平成27年度(第110回)医師国家試験問題|午後81問〜午後100問

第110回国家試験 D48

16歳の男子。鼻出血を主訴に来院した。2か月前から大量の鼻出血を繰り返しており、右の鼻閉もある。頬部痛や鼻漏はなく、視覚異常や体重減少もない。血液所見と血液生化学所見とに異常を認めない。右鼻腔内視鏡写真、副鼻腔造影CT及び手術時に摘出した組織のH-E染色標本を別に示す。考えられる疾患はどれか。

第110回国家試験 D49

10歳の男児。左膝の痛みを主訴に来院した。3か月前にサッカーの練習中に膝の痛みを自覚した。その後、徐々に疼痛が強くなり腫脹も出現したため自宅近くの診療所を受診していた。左膝関節エックス線写真で異常陰影が認められたため、紹介されて受診した。 荷重時に疼痛があり、松葉杖をついている。左の大腿遠位から膝にかけて腫脹があり、同部にびまん性に圧痛を認める。安静時痛は軽度で、左膝関節の自動可動域は伸展 -30°、屈曲 90°である。 赤沈 7mm/1時間。血液所見:赤血球 502万、Hb 13.6 g/dL、白血球 8,900。血液生化学所見:LD 417 IU/L(基準 176~353)、ALP 1,259 IU/L(基準 359~1,110)、プロカルシトニン 0.05 ng/mL以下(基準 0.05)以下。CRP 0.9 mg/dL。左膝関節エックス線写真正面像と側面像とを別に示す。 最も考えられる疾患はどれか。

第110回国家試験 D50

42歳の初妊婦。妊娠31週5日。羊水過多のため精査目的で紹介されて来院した。超音波検査で胎児推定体重 1,250 g、羊水指数(AFI) 28.5 cm(基準 5~25)であり、胎児に房室中隔欠損を認め、心内膜床欠損症が疑われた。胎児の腹部超音波像を別に示す。最も考えられる胎児の疾患はどれか。

第110回国家試験 D51

69歳の男性。顔面の皮疹を主訴に来院した。以前より顔面のしみが多かったが、3か月前からその一部の色が濃くなり、拡大してきたという。顔面の写真と黒色斑のダーモスコピー像とを別に示す。この患者について正しいのはどれか。

第110回国家試験 D52

55歳の男性。心窩部痛を主訴に来院した。生来健康であったが、3日前、飲酒後に心窩部痛があった。一旦軽快したが、昨夜、飲酒後に再び心窩部痛と背部痛が出現し、増悪したため受診した。意識は清明。身長165cm、体重58kg。体温37.2℃。脈拍96/分、整。血圧146/96mmHg。呼吸数20/分。心窩部に圧痛を認めるが反跳痛や筋性防御を認めない。腸蠕動は消失している。血液所見:赤血球520万、Hb 14.2g/dL、Ht 45%、白血球12,800、血小板22万。血液生化学所見:総蛋白7.2g/dL、アルブミン4.5g/dL、総ビリルビン1.1mg/dL、直接ビリルビン0.6mg/dL、ALT 60IU/L、LD 240IU/L (基準176~353)、アミラーゼ1,504IU/L (基準37~160)、尿素窒素12mg/dL、クレアチニン1.2 mg/dL、Na 135mEq/L、K 4.2 mEq/L、Cl 100mEq/L。CRP 1.5mg/dL。腹部造影CTを別に示す。鎮痛薬投与に続いて行うべき治療はどれか。

第110回国家試験 D53

5か月の乳児。BCG接種部位が赤く腫れてきたため母親に連れられて来院した。BCG接種後2日目に接種部位が赤く腫れてきたことに気付き、日ごとに増悪したため接種後5日目に受診した。これまで成長や発達に異常を指摘されたことはない。来院時、左上腕部の接種部位に発赤と腫脹とを認め、一部膿疱様になっている。身体所見に異常を認めない。 まず行うのはどれか。

第110回国家試験 D54

60歳の男性。気が遠くなるようなめまいが出現したことを主訴に来院した。この症状は1週前から1日に1、2回自覚している。めまいの発作の出現は立位動作とは関係がなく、歩行中や座位でも生じるという。失神はない。高血圧症、左室肥大、胃潰瘍および脂質異常症で内服治療中である。 意識は清明。身長 169 cm、体重 65 kg。体温 36.2 ℃。脈拍60/分、整。血圧 148/82 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。神経学的所見に異常を認めない。 血液生化学所見に異常を認めない。心電図は洞調律、心拍数 60/分でPQ時間が 0.24秒(基準 0.12~0.20)である。その他に異常を認めない。胸部エックス線写真で異常を認めない。心エコーで異常を認めない。Holter心電図におけるめまい自覚時の記録を別に示す。 内服を中止する必要があるのはどれか。

第110回国家試験 D55

33歳の男性。増殖前糖尿病網膜症の治療を目的とし紹介されて来院した。10年前から健康診断で尿糖陽性を指摘されていたが自覚症状がないためそのままにしていた。最近、視力低下を自覚したため自宅近くの眼科を受診した。増殖前糖尿病網膜症と診断され、紹介されて受診した。父親が糖尿病で治療中である。身長 172 cm、体重 64 kg。脈拍 88/分、整。血圧 176/92 mmHg。尿所見:蛋白 4+、糖3+。血液生化学所見:総蛋白 6.5 g/dL、アルブミン 3.8 g/dL、クレアチニン 1.8 mg/dL、空腹時血糖 176 mg/dL、HbA1c 8.5%(基準 4.6~6.2)。 眼科的治療を開始するとともに行うべきなのはどれか。2つ選べ。

