平成29年度(第112回)医師国家試験問題|午後21問〜午後40問
第112回国家試験 C17
ショックをきたす病態で早期から中心静脈圧が上昇するのはどれか。2つ選べ。
第112回国家試験 C18
労働衛生管理のうち作業環境管理はどれか。2つ選べ。
第112回国家試験 C19
胆道疾患と治療の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
第112回国家試験 C20
35歳未満の女性と比較して35歳以上の女性の妊娠で低率なのはどれか。2つ選べ。
第112回国家試験 C21
尿路および男性生殖器の解剖について正しいのはどれか。2つ選べ。
第112回国家試験 C22
我が国において主要な曝露源が魚介類摂取であるのはどれか。2つ選べ。
第112回国家試験 C23
介護保険における要介護認定に必要なのはどれか。2つ選べ。
第112回国家試験 C24
高血圧と糖代謝異常をきたす疾患はどれか。3つ選べ。
第112回国家試験 C25
32歳の女性。痒みを伴う皮疹を主訴に来院した。昨日夕食後に皮疹が背部に出現し、消退した後に下肢に同様の皮疹が出現した。下肢の写真を示す。 この皮疹の種類はどれか。
第112回国家試験 C26
日齢21の新生児。母子手帳の便色カードを見て、便の色が薄いことに気付いた母親に連れられて来院した。在胎 39 週、出生体重 2,800 g で出生し、出生時に異常は指摘されなかった。完全母乳栄養である。 体重 3,200 g。体温 37.0 ℃。心拍数 110/分、整。血圧 80/40 mmHg。呼吸数 32/分。SpO2 98 %(room air)。四肢を活発に動かしている。皮膚および眼球結膜に黄染を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は軽度膨満しており、肝を肋骨弓下に3cm触知する。腸雑音の亢進はない。患児の便の写真を示す。 母親への説明で適切なのはどれか。
第112回国家試験 C27
68歳の女性。左下腿の腫脹を主訴に来院した。3日前に転倒し左下腿を打撲した。徐々に腫脹が強くなり、心配になって受診した。脂質異常症、高血圧症、糖尿病および心房細動で内服治療中である。現在服用中の薬剤は、スタチン、カルシウム拮抗薬、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、ビグアナイド薬およびワルファリンである。左下腿後面の写真を示す。 この病変に関係しているのはどれか。
第112回国家試験 C28
70歳の女性。腰痛を主訴に来院した。2日前に屋内で段差につまずいて転倒した後から腰痛が出現した。歩行は可能である。下位腰椎に強い叩打痛がある。腰椎エックス線写真で第3腰椎の圧迫骨折を認める。 この患者の今後の生活に対する指導をする際に考慮する必要性が低いのはどれか。
第112回国家試験 C29
救急外来で小児を診察した研修医から指導医への報告を次に示す。 研修医 「3歳の男の子です。本日18時に突然腹痛が出現したため来院しました。痛みの部位ははっきりしません。全身状態は良好で嘔吐や発熱はなく、身体所見では腹部膨満があります。腸雑音は異常ありませんでした。鑑別のため腹部エックス線撮影、腹部超音波検査、血液検査を行いたいと思います」 指導医 「排便の状況はどうですか」 研修医 「排便は3日間ないそうです」 指導医 「腹部の圧痛や反跳痛はありますか」 研修医 「どちらもありませんでした」 指導医 「検査より先に行う処置は何かありますか」 研修医 「(ア)が良いと思います」 指導医 「そうですね。では一緒に診察に行きましょう」 研修医の正しい判断として(ア)にあてはまるのはどれか。
第112回国家試験 C30
78歳の女性。夕食後に腹痛が出現し、次第に増強したため救急車で搬入された。43歳時に卵巣囊腫摘出術を受けている。 体温 38.0 ℃。心拍数 120/分、整。血圧116/66 mmHg。SpO2 98 %(鼻カニューラ1L/分 酸素投与下)。腹部は膨隆し、下腹部に圧痛と筋性防御とを認めた。腹部造影CTで絞扼性イレウス及び汎発性腹膜炎と診断され、緊急手術を行うことになった。 手術室入室時、体温 38.0 ℃。心拍数 124/分、整。血圧 90/54 mmHg。SpO2 100 %(マスク6L/分 酸素投与下)。麻酔導入は、酸素マスクによって十分な酸素化を行いつつ、静脈麻酔薬と筋弛緩薬とを投与後、陽圧換気を行わずに輪状軟骨圧迫を併用し迅速に気管挿管を行う迅速導入とした。 下線に示すような麻酔導入を行う目的はどれか。
