3つ選べ。

第114回国家試験 C73

76 歳の女性。全身倦怠感と食欲不振を主訴に来院した。 現病歴 : 65 歳時に高血圧症および骨粗鬆症と診断され、かかりつけ医にて内服加療を受けていた。2か月前から変形性膝関節症の治療を受けていたが、立位や歩行時の痛みが強く、ベッド上で過ごすことが増えていた。1週前から食欲が徐々に低下していた。3日前から全身倦怠感の訴えがあり、ベッド上からほぼ動かなくなった。同居していた家族が心配し、付き添われて受診した。 既往歴 : 74 歳時に脳梗塞を発症。 生活歴 : 左上下肢の不全麻痺としびれ感が残っており、杖歩行であるが身の回りのことは1人でできていた。喫煙歴と飲酒歴はない。 家族歴 : 父親が 68 歳時に肺癌で死亡。 現症 : 意識は清明。身長 155 cm、体重 41 kg。体温 36.2 ℃。脈拍 104/分、整。血圧 86/54 mmHg。呼吸数 16/分。SpO₂ 97 %(room air) 。眼瞼はくぼんでいる。眼瞼結膜は貧血を認めない。口腔粘膜は乾燥している。頸静脈は虚脱している。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。左上下肢に麻痺を認める。 検査所見 : 尿所見:蛋白(-) 、潜血(-) 、糖(-) 。血液所見:赤血球 396 万、Hb 12.1 g/dL、Ht 39 %、白血球 8,600、血小板 25 万。血液生化学所見:総蛋白 6.2 g/dL、アルブミン 3.1 g/dL、AST 34 U/L、ALT 12 U/L、LD 221 U/L(基準120〜245)、ALP 352 U/L(基準 115〜359) 、CK 38 U/L(基準 30〜140)、尿素窒素52 mg/dL、クレアチニン 2.2 mg/dL、血糖 104 mg/dL、Na 142 mEq/L、K 4.4mEq/L、Cl 108 mEq/L、Ca 12.4 mg/dL、P 3.6 mg/dL。CRP 0.2 mg/dL。改訂長谷川式簡易知能評価スケールは 26 点(30 点満点 )。

適切な内服薬の調整や輸液により、全身 怠感と食欲不振は改善したが、入院中の診察にて、軽度の嚥下機能障害と左下肢関節の拘縮がみられた。また、家族からの話で、かかりつけ医からの処方薬が適切に内服できていないことが判明した。 この患者の退院支援に向けて協力が不可欠な職種はどれか。3つ選べ。

第114回国家試験 C74

76 歳の女性。全身倦怠感と食欲不振を主訴に来院した。 現病歴 : 65 歳時に高血圧症および骨粗鬆症と診断され、かかりつけ医にて内服加療を受けていた。2か月前から変形性膝関節症の治療を受けていたが、立位や歩行時の痛みが強く、ベッド上で過ごすことが増えていた。1週前から食欲が徐々に低下していた。3日前から全身倦怠感の訴えがあり、ベッド上からほぼ動かなくなった。同居していた家族が心配し、付き添われて受診した。 既往歴 : 74 歳時に脳梗塞を発症。 生活歴 : 左上下肢の不全麻痺としびれ感が残っており、杖歩行であるが身の回りのことは1人でできていた。喫煙歴と飲酒歴はない。 家族歴 : 父親が 68 歳時に肺癌で死亡。 現症 : 意識は清明。身長 155 cm、体重 41 kg。体温 36.2 ℃。脈拍 104/分、整。血圧 86/54 mmHg。呼吸数 16/分。SpO₂ 97 %(room air) 。眼瞼はくぼんでいる。眼瞼結膜は貧血を認めない。口腔粘膜は乾燥している。頸静脈は虚脱している。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。左上下肢に麻痺を認める。 検査所見 : 尿所見:蛋白(-) 、潜血(-) 、糖(-) 。血液所見:赤血球 396 万、Hb 12.1 g/dL、Ht 39 %、白血球 8,600、血小板 25 万。血液生化学所見:総蛋白 6.2 g/dL、アルブミン 3.1 g/dL、AST 34 U/L、ALT 12 U/L、LD 221 U/L(基準120〜245)、ALP 352 U/L(基準 115〜359) 、CK 38 U/L(基準 30〜140)、尿素窒素52 mg/dL、クレアチニン 2.2 mg/dL、血糖 104 mg/dL、Na 142 mEq/L、K 4.4mEq/L、Cl 108 mEq/L、Ca 12.4 mg/dL、P 3.6 mg/dL。CRP 0.2 mg/dL。改訂長谷川式簡易知能評価スケールは 26 点(30 点満点 )。

この患者で退院後の転倒・骨折リスクを低下させるために有用なのはどれか。

第114回国家試験 C75

人口 12 万人の A 市のある年の死亡者数は 510 名であった。A 市の年齢群別の人口と死亡者数、同じ年の日本全国の年齢群別の人口の概数を示す。 表の日本全国の人口を基準人口としたとき、A 市の人口 1,000 人あたりの年齢群で調整した死亡率を直接法で計算せよ。 ただし、小数第2位以下の数値が得られた場合は、小数第2位を四捨五入すること。 解答: ○○ .○ /人口 1,000 対