第110回国家試験 D56

65歳の男性。健康診断で赤血球増加を指摘され来院した。3年前に下肢深部静脈血栓症の既往がある。意識は清明。顔面と口腔粘膜が紅潮している。心音と呼吸音とに異常を認めない。肝を右肋骨弓下に1cm触知し、脾を左肋骨弓下に4cm触知する。脈拍88/分、整。血圧170/100mmHg。血液所見:赤血球760万、Hb20.1g/dL、Ht 54%、白血球7,100(骨髄球1%、後骨髄球1%、桿状核好中球2%、分葉核好中球69%、好酸球1%、単球9%、リンパ球17%)、血小板39万。エリスロポエチン3mIU/mL(基準8~36)。骨髄生検で赤芽球、顆粒球および巨核球の3血球系統の過形成を認める。骨髄細胞染色体分析で異常を認めない。JAK2遺伝子変異を認める。対応として適切なのはどれか。2つ選べ。

第110回国家試験 D57

72歳の男性。乾性咳嗽、発熱および労作時呼吸困難を主訴に来院した。1か月前に左肺下葉の原発性肺腺癌に対し抗癌化学療法が開始されていた。治療開始後30日目の昨日、乾性咳嗽、37.5 ℃の発熱および労作時呼吸困難を認め、本日には乾性咳嗽の増悪と安静時の呼吸困難とを自覚するようになったため受診した。 意識は清明。皮膚は湿潤している。下腿に浮腫を認めない。脈拍 112/分、整。血圧 152/102 mmHg。呼吸数 22/分。SpO2 90%(room air)。 血液所見:赤血球380万、Hb 11.9 g/dL、Ht 36%、白血球 8,600(分葉核好中球 68%、好酸球 5%、単球 5%、リンパ球 22%)、血小板 28万。血液生化学所見:総蛋白 7.2 g/dL、アルブミン 4.2 g/dL、AST 48 IU/L、ALT 52 IU/L、LD 752 IU/L (基準 176~353)、尿素窒素 22 mg/dL、クレアチニン 0.9 mg/dL、Na 144 mEq/L、K 4.6 mEq/L、Cl 108 mEq/L、Ca 8.0 g/dL。免疫血清学所見:CRP 4.8 mg/dL、β-Dグルカン 10 pg/mL未満(基準 10未満)、サイトメガロウイルス抗原陰性。喀痰を認めないため喀痰培養は実施できなかった。血液培養は陰性。抗癌化学療法開始前の肺野条件の胸部CTと今回来院時の肺野条件の胸部CTとを別に示す。酸素投与を開始した。 対応として適切なのはどれか。2つ選べ。

第110回国家試験 D58

58歳の男性。PSA高値を指摘され来院した。7年前から人間ドックで定期的にPSAを測定していたが基準値を超えたため受診した。排尿障害を認めない。直腸指診で前立腺はくるみ大、弾性硬で両葉に小結節を触知する。PSA 6.5ng/mL(基準4.0以下)。骨盤部MRIのT2強調像で前立腺辺縁領域に低信号を認めるため前立腺生検を施行した。病理診断では前立腺左葉の6本中2本、右葉の6本中1本に中分化腺癌(Gleason score 4+4)を認める。骨シンチグラフィでは異常な集積を認めない。対応として適切なのはどれか。2つ選べ。

第110回国家試験 D59

60歳の女性。1回経妊1回経産婦。性器出血を主訴に来院した。50歳で閉経。1年前から時々性器出血があった。身長154cm、体重64kg。子宮は手拳大で両側付属器は触知しない。経腟超音波検査で子宮内膜の肥厚を認め手術を行うこととした。子宮内膜生検のH-E染色標本を別に示す。この患者の術前検査として適切なのはどれか。3つ選べ。

第110回国家試験 D60

65歳の男性。労作時呼吸困難を主訴に来院し、慢性閉塞性肺疾患が疑われた。 呼吸機能検査を行った結果、全肺気量(TLC)は 7,400 mL、肺活量(VC)は 3,600 mL、一秒量(FEV1)は 1,600 mLであった。 残気率を求めよ。ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。 整数2桁

第110回国家試験 E1

腎移植の急性拒絶反応で正しいのはどれか。

第110回国家試験 E2

物品の写真を別に示す。外来で1歳2か月の男児に尿検査を実施するときに必要なのはどれか。

第110回国家試験 E3

頸髄損傷によって第6頸髄レベル以下の機能が完全に障害されている患者のリハビリテーションで正しいのはどれか。

第110回国家試験 E4

胃から吸収されるのはどれか。

第110回国家試験 E5

急性腎不全で血液透析を行うべき検査値はどれか。

第110回国家試験 E6

頭部造影MRIを別に示す。右側の視神経萎縮と嗅覚脱失、左側のうっ血乳頭をきたしている患者のMRI像はどれか。

第110回国家試験 E7

地域の保健・医療・福祉・介護について正しいのはどれか。