第112回国家試験 C31
75歳の男性。3か月前から徐々に左眼の視力低下をきたし、中心暗点も自覚するようになったため来院した。視力は右 0.1(1.0 × -1.5D)、左 0.1(0.2 × -2.0D)。左眼の眼底写真と光干渉断層計(OCT)像とを示す。 この疾患のリスクファクターはどれか。
第112回国家試験 C32
75歳の男性。労作時の呼吸困難と体重減少とを主訴に来院した。5年前から労作時の呼吸困難を自覚していたが徐々に増強し、体重も半年前と比較して8kg 減少したため心配になり来院した。7年前に肺炎で入院治療を受けている。喫煙は 30 本/日を 50 年間。 意識は清明。身長 162 cm、体重 39 kg。体温 36.5 ℃。脈拍 96/分、整。血圧 140/70 mmHg。呼吸数 24/分。SpO2 91 %(room air)。心音はⅠ音とⅡ音の減弱を認めるが心雑音は認めない。呼吸音は減弱している。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。 血液所見:赤血球 435 万、Hb 13.7 g/dL、Ht 41 %、白血球 7,200、血小板 19 万。血液生化学所見:総蛋白 6.4 g/dL、アルブミン 3.4 g/dL。CRP 0.4 mg/dL。動脈血ガス分析(room air):pH 7.42、PaCO2 47 Torr、PaO2 62 Torr、HCO3- 28 mEq/L。呼吸機能所見:%VC 78 %、FEV1 % 42 %。胸部エックス線写真と胸部 CTとを示す。 この疾患について誤っているのはどれか。
第112回国家試験 C33
生後2時間の新生児。在胎 40 週0日、出生体重 2,000 g、Apgar スコア8点(1分)、8点(5分)で出生した。生後2時間で四肢を小刻みに震わせることが頻回にあった。 体温 36.5 ℃。心拍数 120/分、整。呼吸数 40/分。下肢 の SpO2 98 %(room air)。大泉門は平坦。心雑音を聴取せず、呼吸音に異常を認めない。筋緊張は正常で、Moro反射と吸啜反射とを正常に認める。出生後は排尿を認めていない。 直ちに行うべき検査はどれか。
第112回国家試験 C34
62歳の男性。左視床出血で入院中である。6週間前に右上下肢の脱力感のために来院し、左視床出血と診断され入院した。入院後の経過は良好で、退院に向けたリハビリテーションを行っている。 意識は清明。身長 172 cm、体重 71 kg。血圧 118/78 mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 97 %(room air)。徒手筋力テストで右上肢筋力は4、右下肢筋力は腸腰筋4、大腿四頭筋4、前脛骨筋2。右半身の表在感覚は脱失し、位置覚は重度低下している。食事は左手を使って自立しており、立ち上がりもベッド柵を使用して可能である。患者は事務職への早期復職を希望しているが、通勤には電車の利用が必要である。 退院に向けたリハビリテーションの目標として適切なのはどれか。
第112回国家試験 C35
82歳の女性。悪心と骨盤の痛みとを主訴に来院した。2年前に骨病変を伴う多発性骨髄腫と診断された。抗癌化学療法とビスホスホネート製剤の投与とを受けていたが治療抵抗性となり、3か月前に抗癌化学療法は中止した。その後、多発性骨髄腫による骨盤の痛みが生じたため、局所放射線照射を行ったが除痛効果は一時的であり、モルヒネの内服を開始した。当初、痛みは良好にコントロールされていたが、徐々にモルヒネの効果が乏しくなったため、段階的に増量した。数日前から痛みに加え、食欲不振と悪心が強くなり受診した。血液検査で電解質に異常を認めない。腹部エックス線写真でイレウス所見を認めない。 対応として適切なのはどれか。
第112回国家試験 C36
44歳の男性。消化管検査のため1日絶食が必要になり、末梢静脈から 1,500 mL/日の輸液を行うことになった。耐糖能異常と電解質異常はない。身長 167 cm、体重 61 kg。Na+は成人推奨量を、K+は平均的な経口摂取量の半分程度を入れたい。アミノ酸や脂肪乳剤の投与は行わない。輸液の既製市販品の組成を示す。 1日分の輸液として適切なのはどれか。